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不整脈科

対象疾患・治療法
左心耳閉鎖術(経カテーテル)

左心耳閉鎖術(経カテーテル)について

心臓の中の心房という部屋が痙攣する心房細動という不整脈が発生すると、血の流れが悪くなって心臓の中で血が固まり(=血栓)、その血栓が脳に流れて脳梗塞をおこす場合があります。一般に90%以上の血栓が左心房の中の「左心耳」という袋状の部屋に生じるとされています。経カテーテル的左心耳閉鎖術は、開胸手術をする必要なく、そけい部(足の付け根)の静脈から細い管(カテーテル)を通して特別な器具を留置して左心耳を閉鎖する治療法です。脳梗塞のリスクを低減し、また血を固まりにくくする抗凝固薬(ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナ)が大半の方で中止可能となります。抗凝固薬を内服中で、出血でお困りの場合には、ぜひご相談を頂ければと思います。

留置手技について

全身麻酔下に経食道心エコーという胃カメラのような装置で食道から心臓を観察しながら、左心耳を閉鎖する器具の留置を行ないます。そけい部(足の付け根)の静脈からカテーテルを挿入し、右心房から左心房にカテーテルを進め、左心耳を造影剤で造影しつつ器具を留置します。左心耳が非常に大きい場合や特殊な形態で完全に閉鎖ができない場合など、状況によって手技中止となる場合があります。

1.そけい部(足の付け根)の静脈からカテーテルを心臓の右心房に進めた後、心房中隔を穿刺して左心房へと進め、左心耳の中にその先端を配置します。

2.器具を左心耳内で拡張し、適切な場所を探して留置します。

3.特に問題なければ、左心耳の入口に完全に留置しカテーテルを抜去します。

参考動画:
https://www.youtube.com/watch?v=nm8cst2LoAc&t=16s

留置後の内服と経過観察について

留置後は、血を固まりにくくする抗凝固薬(ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナ)や抗血小板薬(アスピリンやプラビックスなど)を組み合わせて投薬しながら、定期的に経食道心エコーやCTを行いつつ、徐々に調節・減量していきます。適切な左心耳の閉鎖が確認できなかった場合は、閉鎖が確認できるまで抗凝固薬や抗血小板薬の投与を継続します。その後も定期的に経食道心エコーやCT等を行ない注意して経過観察します。血栓が形成された場合には抗凝固薬を再開する場合があります。

問い合わせ等、連絡先:

国立循環器病研究センター心臓血管内科部門不整脈科
永瀬 聡、宮本康二、草野研吾

最終更新日:2024年02月01日

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