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小児循環器内科

対象疾患・治療法

対象疾患

小児期の先天性心疾患

先天性心疾患は、高度な心臓外科手術、新生児乳児の集中治療、新しいカテーテル治療の発展などにより、最近では95%以上の患者さんが救命されるようになりました。我々は開設以来44年間、多くの治療困難な先天性心疾患患者さんの内科的診断および外科手術治療を担当し、その数と治療成績において日本のみならず世界をリードしてきました。カテーテル治療件数は国内最多です。

成人期の先天性心疾患

多くの先天性心疾患患者さんは、小児期の手術を乗り越え成人期に達するようになりました。これらの患者さんは術後の遺残症だけでなく、年齢とともに生活習慣病の要素が加わります。我々の施設は、成人先天性心疾患患者さんの病態評価、カテーテル治療、外科再手術、女性患者さんでの妊娠前検査などを担当する国内最大級の施設です。

学校検診の精密検査(心雑音、心電図異常、不整脈などの診断と管理)

主に北摂地域の学校検診で異常を指摘されたお子さんたちの精密検査を担当しています。問診、心雑音、心電図異常などから、学童期に見つかる心臓病を発見し、学校での生活指導や病院で適切な治療を行い、心事故を未然に防ぐことに貢献しています。

心筋疾患(心筋症、心筋炎)

心筋症は、主に生まれつきの異常で心臓の筋肉に障害が起こる病気で、肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症に分類されます。心筋炎は、ウイルスなどの感染症に伴って、心筋細胞に著しい障害が発症する急性の病気です。様々な検査から患者さんの病態を正確に把握し、心不全を改善する薬剤を組みあわせて心不全治療を行います。

川崎病冠動脈後遺症(診断と管理、冠動脈バイパス手術)

ガンマグロブリンなどの急性期治療に抵抗して冠動脈瘤を形成した川崎病患者さんに対して、きめの細かい抗血栓療法や循環管理を行い、数多くの患者さんを救命してきました。また川崎病小児に対する冠動脈バイパス術では、世界最多の手術件数を行っています。

小児不整脈

学校検診で見つかるWPW症候群などから、先天性心疾患術後に見られる複雑な不整脈に対して、これまでの豊富な経験から、適切に診断するとともに、薬剤治療やカテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み術など、各々の患者さんに最も適した治療を安全に行っています。

肺循環疾患(肺動脈性肺高血圧の治療など)

特発性および遺伝性肺動脈性肺高血圧、先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧、肺動静脈瘻、などの小児期の肺循環疾患の診断と治療を行っています。新しい有効な薬剤が次々と出現し、患者さんの病状と予後は飛躍的に改善されつつあります。

重症心不全(左室補助循環装置の装着と管理、心臓移植)

先天性心疾患、心筋症、先天性代謝疾患、神経筋疾患などの基礎疾患により重度の心不全に陥り、様々な薬物治療でも心機能が改善しない場合、左室補助循環装置(小児ではベルリンハート)を装着したり、心臓移植の手続きを進めます。我々の施設は小児の補助循環装置および小児の心臓移植が承認されている国内で数少ない施設の1つです。

診断法

心臓は、電気の刺激により筋肉がリズミカルに収縮し、その力で全身に血液を送り出すポンプの役割を果たす臓器です。そのために、心臓が上手く働いているかどうかを判断するには、

  1. 心臓の構造に異常がないかどうか、
  2. 心臓が収縮するリズムに異常がないか、
  3. 心臓の筋肉が良好に収縮して十分な血液を全身に送り出しているか、

以上の3つが大切です。
これらを判断する手段として、心臓の検査には様々な種類があります。検査の種類では、採血による血液生化学検査、心電図や断層心エコーなどの生理機能検査、心血管造影やマルチスライスCTなどの放射線検査、などがあります。

