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不整脈科研究グループが、American College of Cardiology 2024およびEuropean Society of Cardiology 2024のLate Breaking Clinical Trialsで多施設前向き介入研究の結果を発表
国立研究開発法人国立循環器病研究センター国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:大津欣也、略称:国循)の草野研吾副院長および宮本康二先端不整脈探索医学研究部長らの研究グループは、2024年3月に米国アトランタで開催されたAmerican College of CardiologyのLate Breaking Clinical Trials Sessionにおいて、国循を主幹施設とする多施設前向き介入研究(A Multicenter Prospective Randomized Study Comparing the Incidence of Periprocedural Cerebral Embolisms Caused by Catheter Ablation of Atrial Fibrillation between Cryoballoon and Radiofrequency Ablation (Embo-Abl study))の結果を公表しました。本研究では、228例の心房細動患者さんに対して高周波アブレーションとクライオバルーンアブレーションいずれかの治療を行い、頸動脈エコーを用いたアブレーション治療中の塞栓子の発生数および術後の頭部MRIでの脳塞栓の発生頻度を検討しました。その結果、頸動脈エコーを用いたアブレーション治療中の塞栓子の発生数はクライオバルーンにおいて有意に少ない結果が得られましたが、術後の頭部MRIでの脳塞栓の発生頻度は、高周波アブレーションとクライオバルーンアブレーションで有意な差は認めませんでした。なお、アブレーション治療に伴う症候性の脳梗塞は1例も認めませんでした。
また、2024年8月から9月にかけて英国ロンドンにて開催されるEuropean Society of Cardiology 2024のLate Breaking Clinical Trials Session(Hot Lines)においても、国循を主幹施設とする同グループの多施設前向き介入研究(A Multicenter Prospective Randomized Study Comparing the Outcome of Catheter Ablation of Atrial Fibrillation between Cryoballoon and Radiofrequency Ablation in Patients with Heart Failure (CRABL-HF))が採択されました。低心機能を合併した心房細動患者さんに対する適切なアブレーション治療の方法を検討したもので、同学会のメイン会場でその結果を公表する予定です。
最終更新日:2024年07月26日