国立循環器病研究センター

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心臓カテーテル検査におけるカテーテルの期限逸脱について


令和6年11月26日
国立研究開発法人国立循環器病研究センター

 この度、国立循環器病研究センターにおきまして、心臓カテーテル検査の対象となる1名の入院患者様に誤って有効期限切れカテーテルを当該検査に用いたことが翌日に判明する事故が発生いたしました。
  当センターとしては、この事実を把握した時点で速やかに当該患者様、ご家族様に連絡をとり、説明と謝罪を行いました。このことが原因と考えられる健康被害、その他の問題は発生しておりません。
 当センターの患者様ならびに関係の皆様方に、多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げます。

1.事故内容について

令和6年10月30日に実施した心臓カテーテル検査において、誤って有効期限の切れたカテーテル(有効期限:令和6年3月末)を使用しました。

2.経過について

令和6年10月30日心臓カテーテル検査実施。
令和6年10月31日SPDセンター(物品管理等業務委託業者)にて、前日に使用した心臓カテーテル検査にかかる診療材料の使用記録登録中に有効期限切れが判明。
同日主治医・カテーテル室より医療安全管理者へ報告。医療安全管理者より医療安全管理室長、同部長及び院長へ報告。
同日当該診療材料の納入業者により同社が当院に預けている全診療材料預託在庫について有効期限を確認し、他に有効期限切れ在庫がないことを確認。
同日主治医より当該患者様、ご家族様に対面で経緯内容及び健康被害が発生していないことを説明し謝罪。

引き続き、当該患者様の経過をフォローし、適切に対応してまいります。

3.当院の診療材料在庫管理について

 当院が使用する診療材料は、一部を「預託在庫」として院内に保管しています。預託在庫の所有権はメーカーや納入業者に帰属していますが、病院は必要な材料をすぐに利用できるため、緊急手術時などに迅速な対応が可能となります。
 当院の預託在庫には、物品管理等業務委託業者(以下、SPDセンターという)が管理している預託在庫(以下、SPD預託在庫という)と、メーカーや納入業者が管理している預託在庫(以下、業者等預託在庫という)の2種類があります。
 今回は業者等預託在庫の診療材料について有効期限切れが発生しました。

4.発生原因について

(1)今回有効期限切れが発生した診療材料は、納入業者が実際には当院に当該診療材料を預託していたにも関わらず、当該業者の社内基幹システム(在庫管理・受発注・請求管理等に使用する) から当院への預託情報を削除したことが原因にあります。本来、院内にある預託在庫と納入業者社内基幹システムの預託情報は連動させる必要がありますが、連動できていませんでした。

(2)業者等預託在庫については、業者等が期限確認を行っていたものの、SPDセンターで全ての預託在庫情報を把握できていませんでした。なお、SPD預託在庫については、SPDセンターが定期的に期限確認を行い、SPDセンターより病院に情報提供を受けています。

(3)カテーテル室においては、診療材料開封時の使用期限確認について、確認が徹底されていませんでした。

5.再発防止の対応について

(1)当該納入業者により、当該業者の全預託在庫の有効期限を確認し、有効期限切れがないこと及び社内基幹システムへの登録が完了しております。

(2)業者等預託在庫については、SPDセンターにて有効期限等のデータ管理を行うよう体制を取ります。具体的には、業者等が院内預託する場合は、配置時・撤去時・数量変更時等にSPDセンターへ登録することを徹底します。毎月SPDセンターにて期限情報の確認を実施し、期限切迫品があれば業者等に通知するとともに、当該物品の撤去確認を行うことで、預託業者とSPDセンターによる有効期限のダブルチェックを実施していきます。

(3)カテーテル室においては、診療材料開封時の使用期限確認について、11月20日に手順を策定し周知しました。また、同日、院内会議にて本事案並びに診療材料開封時の使用期限確認実施を周知しました。

当センターといたしましては、これらの対策によって期限切れ診療材料等を使用することのない手順を構築して再発防止に努め、患者様と国民の皆様の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。

最終更新日:2024年11月26日

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