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腎臓・高血圧内科

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ANCA関連腎炎

ANCA関連腎炎

ANCA関連血管炎におこる腎炎です。比較的急激に腎機能が低下する急速進行性糸球体腎炎の形態をとります。ANCAは抗好中球細胞質抗体の略で、好中球細胞質に対する抗体を持つ疾患の総称です。ANCA関連血管炎は、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に分類されます。特に、顕微鏡的多発血管炎は腎障害を発症し、腎不全に陥りやすいため、この疾患を中心に取り上げます。

Chapel Hill Consensus Conferenceの分類(2012)

血管炎症候群の分類となります。

図

急速進行性糸球体腎炎の早期発見のための診断指針

  1. 尿所見以上(主として血尿や蛋白尿)
  2. eGFR<60ml/min/1.73m2
  3. CRP高値や赤沈亢進

1~3を認める場合は、急速進行性糸球体腎炎の疑いとして、専門病院への受診を勧めてください。

急速進行性糸球体腎炎症候群の確定診断指針

  1. 数週から数カ月の経過で急速に腎不全が進行する
  2. 血尿、蛋白尿などの腎炎性尿所見を認める
  3. 過去の検査歴などがない場合や来院時無尿状態で尿所見が得られない場合は、臨床症候や腎臓超音波検査、CTなどにより、腎のサイズ、腎皮質の厚さ、皮髄境界、尿路閉塞などのチェックにより、慢性腎不全との鑑別も含めて、総合的に判断する。

急速進行性糸球体腎炎の初発の全身症状(急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン 2014)

グラフ

急速進行性糸球体腎炎の初発の腎外症状(急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン 2014)

グラフ

顕微鏡的多発血管炎の症状

発熱・体重減少などの症状がでることが多いです。腎障害は急速進行性糸球体腎炎の形をとることが多く、比較的急激に腎不全が進行します。肺障害を引き起こすことも多く、間質性肺炎や肺胞出血が出現することがあり、咳嗽や血痰が現れることがあります。

顕微鏡的多発血管炎の検査所見

自己抗体として、MPO-ANCAが陽性になることが多いです。CRP上昇も見られます。腎障害が出現した場合は、尿潜血陽性・尿蛋白陽性・腎機能増悪の所見がみられます。

顕微鏡的多発血管炎の診断基準

  1. 主要症候
    ①速進行性糸球体腎炎
    ②肺出血、もしくは間質性肺炎
    ③腎・肺以外の臓器症状:紫斑、皮下出血、消化管出血、多発性単神経炎など
  2. 主要組織所見
    細動脈・毛細血管・後毛細血管・細静脈の壊死、血管周囲の炎症性細胞浸潤
  3. 主要検査所見
    ①MPO-ANCA陽性
    ②CRP陽性
    ③蛋白尿・血尿、BUN、血清クレアチニン値の上昇
    ④胸部X線所見:浸潤陰影(肺胞出血)、間質性肺炎
  4. 判定
    ①確実
    (a)主要症候の2項目以上を満たし、組織所見が陽性の例
    (b)主要症候の①および②を含め2項目以上を満たし、MPO-ANCAが陽性の例
    ②疑い
    (a)主要症候の3項目を満たす例
    (b)主要症候の1項目とMPO-ANCA陽性の例

ANCA陽性急速進行性糸球体腎炎の臨床所見のスコアによる重症度分類
(急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン 2014)

表

ANCA陽性急速糸球体腎炎における臨床学的重症度別の生存曲線
(急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン 2014)

グラフ

顕微鏡的多発血管炎の腎生検所見

細胞性半月体の形成を認めます。

写真

糸球体基底膜が断裂し、フィブリノイド壊死を認めます。

写真
写真

ANCA陽性急速進行性糸球体腎炎の治療のアルゴリズム
(急速進行性腎炎症候群の診療指針第2版)

副腎皮質ステロイド剤を中心に、重症例ではエンドキサンなどの免疫抑制剤を併用することがあります。

フローチャート

最終更新日:2021年10月08日

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