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トピックス

国循脳神経内科のCADASIL診療

CADASIL外来とCADASIL知ってる会のご案内

 国立循環器病研究センター脳神経内科部 (部長:猪原匡史)では、CADASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症)の患者さんやご家族を対象として、様々な取り組みを行っておりますので、紹介します。

CADASILとは

 CADASILは、NOTCH3遺伝子の病的バリアント(病気の発症に関連する遺伝子の変化)が原因となり、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式で発症し、大脳白質病変を特徴とする遺伝性脳小血管病です (厚生労働省指定難病124)。日本国内には1,200人ほどのCADASIL患者が存在すると推定されてきましたが、最近の研究の進歩の結果、数万人以上のCADASIL患者が日本国内に存在する可能性が指摘されるようになりました。

 CADASIL患者は、典型的には20〜30歳頃に片頭痛を、30〜40歳頃に脳卒中 (脳梗塞や脳出血) を、40〜50歳頃に認知症を発症し、脳梗塞を繰り返すと60歳前後で寝たきりとなり、65〜70歳前後で死亡することが多いと考えられてきました。しかしながら、日本国内には10歳代で脳卒中を発症したCADASIL患者の報告がある一方で、80歳代で認知症を発症していないCADASIL患者も少なからず報告されています。CADASILの原因となるNOTCH3遺伝子の病的バリアントは世界中で300種類以上の報告がありますが、バリアントの種類によってCADASILの経過が異なる可能性が指摘されています。

CADASIL外来について

CADASILは非常に頻度の少ない希少難病であるため、これまでCADASIL患者が地域の中核病院を受診しても、豊富な診療経験を有する医師の診察を受けることが極めて困難でした。そこで、国立循環器病研究センター脳神経内科では、日本全国のCADASIL患者さんに、正確かつ最先端の情報を提供し、最適なCADASIL治療を提供するため、2022年11月から日本初のCADASIL外来を開設しています。

2024年6月時点で約120名のCADASILの患者さんが定期的に来院されており、その大半の方が一年に一度の頻度で当院を受診しています。

CADASIL外来では、豊富なCADASIL診療経験を有する医師が診療を担当します。他院でCADASILと診断された方はもちろん、CADASILが疑われているものの、未だ診断の確定に至っていない方、あるいは上記症状をお持ちの方の受診も可能です。受診には当院宛ての紹介状が必要となり、当センターの専門医療連携室からの予約を通じて受診頂けます。

 CADASIL外来では、最新の知見に基づいた治療を提供することはもちろん、研究段階の治療に参加する治験や臨床研究への紹介も可能です。当センターでは世界初のCADASILの患者さんに対する医師主導治験AMCAD治験を、AMED難治性疾患実用化研究事業より支援を受けて実施した実績がございます。血縁者への遺伝について、遺伝カウンセリングも可能です。

※QRコードの読み取りには、スマートフォンに初めからインストールされているカメラのアプリをご使用ください

オンラインセカンドオピニオン外来

 どうしてもCADASIL外来を受診できない方を対象に、オンラインによるセカンドオピニオン外来も可能です。もちろん、直接診察をさせていただき、当センターで検査を受けていただく方が正確な診療やアドバイスが可能となりますが、対面での診察が困難な患者さんやそのご家族を対象に、オンライン・セカンドオピニオン外来も2024年4月から開始いたしました。詳しくは、以下のページ (https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/outpatient/online-second-opinion/)をご参照ください

 

CADASIL知ってる会

CADASIL知ってる会は、患者さんやご家族にCADASILという疾患や、最新の医学情報をわかりやすくお伝えしていくとともに、お互いの悩みや不安を共有することを目標としています。第1回のCADASIL知ってる会を、2023年3月12日に開催しました。この会には、日本全国より36名の方にご参加いただき、最新のCADASIL治療と研究の成果を共有しました。 このような会を、今後も定期的に開催していく予定です。特に、直近の1年間で解明が進んだCADASILの最新情報をお伝えすることを最大の目標にしています。開催時刻・開催場所等については、メールでご連絡しますので、知ってる会からの情報をご希望の方は、以下のリンクより国立循環器病研究センターの診察券番号と受信を希望するメールアドレスをご入力ください。

 

お申し込みページはこちらのURLからでもアクセスいただけます。
https://forms.office.com/r/wbn5CSDk7Q

【CADASIL知ってる会2025】
場所:大阪府
日時:2025年3月15日土曜日

ご参加は、CADASILと診断されている方およびその関係者であることの確認のため、当院の診察券IDをお持ちの患者さんとそのご家族・介護者に限らせていただきますので、ご了承ください。なお、オンラインセカンドオピニオン外来を受診された方にも当院の診察券IDが発行されます。

脳神経内科部 猪原部長の講演の様子

 大規模に開催するCADASIL知ってる会に加え、3ヶ月に1回の頻度で、CADASIL知ってる会Petit(プチ)も開催しています。CADASIL知ってる会Petitは、診察場面では医師に聞くのをためらわれるようなことでも、気軽にお尋ねいただけるような雰囲気の、小規模な会を目指しています。医師や心理士が1時間ほど会場におりますので、ちょっとした疑問などをお気軽にお聞かせください。予約も不要です。こちらの開催日・開催日時もメールでご連絡しますので、繰り返しになりますが、知ってる会からの情報をご希望の方は、上記のリンクより国立循環器病研究センターの診察券番号と受信を希望するメールアドレスをご入力ください。

最終更新日:2024年08月30日

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