広報活動
ストリートダンスを活用した子どもから大人向けの運動プログラムの開発を開始
独立行政法人国立循環器病研究センターは、公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会と共同で、ストリートダンスの動きや特徴を活用した子どもから中高齢者向けの運動プログラムの開発を平成25年6月から開始しました。この運動プログラムは、運動習慣の獲得を通して、子どもでは肥満解消・肥満予防を、中高齢者では循環器病の予防を目標とします。
肥満や循環器病(代表的な疾患として心臓病、脳卒中、高血圧症などがあり、広義には糖尿病や脂質異常症なども含みます)は、食事や運動など生活習慣との関連も強く、その予防には運動量の増加をはじめとした生活習慣の改善が重要であると考えられています。
ストリートダンスは、運動効果が非常に高いだけでなく、ダンスのもつ「楽しく継続しやすい」「はまりやすい」という特徴があり、生涯スポーツとして生活の一部に定着しやすいと考えられています。そこで、この特徴を最大限に活かした運動プログラムを開発し、肥満対策や循環器病予防における有効性について検討するために、独立行政法人国立循環器病研究センターと公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会は共同研究を開始いたしました。
《ダンスプログラム開発の背景》
日本人の全世代での肥満傾向が見られる中、子どもの肥満も深刻な事態に陥っています。
平成25年3月に文部科学省より発表された学校保健統計調査によると、9才から11才の男子で9%以上、11才から12才の女子で8%以上に肥満傾向が見受けられています。また平成24 年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」によると、女子については、小学生で23.9%、中学生で30.9%の児童生徒が1週間の総運動時間が60 分未満であり、運動する習慣自体が不足している現状があります。
2012年度より中学校でのダンス授業が必修化され、幼稚園や小学校、また高校でも体育の授業で広く実施されるようになり、放課後のクラブ活動でもダンス部が普及し始め、中学校での女子の部活動の人気ランキングでダンス部が上位に入るなど、児童や生徒へストリートダンスが浸透しつつあります。
学校教員の中にはダンスに触れたことのない教員も多く、公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会では、今年度、教員向けのダンス研修会を全都道府県合計で100回以上開催を予定しており、同時に全国の幼・保・小・中・高校500校でプロのダンスインストラクターによるダンス授業を無料で実施する予定です。今回の取り組みでは、全国の学校でダンス授業が実施できるようにするための体制作りとともに、ダンスに興味を持つ児童生徒を増やし、運動不足解消を目指したいと考えています。
《プログラムの概要と特徴》
大きく分けて子ども向けの運動習慣獲得を目的としたダンスプログラムと、大人向けの循環器病予防を目的としたダンスプログラムの2種類の開発を進めていく予定ですが、まずは子ども向けのプログラムの開発に着手いたしました。子ども向けのプログラムに関しては夏休み明けより順次学校で導入を進める予定です。
いずれのプログラムも、ダンスのもつ「楽しさ、継続性」を最大限に活かして、運動量を増やすだけでなく安全かつ継続的に実施可能な運動プログラムを目指しています。
《主な役割》
○ 独立行政法人国立循環器病研究センター 予防健診部
国立循環器病研究センターは、循環器病の高度な治療や研究を一体的に行っている国の医療研究機関であり、その中で予防健診部は循環器病の予防や肥満対策などに 関する幅広い研究を行っています。
この共同研究では、開発したダンスプログラムに関する科学的な有効性および身体的な安全性について検討と助言を行います。
○ 公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会
学校教員向けのリズムダンス研修会を全国で実施し、昨年度は全国で4000人を超える教員に対して研修を実施し、また児童生徒向けのダンス授業も行っております。児童生徒が楽しく継続してダンスを実施するためのノウハウをもつ、ストリートダンス関連団体としては国内唯一の内閣府管轄の公益社団法人です。
この共同研究では、子どもから中高齢者まで生涯を通じて継続可能なストリートダンスの運動プログラムの開発を行います。
-以 上-
《報道関係者からのお問い合わせ先》
■ 独立行政法人国立循環器病研究センター
TEL 06-6833-5012
(取材に関すること)担当 広報係 小林(こばやし)
(内容に関すること)担当 予防健診部長 宮本(みやもと)
■ 公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会 担当 吉田(よしだ)
TEL 06-6809-4161 E-mail dance@nssa.or.jp
(イメージ)
最終更新日 2013年06月17日
最終更新日:2021年09月28日