広報活動
国循×吹田市の地域連携吹田フレイル予防ネット覚書の締結について
令和3年10月29日
国立循環器病研究センター
このたび、国立研究開発法人国立循環器病研究センター(理事長:大津欣也、以下「国立循環器病研究センター」)と吹田市(市長:後藤圭二)は、「吹田フレイル予防ネット」の構築に関連して、覚書を締結することとなり、10月29 日(金)に覚書締結式を行いました。
国立循環器病研究センターは、大阪府吹田市と摂津市にまたがる北大阪健康医療都市(健都)において、循環器疾患にかかる最先端医療・医療技術の開発を目的とした、産学官の連携によるオープンイノベーションの推進とともに、循環器疾患の予防と制圧のための多様な取り組みを推進しています。
吹田市は、地域ぐるみで取り組む介護予防活動を「吹田市民はつらつ元気大作戦」の愛称で展開しています。
両者は「包括的循環器リハビリテーション」(※)の一環として、急性脳卒中発症後、自宅退院となった患者に対して、「吹田フレイル予防ネット」を用いた地域連携システムを構築することで、退院後の活動量、筋力、QOLの向上に繋げます。
※「包括的循環器リハビリテーション」とは、国立循環器病研究センターが推進している循環器疾患の各々の病態に応じた最適な運動療法の提供、目標値を設定した危険因子管理、自己管理を促すための啓発が含まれたリハビリテーションシステムを意味します。
【現状】
脳卒中は、わが国における要介護原因疾患の首位であり、脳卒中後の後遺症軽減、社会復帰の促進は重要な課題
近年、虚血性脳卒中患者に対する急性期再灌流療法の進歩は目覚ましく、患者転帰は改善し、急性脳卒中患者の約半数例が自宅退院となっている。
一方、自宅退院後、患者は入院中に認識しなかった後遺症に気づき、脳卒中の再発だけでなく、転倒や活動性の低下、社会からの孤立、抑鬱、誤嚥性肺炎等の合併症の危険性が高くなる。
脳卒中患者の心肺持久力は、性・年齢を一致させた健常人に比べて50%低下しており、脳卒中後の筋力低下が活動性低下に繋がることも指摘されている。
急性期治療後、自宅退院となった脳卒中患者に対しては、日常生活自立度が高いため、社会復帰のための在宅支援システムは整備されていない。
【目的】
急性脳卒中発症後、自宅退院となった患者に対して、「吹田フレイル予防ネット」を用いた地域連携システムの構築が、退院3ヶ月後の活動量、筋力、QOLの向上に繋がるのかを明らかにする。
【最終目標】
患者とその家族に対して、患者の療養に関連した医療、福祉、社会資源を効果的に繋げて活用できるしくみをつくり、健康寿命の延伸に役立てる。
最終更新日:2021年10月30日