医療人の育成
脳血管部門(脳神経外科)レジデントコース 研修内容
研修内容
(1) 脳神経外科疾患のマネージメントの修得
スタッフ医師と二人一組で入院患者を担当し、検査・診断・手術・周術期管理について、脳神経外科専門医レベルの知識と技能を習得します。当科では、毎朝のカンファレンスで全入院症例の治療方針(手術や各種検査の適応)を討議しており、治療決定のプロセスやその理論を実践的、系統的に学びます。また、常に脳血管内科・脳神経内科と連携して診療にあたっており、内科-外科合同カンファレンスや頚動脈カンファレンスを通じて、脳卒中・脳神経疾患の内科的管理について学ぶことができます。
国立循環器病研究センター脳神経外科(日本脳神経外科学会専門医研修プログラム基幹施設)において経験可能な症例件数(レジデント一人あたり年間概算)
件数 | |
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入院患者受け持ち | 150例 |
侵襲的臨床検査業務 | |
脳血管撮影 | 60例 |
直達手術 | |
穿頭術 | 15例 |
開頭術(原則として助手) | |
脳動脈瘤クリッピング術 | 15例 |
脳動静脈奇形摘出術 | 2例 |
頸動脈内膜剥離術 | 5例 |
浅側頭動脈-中大脳動脈バイパス術(主にもやもや病) | 10例 |
特殊な深部バイパス | 1~2例 |
脳内血腫摘出術 | 7例(技能到達度に応じて 顕微鏡術者担当あり) |
脳腫瘍摘出術 | 3例 |
内視鏡手術 | 1~2例 |
血管内治療 | |
脳動脈瘤コイル塞栓術 | 8例 |
頸動脈ステント留置術 | 3例 |
急性期血栓回収療法 | 7例 |
脳動静脈奇形塞栓術 | 2例 |
硬膜動静脈奇形塞栓術 | 1~2例 |
定位放射線治療 | |
ガンマナイフ | 15例 |
上記で不足する疾患については、連携施設・関連施設で研修を行う。
週間スケジュール
曜日 | 時間 | 内容 |
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月曜日 | 午前 | 術前カンファレンス、手術ビデオ検討会、症例カンファレンス |
午後 | NCUラウンドカンファレンス、血管内治療ビデオカンファレンス | |
火曜日 | 午前 | 症例カンファレンス、病棟回診 |
午後 | 多職種カンファレンス | |
水曜日 | 午前 | 脳内科との合同カンファレンス、頚動脈カンファレンス、症例カンファレンス |
木曜日 | 午前 | 症例カンファレンス |
金曜日 | 午前 | 症例カンファレンス、病棟回診 |
午後 | 臨床研究カンファレンス(月2回)、抄読会(月1回)、M&Mカンファレンス(月1回) |
(2) 手術トレーニング
上級医と一緒に手術・血管内治療を行い、基本的な開頭操作・穿頭術・カテーテル操作を習得します。
顕微鏡手術(マイクロサージェリー)の基本技術は人工血管・ラットを用いた血管吻合練習により、また血管内治療(カテーテル治療)の基本技術はシミュレーターを用いた訓練により習得します。このようなトレーニングで一定の技量に到達すれば、上級医の指導の下に実際の手術の術者としてさらなる技術の向上を図ります。
当科では、技術の習得とともに、手術の戦略やピットフォールについての学習を重視しています。術前カンファレンスでは、レジデントが立案した手術計画を発表し、上級医の指導を受けます。手術ビデオ検討会、血管内治療ビデオ検討会では、実際の治療動画を用いて、手術の手順・トラブルシューティングについて深く学びます。
(3) 研究指導
指導医の指導の下、臨床研究を行い、その成果を国内外の学会や論文として発表していただきます。当科は脳血管内科・脳神経内科のみならず病院内他部門・研究所との共同研究も積極的に行っています。また、多くの多施設共同研究に参加しており、センター外の各施設とも連携して研究を推進しています。
最終更新日:2023年01月31日