国立循環器病研究センター

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広報活動

立体構造が複雑な先天性心疾患の手術支援を目指す 「軟質実物大3D心臓モデル」 医療機器承認(クラスⅡ) のお知らせ

 

2023年8月22日
国立循環器病研究センター
株式会社クロスエフェクト
株式会社クロスメディカル

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:大津欣也、略称:国循)の白石 公小児循環器内科客員研究員及び黒嵜健一同部長は、これまで、国循のオープンイノベーション・ラボに入居する(株)クロスエフェクト・(株)クロスメディカル(京都市伏見区)との医工連携により、精密3Dプリンタ技術である光造形法1)と新しい鋳型技術である真空注型法2)を応用して、立体構造が複雑な小児の心臓形状を内腔までリアルに再現した、テイラーメイドの「軟質実物大3D心臓モデル」3)の開発・製作を行ってきました。
 本機器は、国立循環器病研究センター主導による全国多施設参加の医師主導治験で高い有効性と安全性が証明され、2022年10月31日に医薬品医療機器総合機構に医療機器承認申請を行いました。その結果、各種審査を経て、2023年7月27日付けで厚生労働省よりクラスⅡ医療機器(管理医療機器)としての承認を受けました。この「軟質実物大3D心臓モデル」の使用目的は、「既存の画像診断では診断や術式決定が困難な複雑先天性心疾患患者の心臓構造を診断するために提供し、手術計画の立案の支援に他の診断情報と併せて用いる」とされています。

 本機器を用いると、先天性心疾患患者さんの複雑な心臓の立体構造を事前に正確に把握できるとともに、実際の手術前に外科医がメスやハサミや糸を使って手術のリハーサルを行うことが可能となり、より安全で正確な心臓外科手術を迅速に行えることが期待されています。
 現在は、本機器を複雑な先天性心疾患患者さんに広く使ってもらえるようにするため、保険償還を目指した最終準備を進めています。

1) 液体の光硬化性樹脂にコンピュータで制御されたレーザ光線をスキャン照射して硬化させて 薄い平面形状を一層ずつ
    作成し、それを何層にも積み重ねることで立体造形を行う方法。

2) 液体樹脂を真空状態で鋳型に流し込み樹脂製品を作る方法。型の隅々まで樹脂が行き渡るため、高精度の造形が可能。

3) 従来は「超軟質実物大3D心臓モデル」と表記しておりましたが、審査の過程において「軟質実物大3D心臓モデル」に
       名称が変更となりました。

<参考>小児先天性心疾患の軟質実物大3D心臓モデル(左)とそれを用いた手術リハーサル(右)

小児先天性心疾患の軟質実物大3D心臓モデル小児先天性心疾患の軟質実物大3D心臓モデルを用いた手術リハーサル
軟質実物大3D心臓モデルの製造販売企業:(株)クロスメディカル
※本機器の開発研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携事業化推進事業「立体構造が極めて
 複雑な先天性心疾患患者への3Dモデル診断による術時間削減を実現する、オーダーメイド型超軟質3D精密心臓モデルの
 開発・事業化」 (2017-2019年度)の支援により実現されました。

 

【報道機関からの問い合わせ先】

国立循環器病研究センター企画経営部広報企画室
TEL : 06-6170-1069(31120)
MAIL: kouhou@ml.ncvc.go.jp

株式会社クロスエフェクト / 株式会社クロスメディカル 総務グループ
TEL : 075-622-2600 
MAIL: general@xeffect.com

最終更新日:2023年08月22日

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