産婦人科部
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無痛分娩・和痛分娩について
国立循環器病研究センターでは、心臓に疾患をお持ちの妊婦さんへ提供していた無痛分娩・和痛分娩を、一般の妊婦さんへも提供を行っております。
国循では、心臓に疾患をお持ちの妊婦さんに対して、分娩による心臓への負担を軽くするために無痛分娩を行うことがあり、その管理は通常に比べてきめ細かく、心臓への負担をとことん減らすための工夫をしております。
また無痛分娩には、麻酔科医と産婦人科医が共同で、心疾患合併妊娠で培った技術を用いて対応しております。妊婦さんのためにしっかりとした体制と設備を整え、安心して分娩していただける環境を提供できるように準備を整えております。
・24時間体制で無痛分娩を行います(土日祝も平日同様の体制を整えています)。
・無痛分娩のための計画分娩を行うのではなく、自然の陣痛がきてから行います。
胎児心臓病ドック
出生前の胎児の心臓をスクリーニングします。
対象:妊娠24週から34週の妊婦
診療内容
外来コース
外来で胎児心臓ドックを標榜し、その枠を設ける。その枠への予約は地域連携室を通じて現在かかっている診療施設から行う。外来では担当する医師が胎児心臓超音波検査を行う。スクリーニングで問題があればそのまま当院での診療を継続する。以上がなければ紹介元診療施設へお返しする。
入院コース
予約方法は外来コースと同様とする。
既存の生理機能検査での胎児心臓超音波スクリーニング(毎週金曜日2枠)にあわせて木曜日から一泊二日で入院ドックとする。木曜日には産婦人科医師が、金曜日には生理機能の検査技師が超音波検査を行う。
NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)の実施について
NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)の実施についてはこちらをご覧ください。
かるしおお祝い膳の提供について
国立循環器病研究センターで出産される患者様には心臓や脳血管に合併症をお持ちの方が多くいらっしゃいます。出産を終了してもしばらくの入院管理や、その後も元々お持ちの疾患に対する治療が継続されることがほとんどです。もちろん、無事に出産することが最も重要なことです。リスクを抱える妊婦さんにとってはなおさら安全の確保が優先され、通常以上の医学的管理がなされます。しかし、一方で、妊娠、出産は家族にとってのお祝いごとです。厳重な医学的管理のもと出産される当センターの患者様にとってもそのことは変わりません。
多くの分娩を取り扱う施設では"お祝い膳"として分娩後に特別な食事が用意されます。妊娠、出産を乗り越えた妊婦さんへのねぎらいとお祝いの気持ちが込められたものです。私たちは普通よりも多くのリスクを抱えて妊娠、出産された患者様にも新しい命の誕生や、無事出産を終了されたことへのお祝いの気持ちを"お祝い膳"として伝えたいと以前より考えていました。しかし、その様な患者様にはカロリーや塩分の制限が必要な場合が多く、単なる"お祝い膳"を提供することができませんでした。
国立循環器病研究センターでは塩を軽く使ってうまみを引き出す減塩の新しい考え方を「かるしおプロジェクト」として広めることに取り組んできました。入院中の患者様にもこの考え方にそった病院食が提供されています。この「かるしおプロジェクト」のもと、4月より通常の病院食から一歩進んだ"お祝い膳"を提供することができるようになりました。何人もの妊婦さんに召し上がっていただき好評を博しております。分娩後の落ち着いた状態を確認し、病棟スタッフ、栄養管理室スタッフそれぞれからのお祝いメッセージとともに届けられるこの、"かるしおお祝い膳"は安全な医療の提供とともに、人生における大きなイベントである出産に対する祝福の気持ちを届けるものなのです。
最終更新日:2023年03月28日