国立循環器病研究センター

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循環器病対策情報センター ニュースレター Vol.3 (2026.1.30)

厚生労働科学研究「循環器病対策の進捗評価法の確立を目指した研究」の班会議報告

循環器病対策情報センター長
飯原弘二

 皆さん、こんにちは!
 1月28日に、循環器病対策情報センターと厚労省がん疾病対策課とで、WEB会合を開きました。冒頭で、大津理事長、鶴田課長からのご挨拶に続いて、次年度への事業拡大に向けて、認識合わせをしたところです。
 さて1月20日には、厚生労働科学研究「循環器病対策の進捗評価法の確立を目指した研究」(研究代表者 飯原弘二)の班会議を開催しました。循環器病対策基本法が成立したのが、2018年、それに基づいて、循環器病対策推進基本計画ができ、それをもとに、都道府県が独自の循環器病対策の計画を立てます。循環器病対策推進基本計画は、現在第2期にあり、現在、中間評価を行うための準備を進めています。私たちの研究班は、がん疾病対策課と緊密に連携して、循環器病対策の進捗管理法を確立することが求められています。

 しかし、そもそも循環器病対策の進捗をどう測るのでしょうか?

 これは先行する「がん対策」の領域でも、大きな命題であり、私たちの班は、循環器病の分野でその課題に取り組んでいます。そこで、昨年、各都道府県の循環器病対策の担当課の責任者向けにアンケート調査を実施し、第1期から第2期にかけて、脳卒中と心血管病について、「計画をどのように変更したのか?」、「対策の進捗を測るための目標設定の仕方」などについて、調査しました。
 先日の班会議では、研究班がまとめた都道府県の循環器病対策推進計画の調査結果を報告し、日本脳卒中学会、日本循環器学会、公衆衛生の専門の先生、厚生労働省の担当課の皆さんと議論しました。

 主なポイントは、下記の通りです。詳しくは添付ファイルをご覧ください。

  1. 目標値の設定について、予防・啓発期は「健康日本21」などの国のガイドラインや、都道府県の健康増進計画・保健医療計画と整合性を図っている。
  2. 目標値の設定について、急性期から回復期・維持期へと移行するにつれて、「専門家や委員の意見決定」に依存する割合が増加している。
  3. 目標達成や評価を妨げている主な課題として、
    1)目標が定性的であり、達成状況を客観的に評価することが困難である。
    2)そもそも、目標値の設定に関する科学的根拠が不足している。
    3)指標の粒度と定義の不統一であること。
    4)データ収集の限界。
    などが、主な回答でした。

 このように、循環器病対策が始まったばかりの現在、都道府県ごとの対策の進捗を評価するために、標準的な方法を確立することが重要だと考えられました。そこで、本研究班では、今後、米国の Healthy People 2030 のような、データ駆動型の目標設定プロセスの導入が必要ではないかと提言する予定にしています。
 また、班会議の後半では、新規コア指標案として、急性期脳梗塞に対する血栓回収療法(MTアクセス)を例にとり、データを用いて、自治体ごとに課題をマッピングして、どのように個別の政策の立案に結びつけるのかついて、提言しています(事務局 連氏ら)。班会議では、日本循環器学会の先生から、大変興味深く、同様の試みができるのではとの発言がありました。
 循環器病対策情報センターでは、令和8年度から本格化する循環器病対策総合推進事業と厚生労働科学研究とを両輪として、関連学会と緊密に連携しながら、「循環器病対策を、データからアクションへとつなげるデータ基盤を構築」したいと考えています。活動に興味のある方は、いつでもご連絡ください。3月、私が主催します、STROKE2026(https://site2.convention.co.jp/stroke2026/)でも合同シンポジウム(3月14日午前8時30分~)で、この話題をとりあげます。奮ってご参加ください。
 最後になりましたが、循環器病対策の推進に向けて、循環器病対策情報センターの活動への関係各位のご理解、ご指導をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

資料1 班会議資料
資料2 都道府県調査 調査結果① 指標の設定、達成状況
資料3 アンケート F15都道府県調査 脳卒中に関する評価指標++(集計結果)
資料4 アンケート F15都道府県調査 心血管疾患に関する評価指標++(集計結果)

以上

最終更新日:2026年01月30日

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