国立循環器病研究センター

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医療人の育成

先輩紹介: 冠疾患科

心臓血管内科(冠疾患科)医師 中村隼人

先輩プロフィール

出身地
沖縄県
出身校
信州大学
大学卒業年
2012年3月
国循入職年
2015年~2018年 
 心臓血管内科 レジデント
2018年~2019年 
 心臓血管内科 
 集中治療科専門修練医
国循卒業年
2019年
現在
友愛医療センター 
循環器内科

 

◆国循を選んだ理由

私は沖縄の病院で初期研修後、総合内科として1年間働き、医師4年目から心臓血管内科レジデントとして国循に入職しました。
国循を選んだ理由としては、ローテートできる診療科が他の施設と違いとても幅広かったためです。
普通は虚血、心不全、不整脈くらいかと思いますが、国循では心臓血管内科が不整脈、肺循環、心不全、冠疾患・血管、CCU、移植 に分かれており(希望すれば先天性心疾患も回ることも可能)、幅広く学びたいと思っていた私には魅力的でした。

◆研究に取り組んだきっかけは勉強会

国立循環器病研究センターではどのGroupに属していても定期的に症例発表・考察の場があります。
循環器は右も左もわからない状態から始まり、最初は研究までする余裕はありませんでしたが、1年目の冠疾患科ローテの際にオーベンの片岡有先生に指導いただきながら、CFRの波形が特殊な症例を発表しました。
その後もCFRのデータ解析など指導いただき、とても時間がかかりましたがレジデント3年目にはCFRの波形と虚血イベントの関連に関する報告を海外学会のAHA2017でposter発表することができました。
センターには豊富なデータと指導してくれる先生方がいるため、私のようにデータ解析や研究などの経験は全くない状態でも形にすることができました。
上記CFRの研究に関してはうまく論文にまとめるまでいきませんでしたが、その後NIRSデータとLipoprotein(a)の解析をさせていただき、最終的には論文にまとめるに至りました。
解析中の結果をまとめて2018年のAHA, 2019年のESCでも発表する場をいただき、内容を洗練させていくことができました。

◆大学院へのチャレンジ

国循では連携大学院制度があり、働きながら学位取得ができるようになっています。
私は論文を本格的に執筆することを決めた際に熊本大学の連携大学院に入学しました。
大学院での学位取得の条件は英文論文の執筆であるため、どうせ論文を書くのであれば大学院に所属して学位まで取得するほうが良いかと思います。
その後センターを卒業して石垣島で働きながらデータ集め・論文執筆し、かなり苦労しましたが博士号まで取得することができました。

時系列としては以下のような流れです。

2018年 現在の論文用に本格的なデータ集めを開始
                   熊本大学連携大学院に入学、AHAでデータを発表
2019年 センターを卒業、石垣島で臨床と論文データの解析、ESCでデータを発表
2020年 データの追加解析
2021年 7月頃より論文執筆開始
2021/10/1   JACC CV imagingに投稿 →reject
2021/10/9   EHJ CV imagingに投稿 →reject
2021/11/6   Atherosclerosisに投稿
2021/12/22   Atherosclerosis 1st revise
2022/3/22   Atherosclerosis 2nd revise
2022/3/30   Atherosclerosis 論文受理  
                       doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2022.03.033.
2022/9   熊本大学大学院卒業、博士号取得

◆センターを目指す先生方へ

私はお世辞にも優秀ではありませんでした。
データの解析や執筆なども遅く、片岡先生にはたくさんご迷惑もおかけしました。それでも根気強く継続したからこそ、このように形になったと思います。
これから研究をはじめる先生方、センターにはたくさんのきっかけが転がっていると思います。
興味のある分野がもちろんいいですが、とりあえずなんでも手をつけてみてください。
そこでしか経験できないなにかがあるでしょう。
臨床と研究の両立は難しいですが、時間がかかっても根気強く続けるのがコツだと思います。
苦労はしますが、海外学会での発表や、論文が受理されたときの達成感はかなりのものです。がんばった分のご褒美はありますよ。

 
 

最終更新日:2022年11月07日

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