腎臓・高血圧内科
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ループス腎炎(全身性エリテマトーデス)
ループス腎炎(全身性エリテマトーデス)
全身性エリテマトーデス(SLE)によって引き起こされる腎障害です。SLEは腎障害を合併しやすく、生命予後の規定因子となります。尿潜血・尿蛋白が陽性の場合、SLEの診断や病勢の評価のため、腎生検を行うことがあります。
症状
関節痛、発熱、皮疹などがみられることがあります。
検査所見
各種自己抗体(抗核抗体、二本鎖DNA抗体、Sm抗体)が陽性になります。ループス腎炎を発症すると、尿潜血、尿蛋白が陽性となり、腎機能障害がみられることがあります。重症例では低補体血症や汎血球減少がみられることがあります。
SLEの診断基準
ACR分類基準
SLICC分類基準
臨床症状
免疫学的項目
EULAR/ACR 2019分類基準
臨床7項目と免疫学3項目の合計10項目から成る
・抗核抗体80倍以上
・他の疾患で説明がつかない臨床症状(項目)が少なくとも1項目以上
・合計10点以上
1)~3)すべてを満たす
ループス腎炎
SLEの腎障害として、ループス腎炎があります。尿潜血陽性・尿蛋白陽性の場合、生検にて診断します。大きく6つの病型に分類されます。
Ⅲ型とⅣ型はさらに活動性病変のみである(A)か、活動性と慢性病変の両者(A/C)か、また慢性病変のみ(C)であるかで、細分されます。
治療
Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型が治療対象となります。副腎皮質ステロイド薬にて治療を行います。重症例にはシクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、タクロリムスなど免疫抑制剤を併用する場合があります。
最終更新日:2024年01月10日