国立循環器病研究センター

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山口 武典・国立循環器病研究センター名誉総長がKarolinska Stroke Awardを受賞

山口名誉総長がKarolinska Stroke Award受賞当センター名誉総長の山口武典先生が、先日の秋の叙勲に続き、今度はKarolinska Stroke Awardを受賞されました。国内外の大きな受賞が続き、センター職員も沸き立っています。

Karolinska Stroke Award(カロリンスカ ストローク アワード)は脳卒中研究に国際的功績のあった臨床研究者に贈られる、たいへん栄誉ある賞です。2004年に制定され、2年ごとに1ないし2名が選ばれます。過去の受賞者にはカナダ、ウェストオンタリオ大学のHenry J Barnett教授やイギリス、エジンバラ大学のCharles Warlow教授、ドイツ、ハイデルベルグ大学のWerner Hacke教授などが名を連ね、山口先生で通算6人目、アジアからは初の受賞者です。

この賞はスウェーデンのカロリンスカ研究所の理事会が選考、授与します。聞き覚えのある施設ですね。そうです。カロリンスカ研究所はヨーロッパにおける最も権威のある医学研究施設の1つで、ノーベル医学生理学賞の受賞者を決める施設としても有名です。今回の賞をノーベル賞の臨床部門と位置づけるのは、浮かれすぎでしょうか。

山口先生は、授賞式に出席して記念講演を行うため、11月にスウェーデンを訪れました。授賞式は"Karolinska Stroke Update meeting"という、有名な会議の中で行われました。この会議の目的は最先端のオリジナルな成果を報告するものではなく、主として脳卒中の最新のマネージメントに関するコンセンサスを得て、ヨーロッパ脳卒中機構(European Stroke Organization)のガイドラインへの提言を作成することです。今回の会議では脳卒中の急性期診療、特に血栓溶解療法や外科的治療の適応、心房細動への対処法など幅広い領域の最新情報を元に、「賛成」「反対」の立場から報告がなされ熱心な討論の末、責任者により意見書(consensus statements)が作成されました。

山口先生は "Stroke management -Are we successful enough?-"というタイトルで特別講演され、血栓溶解療法における欧米人とアジア人との差異を中心に話されました。

私たち後輩も、山口先生の国際的評価の高さをあらためて認識し、わが国の脳卒中医療のレベルの高さを実感するとともに、山口先生から受け継いだ良い伝統をさらに発展させるべく、新たな気持ちで日々の診療・研究に励む所存です。

2010.11.30
文責:豊田 一則

最終更新日 2011年03月30日

最終更新日:2021年09月30日

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