国立循環器病研究センター

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野々木 宏・心臓血管内科部門長が米国心臓協会年次集会で表彰されました。

【表彰概要】
野々木部長
1st International Collaboration Award to Resuscitation Science (蘇生の科学における国際的貢献に対する表彰)
2010年11月13日米国心臓協会(AHA)学術集会蘇生科学シンポジウム(シカゴマコーミックプレイス)


【背景と意義】

病院外での突然死が数多く、その救命率は1割以下であり、その対策として、心肺蘇生法やAEDの普及により、徐々に救命例が増加しています。しかし、救命例の半数は脳機能の回復が十分ではなく、社会復帰できていませんでした(いわゆる植物状態)。

そのため、救命直後(心拍が再開)に脳低体温療法で32℃から34℃の軽度低体温をすることで脳の機能回復が得られることがわかり、各国で実施されるようになりましたが、その適用例や適切な温度目標や実施期間、復温期間など不明なことが数多く、その決定が待たれていたところです。

我が国は、低体温療法や補助循環法など世界をリードできる環境にあり、厚生労働科学研究(J-PULSE)では、その解明に多施設共同研究で世界で最大規模の症例数を収集し、2年間で19の演題を学術集会で報告し、蘇生の科学の推進に大きな貢献をしたことで今回の表彰にいたりました。初めて開設された賞であり、初受賞となったことは栄誉と考えられます。


【今後の展開】

更に適応を明確にするため前向き無作為比較試験を実施し、適正温度と低体温導入の方法について世界標準化を目指す予定です。

最終更新日 2011年03月29日

最終更新日:2021年09月30日

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