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脳卒中発症後の自宅退院患者に対するテレリハビリテーションによる運動と健康関連QOLへの効果

 

研究の概要

2021年12月〜2024年3月までに急性脳卒中を発症して当院に入院し、自宅退院となった患者のうち、3ヶ月間の自宅でのテレリハビリテーション(TR)への参加を承諾した29名(TR群)と参加しなかった276名(対照群)。TRは、患者の心拍監視を行いながら、専任の看護師による個別の運動指導(レジスタンス運動、エアロビクス)と生活指導を1回60分間、週に1-3回行った。退院時と3ヶ月後の運動機能と健康関連QOL(生活の質)の変化を、傾向マッチング(両群間の背景の偏りを最小にする)を用いて、TR群と対照群を比較した。傾向マッチング後、TR群21例、対照群63例で比較した結果、6分間歩行距離がTR群において対照群に比べて有意に増加した。結果に影響する因子で調整後の各群の平均値の変化(最小2乗平均の変化)は、57.9m vs. 16.7mであった。健康関連QOLには両群間に差はなかった。脳卒中後の自宅退院患者に対して、TRは運動能力を改善させたが、健康関連QOLに対しては更なる検討が必要である。

研究のポイント

  • 脳卒中後の患者に対して、自宅でのテレリハビリテーション(TR)は可能である。
  • 脳卒中後の患者に対するTRによって、運動能力の改善を示した初めての研究である。
  • 脳卒中後の自宅退院患者の健康関連QOL向上を目指した取組が必要である。

発表論文情報

著者:Chiaki Yokota, Kiyomasa Nakatsuka, Misa Takegami, Kunihiro Nishimura, Tatsunori Taniguchi, Koichi Ito
題名:Effect of home-based telerehabilitation on motor function and health-related quality of life in stroke survivors
掲載誌:Journal of the Neurological Sciences
DOI:https://doi.org/10.1016/j.jns.2025.123541

 

最終更新日:2025年06月16日

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