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ご遺体の取り違え事故について
令和6年6月7日
国立研究開発法人国立循環器病研究センター
国立循環器病研究センターの病理解剖において、ご遺体の取り違えが発生しました。
ご遺体の取り違えに気付いた時点で、解剖予定でなかったご遺体のご遺族に連絡を取りご遺体取り違えについて
謝罪を行いました。
ご遺体を傷つけ、またご遺族にご心労をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
1.事故内容について
国立循環器病研究センター病院の病理解剖において、ご遺体の取り違えが発生しました。
当院入院中に死亡され、ご遺族が病理解剖に同意された患者様の病理解剖を行う予定でした。
しかし、実際にはご遺体引き取りまでの一時保管のために安置されていた別の患者様の病理解剖を行いました。解剖開始後、解剖予定であった患者様の生前の手術痕と明らかに異なる所見がありご遺体を取り違えたことに気付きました。
2.事故発生に至った原因について
- 遺体安置庫に保管しているご遺体を解剖室へ移動する時に、病理医と臨床医と検査技師(以下、解剖関係者と表記します。)による患者確認が行われなかったこと。
- 解剖関係者は、解剖室に隣接して設置してある遺体安置庫2室のうち、通常、病理解剖用に使用している遺体安置庫にご遺体が安置されていたことから、解剖予定のご遺体であると思い込んでしまったこと。また、通常、病理解剖用として使用する遺体安置庫に解剖対象ではないご遺体が一時保管のために安置される場合があることを認識していなかったこと。
- 遺体安置庫2室のうち、もう一方は普段は病理解剖用ではない遺体安置庫として使用していたが、複数のご遺体がある場合は病理解剖用の遺体安置庫としても使用することの周知が不十分であったこと。
3.再発防止策について
- 病理解剖の実施に関する医療安全管理マニュアルの策定
①解剖室入室時に解剖関係者による患者確認を行います。
②解剖執刀前にタイムアウト(解剖関係者全員が一時手を止めて、関係者全員で患者姓名、生年月日などを確認する)を取り入れて患者確認を徹底します。
③解剖室からの退出時やご遺体の引き渡し時にも②と同様の確認を行います。 - 策定した医療安全管理マニュアルの使用を徹底して、マニュアルの手順を遵守し再発防止に努めます。
ご遺族への謝罪後に、病理解剖の承諾を頂いたことから病理解剖は最後まで行われました。
再びこのような事故を起こさないように、今回策定したマニュアルに基づいた病理部、臨床科、看護部の協調が円滑に行われるような病院内のシステム作りを徹底して再発防止に努め、患者様と国民の皆様の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。
最終更新日:2024年06月07日