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循環器病対策情報センター ニュースレター Vol.1 (2025.12.18)
循環器病対策情報センター長 飯原弘二
今回、循環器病対策情報センター ニュースレターを皆様にお届けします。皆様に、循環器病対策に関する国内外の動向を広くお伝えし、活動へのご理解を深めていただくことが目的です。信頼性の高い情報を、迅速に皆様にお伝えすることを、スローガンとして掲げてまいります。
循環器病対策推進基本計画の中で、循環器病に関する診療情報の収集・活用が掲げられています。これまでも、循環器病対策情報センターは、循環器病の診療情報収集・活用に係る取組みを進めて来ました。
さて、国は、医療DXの取り組みを見据えた、新しい循環器病データ基盤(バーチャルデータベース構想)の構築を求めています。新しい循環器病データ基盤では、循環器病に関する大規模なデータベースを新規に構築するのではなく、既存のデータベースや公的データベース(厚生労働大臣が保有する医療・介護関係のデータベース、https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001254547.pdf)を連携し、最大限に活用しつつ、循環器病対策を推進することを図ることとなりました。
このたび、循環器病対策情報センターは、厚生労働省からの要請を受けて、日本脳卒中学会と日本循環器学会から推薦された委員を対象に、「循環器病登録事業—学会へのニーズ調査」を実施いたしました。調査項目は、既存のデータベースの利活用における課題や、新しい循環器病データ基盤に求めるデータ項目、機能についての19問です。集計した結果を、2025年12月5日に会議を開催し、議論いたしました。集計結果の概要は、公的データベースの利用における多くの課題や、データ標準化や他データベースとの連携機能への高い要望が示されています。特に「二次利用」のニーズとして、信頼性の高い疫学・公衆衛生上の指標(病気や障害によって生じる健康上の負担を総合的に示す指標など)が最も高く、ついて医療の質の向上・診療実態の評価が高い結果となりました。
また、米国やスウェーデンなどの海外事例の仕組みが、日本の循環器病研究・対策に有用であるという見解も示されています。信頼性の高い循環器病に関する情報収集と公開は、循環器病対策情報センターの重要な使命の一つです。本調査の詳細な会議資料は、循環器病対策情報センターホームページをご覧ください(https://www.ncvc.go.jp/cvdinfo-ncvc/)。今後とも、循環器病対策情報センターの活動へご理解、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
以上
最終更新日:2025年12月19日