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内分泌代謝ゲノム医療部

診療科等の概要

内分泌代謝ゲノム医療部では研究所前病態代謝部斯波真理子部長らと協力して家族性高コレステロール血症を中心に診療を行っています。遺伝子検査としてLDL受容体遺伝子、PCSK9遺伝子の解析を行っています。2022年4月から家族性高コレステロール血症の遺伝子検査に関して指定難病であるホモ接合体が疑われる患者様については保険適応で可能となりました。
遺伝子検査に関するご依頼・お問い合わせはidenshikensa@ml.ncvc.go.jpまで連絡ください。
(医療機関からの依頼のみ対応しており、患者さんからの直接の依頼には対応していません)

家族性高コレステロール血症とは?

家族性高コレステロール血症はLDL受容体遺伝子やPCSK9遺伝子などに変異をもつことによりLDLコレステロールが高く、早期に心臓の血管に動脈硬化を起こす遺伝性の疾患です。遺伝子は、父・母から由来する1つずつ合計2つを有していますが、両方に変異がある場合を「ホモ接合体」、どちらか一方のみに変異が認められる場合を「ヘテロ接合体」とよびます。家族性高コレステロール血症の「ホモ接合体」患者さんは100万人に1人以上、「ヘテロ接合体」患者さんは200-500人に1人以上の頻度とされ、様々な遺伝性代謝疾患の中でも最も頻度が高い病気です。
この疾患の症状ですが、若いころからLDLコレステロールが高いこと以外ほとんど症状はなく、一部の人では、黄色種と呼ばれるコレステロール沈着による白っぽい隆起をした斑点が、手の甲、膝、肘、瞼などに見られます。LDLコレステロールは通常、肝臓で処理されるのですが、この疾患ではLDLコレステロールが肝臓で処理できないため、血液中にたまってしまい、早期に動脈硬化を引き起こし、特に心筋梗塞、狭心症を発症させます。
発症年例は、男性の場合20歳代から起こり、40代がピークをとり、女性の場合は30代から始まり、50代にピークをとるように、非常に若くして心筋梗塞を中心とした動脈硬化性疾患を起こすのが特徴です。重症例においては、幼児期に心筋梗塞を発症することもあります。
遺伝性ですので、親、兄弟、叔父、叔母、祖父母、子供などにも同じようにコレステロールが高く、心筋梗塞、狭心症などの心臓病を発症していることも特徴です。

最終更新日:2022年04月07日

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