プレコンセプションカウンセリング(妊娠に関する相談)外来
診療科等の概要
国立循環器病研究センター産婦人科部では、年間100人以上の、心臓病や脳血管病をもつ妊娠女性の診療をしています。特に心臓病をもつ女性の分娩取り扱い数は、わが国では最も多く、世界的にも有数の施設です。それぞれの循環器病のトップエキスパートが揃う、国立循環器病研究センターならではの数です。
当センターには、心臓病や脳血管病を有する患者様の妊娠に関する相談が、日本全国から寄せられます。すでに妊娠していても、精査の結果、妊娠の継続が母児の健康を著しく害すると診断され、やむなく妊娠終了を決心されることがあります。そのような場合、妊娠中絶が母体に与える肉体的、精神的なダメージは大きく、その後の生活にも影響を及ぼしかねません。また、妊娠中は、放射線検査などの検査に制限があり、十分な検査ができないこともあります。そこで、妊娠の前に、妊娠・出産のリスクを評価し、カウンセリングを行うことは、とても大切です。
妊娠前に評価・カウンセリングを受けることは、様々な点で有利です。まず、不要な妊娠中絶をさけることができます。"避妊"と"中絶"では大きな差があります。また、逆に妊娠してはいけないと思い込んでいる患者様に、妊娠の可能性を提示する場合もあります。次に、妊娠中は制限される検査を事前に実施し、精度高く、妊娠リスクを評価できます。検査の結果、より安全に妊娠期を迎えるために、適応のある治療を事前にお勧めすることもあります。また、内服治療を受けている方では、妊娠中にそれらの薬剤が使用可能か、胎児への影響を考えてどのように調整すべきか、詳細な説明もいたします。不安を軽減し、より安心・安全な妊娠期を迎えることができます。
このような点から妊娠前カウンセリングはとても大切です。私達はかかりつけ医や、原疾患の診療科と相談しながら診療計画を立て、本人、家族を交えてカウンセリングをしています。
プレコンセプションカウンセリングは、医療者側には浸透している概念です。とはいえ、妊娠のリスクをほとんど知らずに、妊娠した後に産科を初めて受診される方が、依然多い現状です。心臓病や脳血管病は、他の合併症よりも生命に直結しやすい病気です。私達はプレコンセプションカウンセリングで患者様の健康に寄与できるように、専門の外来を開設しています。
国立循環器病研究センター 初回プレコンセプションカウンセリング件数
プレコンセプションカウンセリングを受診された方の基礎疾患内訳
プレコンセプションカウンセリング外来(妊娠の相談外来)
対象 | 心疾患をお持ちの患者様、脳血管疾患をお持ちの患者様、前のお子様が先天性心疾患をお持ちの患者様 |
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外来 | 毎週木曜日 13:00-16:00 完全予約制 |
最終更新日:2022年02月17日