国立循環器病研究センター

メニュー

広報活動

「心臓移植患者からの心臓弁の採取・保存・移植」が先進医療として承認

― 「もうひとつの移植医療」における日本初・唯一の取り組み ―
~ 命をつなぐ心臓弁移植医療を必要とする全ての人に届けるために ~


令和8(2026)年6月23日
国立循環器病研究センター

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:大津欣也、略称:国循)は、2026年5月29日に、日本初、唯一の「心臓移植レシピエント由来凍結保存同種組織を用いた外科治療」の実施医療機関として、官報に告知されました。

心臓移植レシピエント由来凍結保存同種組織を用いた外科治療

重症心臓弁・血管疾患への心臓弁・血管の移植医療

主に心停止後組織提供による心臓弁・血管(凍結保存同種組織/ホモグラフト)の移植医療は、臓器移植と異なり、提供された心臓弁・血管を一旦凍結保存し、必要とされる際に移植する「もうひとつの移植」医療です。
国内では2000年ごろから国循および東京大学医学部附属病院の2施設のみが、採取・保存・供給を担う「組織バンク」として活動を始め、このホモグラフト移植治療を推進してきました。2016年に保険収載され、2018年には診療報酬が増点されました。
この治療の対象患者(以下参照)は、人工弁や人工血管の使用が適さない重篤な心臓弁や血管の疾患で、人工弁や人工血管ではなく、亡くなられた方から提供いただき、凍結保存していたホモグラフトを移植します。

対象
  • 新生児、乳幼児の複雑な先天性心疾患(適切なサイズと機能を有する人工弁がない)
  • 重篤な感染性心内膜炎(人工弁では感染の再燃リスク、出血リスクが高くなる)
  • 妊娠希望の女性など若年者の大動脈弁疾患(人工弁では安全な妊娠困難、出血リスクが高くなる)

組織提供の件数が不足している

脳死下臓器提供による臓器移植は社会的認知度の向上により徐々に増加している一方で、「もうひとつの移植」である、ホモグラフト移植医療については、一般的にほとんど知られていないこともあり、年間10例程度の提供にとどまり、ホモグラフトの移植が適切と考えられる患者さんの数に比して、国内のホモグラフトの提供数は依然として限られたままです。

心臓移植を受ける患者の心臓弁を他の患者に活用することで次の命へつなぐ

国循では、今後さらなる需要の増加が予測されているホモグラフトの供給を増加させる方策の一つとして、心臓移植を受ける患者さん(以下、心臓移植レシピエント)の摘出した病的な心臓から、心臓弁を採取・保存・移植する方法を模索してきました。
心臓移植レシピエントの心臓は、心筋の異常によりポンプとしての機能を果たせなくなっていますが、そのほとんどの場合、心臓弁の組織や機能は正常に維持されていることが、今までの心臓移植の経験からわかってきました。
心臓移植手術の際には、レシピエントの心臓を摘出してから、ドナーから提供いただいた心臓を移植します。その際、レシピエントの心臓を摘出したのちに心臓弁を採取し保存しますので、レシピエントに追加の負担は生じません。

命をつなぐ移植医療構築を目指す

今後、当該医療の保険収載だけでなく、国循以外の医療機関でも実施できる体制づくりを目指しています。
さらに、国循以外の心臓移植施設の協力を得て、心臓弁の提供により多くのレシピエントが提供可能な体制を併せて構築し、脳死下に提供いただいた心臓が重症心不全の患者さんに移植され、その患者さんの心臓弁が、また他の重篤な心臓疾患を有する患者さんに移植されるという、この命を繋ぐ移植医療を推進していきたいと考えています。


【報道機関からのお問い合わせ】

国立研究開発法人国立循環器病研究センター 企画経営部広報企画室
TEL: 06-6170-1069 (21120)  MAIL: kouhou@ml.ncvc.go.jp

最終更新日:2026年06月25日

設定メニュー