国立循環器病研究センター

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広報活動

手軽で簡単に使える簡易心臓拍動シミュレーションシステムの開発

平成24年5月31日

国立循環器病研究センター

理化学研究所

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:橋本信夫、略称:国循)研究所の中沢一雄 研究情報基盤管理室長らと理化学研究所基幹研究所生物情報基盤構築チームの井尻敬基礎科学特別研究員らの研究グループは、東京大学・滋賀医科大学との共同研究により、複雑な心臓の拍動現象を簡易に表現できるシミュレーションシステムを開発しました。

これまでのシミュレーションシステムは、スーパーコンピュータなどの大規模計算機による大がかりな計算が必要で、一般ユーザーによる利用は、ほぼ不可能でした。このたび開発したシステムは、心臓の動きをノートパソコンなどにリアルタイムで再現することや病気の心臓を仮想的に作り出すことも可能です。

今後は、患者さんへの説明用のツールとして、または病気の状態をわかりやすく説明する教育ツールとしての応用を構想しています。

この成果は、米国の科学雑誌『PLoS ONE』オンライン版(2012年5月30日付け:日本時間5月31日)に掲載されます。

アイコン 研究手法と成果

心臓の拍動は、心臓を構成しているひとつ一つの心筋細胞の収縮が積み重なって表現されます。本手法では、まず心臓モデルを約7000局所領域に分離します(図1)。この領域は、簡単に言うと心筋細胞を表すもので、すでに心筋細胞の収縮に必要なデータが計算されています。拍動計算時には、各局所領域を心筋線維走向を考慮して収縮変形させ、収縮した全ての局所領域の形状をなるべく最適化するように、心臓モデル全体を変形させます。

従来の手法では、心筋線維が収縮する際に生じる心筋内部の力(応力)を計算した後、心筋の歪みを加えて応力を再計算し、心臓全体の動きをシミュレーションしていたため、大規模計算機による大がかりな計算が不可欠でした。

心臓モデルを約7000局所領域に分離
(図1)

【報道発表資料

最終更新日 2012年05月29日

最終更新日:2021年09月28日

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