国立循環器病研究センター

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国循について

理事長からのご挨拶

理事長 大津 欣也
理事長 大津 欣也

2021年4月1日付けで国立循環器病研究センター(国循)理事長に就任いたしました大津欣也です。

私は、国循が産声を上げたのと同じ1977年に大阪大学医学部に入学し、医学の道を歩み始めました。1983年に大学卒業し、大学付属病院での初期研修の後、米国衛生研究所、トロント大学、ニース大学で研鑽を積み帰国しました。その後、大阪大学循環器内科で臨床、教育、研究に携わり、2012年に、英国キングスカレッジロンドン循環器内科教授に就任いたしました。ロンドンでは、イギリスやヨーロッパの医療向上に努力するとともに、日英の懸け橋として研究や人材交流の推進にも取り組みました。同時に、9年間、海外から日本の現状をみて、大変な危機感を持ちました。この度、当センターの理事長に任命され、責任の重さと、憧れの国循で日本の循環器医療の発展に貢献できる喜びを感じております。

国循は、循環器疾患の究明と制圧のために設立された国立高度専門医療研究センターです。対象疾患は、脳・心臓循環器疾患に特化され、その予防、診断、治療法の開発、病態生理の解明を推し進めています。また、日本全国から集った若手医療従事者に対する教育も大きな役割です。2019年には、吹田市岸部に移転し、一つの建物に病院、研究所及び企業・大学と共同研究を行うオープンイノベーションセンターの3つの機関が入る、世界レベルの医療研究機関となりました。周辺には、吹田市民病院、大規模マンション、高齢者向け住宅、企業や国立健康・栄養研究所が立地予定のイノベーションパークなどがあり、一帯は、北大阪健康医療都市(健都)と呼ばれ、医療クラスターの形成を目指しています。

国循の対象疾患である脳卒中、心臓病などの循環器疾患は、我が国の主要な死亡原因です。心疾患は死亡原因の第二位、脳血管疾患は第四位です。また、介護が必要となる主な原因に占める割合は、循環器疾患が最多です。

循環器疾患は、生活習慣病予備群(運動不足、肥満)、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病など)の発症、脳梗塞、心筋梗塞などの突発的な発症や重症化、合併症の発症、徐々に進行する慢性期、繰り返す急性増悪と、幅広い年代に存在し、長い経過をとります。循環器疾患は予防が可能であり、適切な予防を行い、元気で活躍できる健康寿命を伸ばすことも大切です。また、循環器疾患の中には、生活習慣病由来以外にも、先天性疾患、遺伝子疾患、感染などを原因とするものもあります。

循環器病克服のための基本法が、2019年12月に施行され、循環器疾患の究明と制圧が国を挙げてのプロジェクトとなりました。国循は、その中核となって、法の理念を体現し、国民の健康増進を推進します。また、国循が持つ様々な機能を有機的に連携させることにより、世界標準の研究機関として、循環器病克服に向けた研究、新規診断・治療法の開発に全力で取り組み、その成果を我が国のみならす、世界に発信していきたいと思います。

併せて、循環器医療の全国的な均てん化も、国循の重要な使命であり、若手医療従事者の教育を通して、高度医療を全国に普及する医療の伝道師を育成いたします。

私たちは、皆様から新センターというすばらしい「箱」をいただいて再出発いたしました。これからさらに進化し、着実に一歩一歩、世界最高峰の循環器病研究センターを目指したいと思います。

国立循環器病研究センター 理事長 大津欣也

理事長 略歴

経歴 1983年(昭和58年) 大阪大学医学部卒業
1983年(昭和58年) 大阪大学医学部附属病院研修医(第一内科)
1984年(昭和59年) 米国国立保健衛生研究所国立老化研究所研究員
1988年(昭和63年) トロント大学バンティングベスト医学研究部研究員
1991年(平成3年) ニース大学生化学センター客員研究員
1992年(平成4年) 大阪大学医学部附属病院医員(第一内科)
1997年(平成9年) 大阪大学医学部助手 (第一内科)
2002年(平成14年) 大阪大学大学院医学系研究科講師(兼任)
2005年(平成17年) 大阪大学大学院医学系研究科助教授(循環器内科)
2008年(平成20年) 大阪大学医学部附属病院科長(循環器内科)(~H22.3)
2012年(平成24年) 英国キングスカレッジロンドン循環器科教授
英国心臓財団教授(BHF Chair of Cardiology)(兼任)
2014年(平成26年) 大阪大学未来戦略機構招へい教授(兼任)
2018年(平成30年) 大阪大学重症心不全内科治療学寄附講座特任教授(兼任)
2021年(令和3年) 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 理事長

最終更新日:2021年09月28日

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