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心臓外科

対象疾患・治療法
虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する手術

虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する手術

心筋梗塞により左心室が拡大すると、僧帽弁が変形して僧帽弁閉鎖不全を来し僧帽弁における血液の逆流が起こります。これにより心不全はさらに悪化していき、生命予後を著しく悪くすることが知られています。そのため僧帽弁の逆流を減少させる治療が必要となります。手術では自分の僧帽弁を出来るだけ残す僧帽弁形成術と完全に人工の弁に置き換えてしまう僧帽弁置換術があります。

一般的には僧帽弁形成術の方が置換術に比べ、心機能を温存できると考えられているため僧帽弁形成術が第一選択となります。ただし、左心室拡大による僧帽弁の変形は複雑な場合も多くあり、僧帽弁形成術では術後に虚血性僧帽弁閉鎖不全の逆流が再発してしまうことも多くあります。軽度の虚血性僧帽弁閉鎖不全ではシンプルに僧帽弁の付着部に人工リングを縫い付ける僧帽弁形成術が有効となる場合が多いです。しかし高度の虚血性僧帽弁閉鎖不全では生体弁あるいは機械弁による弁置換術が第一選択となります。左心室拡大がかなり高度な場合には次の項目で説明する左心室内腔を小さくする手術(左心室形成術)を同時に行うこともあります。これらの僧帽弁手術は多くの場合は冠動脈バイパス術との同時手術となります。

最終更新日:2021年10月08日

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