先天性心疾患、不整脈、心筋疾患などの検査・診断方法

  • 心電図検査
    心臓から出る電気信号をとらえて、心臓のリズムと各部屋の負担を調べます。
  • 心エコー検査
    心臓の構造、弁の形と動き、心臓の収縮機能などが診断できます。
  • 経食道エコー検査
    胃カメラのような管を口から飲んで、心臓の内部を詳細に観察できます。
  • マスター2階段負荷検査
    2段の階段を昇降して、運動によるリズムや心電図波形の変化を調べます。
  • トレッドミル負荷心電図
    胸に心電図電極を貼り付けてベルトコンベアの上を走る検査です。
  • マルチスライスCT検査
    造影剤を注射して撮影すると、心臓大血管の3次元画像を再現できます。
  • MR検査
    強い磁石を備えた装置に体を入れ、体の軟部組織の状態を検査できます。
  • 核医学検査
    微弱な放射性同位元素を含んだ薬剤を静脈内投与し、検出器で撮影することで、様々な臓器の形態・機能・代謝などを評価する検査です。
  • 心臓カテーテル検査
    心臓の内部まで細い管(カテーテル)を入れ、血圧や酸素飽和度を計測して、心臓や肺の状態を科学的に分析します。最後に管の先端から造影剤を吹き出してX線映画を撮影し、心臓と大血管の確定診断を得ます。
  • 血液検査
    BNP(脳性利尿ペプチド)は心不全の重要な指標となります。
    血液凝固機能検査は、機械弁やフォンタン手術後の患者さんで重要です。
    貧血は心臓の負担を助長することがあり、定期的に検査が必要です。

治療法

先天性心疾患のカテーテル治療

  • 心房中隔欠損
    欠損孔を通して左右短絡血流が生じるため右心房・右心室が拡大します。小児期は通常無症状ですが、40歳過ぎ頃から心房細動などの不整脈、血流の鬱滞、肺高血圧などによる浮腫や疲労感などの右心不全症状が出現してくる場合があります。小児期に治療すれば通常心拡大は消失し、不整脈は発症しません。
  • 動脈管開存
    本来生後数日で閉鎖する動脈管が太く開存していると左右短絡血流が生じます。左心房・左心室は拡大し、多呼吸や発育不良などの左心不全症状が出現する場合があります。細く開存している場合でも感染性心内膜炎を併発する危険があります。当院では新生児期早期からAmplatzer piccolo occluderを用いてカテーテル的閉鎖術の施行が可能です。
  • 大動脈縮窄
    動脈管の閉鎖に伴い新生児期に発症するものは左室機能不全からショック状態に陥ることが多く、緊急外科治療が必要です。それ以降に発見されるものは、上半身の高血圧が問題となります。運動時には更に血圧が上昇し、まれに頭蓋内出血を合併します。小学生以降では経皮的ステント留置術を第一治療としています。
  • 左心低形成症候群
    最も重症な先天性心疾患の1つです。近年は多くが胎児期に超音波診断されています。状態が良好ならNorwood手術(月齢1)、両方向性Glenn手術(定頸後以降)、開窓Fontan手術(歩行可能後)と段階的外科治療を目指します。βブロッカー、血管拡張薬などの内服や経鼻酸素吸入などの治療をしながら、元気に登園・登校することを目指します。
  • 無脾症候群
    通常全身の臓器が右側に分化します。心血管構造は複雑・多様で、共通房室弁・両大血管右室起始・肺動脈狭窄などの単心室型循環になります。狭窄を伴う総肺静脈還流異常や重度の房室弁逆流を合併すると生存率が低下します。当院では重度の肺静脈狭窄に対してはカテーテルによるステント留置術も行っています。

不整脈治療

当科では器質的心疾患・チャネル病を含む、小児期および成人先天性心疾患の不整脈を広く診療しております。

具体的な治療としては、下の3つがあげられます。

  1. ペースメーカー植え込み
  2. 抗不整脈薬の投与
  3. カテーテル治療 (カテーテルアブレーション)

当科ではこれまで小児循環器領域の多数の患者様に対してペースメーカー診療、カテーテル治療・検査を行ってきました。小児のQT延長症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍を含むチャネル病の患者様も多数診療しています。まず何故不整脈がおこっているかの原因を追及し、心臓の負担をとって不整脈の原因を軽減し、同時に徐脈や頻脈の治療を行っています。

最終更新日:2021年10月08日

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