国立循環器病研究センター

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広報活動

吹田市健診受診者を対象とした心不全重症化予防対策に係る協定書の締結~”健都”循環器病予防プロジェクト~

令和2年10月23日
国立循環器病研究センター

このたび、吹田市(市長:後藤圭二)、一般社団法人吹田市医師会(会長:川西克幸)、国立研究開発法人国立循環器病研究センター(理事長:小川久雄、以下「国循」)は、吹田市民の心不全予防のために共同事業に取り組み、市民への新しい健康アドバイスをおこなっていきながら、心不全の予後因子に関する長期追跡研究をスタートすることとし、その為の協定書(覚書)を締結することになりましたのでお知らせいたします。

概要

国循は、1977年6月に開設、8月から診療・研究を開始した、脳卒中と心臓病の患者さんの高度専門医療に取り組む世界有数のナショナルセンターです。国循の基本理念のひとつである「循環器病の予防と制圧」の国際拠点を目指すことの一環として、この度、吹田市と吹田市医師会との共同事業として心不全重症化予防対策を吹田市で開始します。
2020年の我が国の高齢化率は28.7%と世界でも最も高い水準で、さらに後期高齢者の割合は14.9%となっています。心不全は様々な循環器病の終末像であるにもかかわらず、地域住民を対象とした心不全の疫学研究は極めて少ないのが現状です。
そこで、吹田市の健診で同意をいただいた方を対象に、心不全の危険因子として影響力の大きい心筋梗塞と心房細動の2つの疾患に対して、国循で開発したリスクスコア*と、心不全マーカー(NT-proBNP)とを合わせた評価コメントを健診の結果票とともに「心不全予防結果報告書」としてお返しします。そこには、潜在性心不全のリスクの程度と健診時に回答した生活習慣の状況から、生活習慣のアドバイスが記載されます。
受診者には「心不全予防結果報告書」を健康手帳に挟んでいただいて、他の医療機関などで開示いただければ、自分の健康状況を医師などと共有することができます。さらに、国循で開発した「生涯健康支援10(Lifelong Health Support 10)」を用いて新しい形の保健指導を行い、市民の健康をサポートさせていただく予定です。この新しい保健指導は、循環器病ばかりでなくて他の様々な疾患予防として健康寿命の延伸に向けて活用していきます。
また、今回の成果に基づき、潜在性心不全の有病率を求めることができ、さらに、潜在性心不全のレベル別に予後との関係についてまとめて、今後の心不全の予防対策として我が国で初めて役立てて行ける成果を出していきたいと思います。
国循が位置する北大阪健康医療都市(健都)では、循環器病の予防、治療、研究、情報発信等で世界をリードする「健康・医療のまち」を目指しています。今回、吹田市と吹田市医師会と共に、健康寿命延伸のための健康づくり施策のさらなる展開を図るとともに、地域医療と連携した循環器病予防のモデルを健都から国内外に発信することを目指します。
*J Atheroscler Thromb.2014;21:784-98; Circ J.2017.25;81:1580-8

調印式

令和2年10月23日健都循環器病予防プロジェクト協定書締結調印式
(後藤圭二 吹田市長、川西克幸 吹田市医師会長、小川久雄 理事長、小久保喜弘 健診部医長)

最終更新日 2020年10月23日

最終更新日:2021年09月26日

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