成人先天性心疾患外来
診療科等の概要
成人先天性心疾患外来のご案内
はじめに
先天性心疾患は、小児期治療の向上に伴い、多くの患者さんが成人を迎えることができるようになりました。我が国にはすでに50万人以上の成人患者様がおられます。しかし先天性心疾患の患者さんは、成人後も病気の進行や加齢の影響を受け、小児期とは異なる後期合併症や続発症を伴うことが少なくありません。従って、先天性心疾患患者さんには、小児期から成人期にいたるまでの継続的な「生涯医療」が不可欠です。
国立循環器病研究センター病院では、成人期に達した先天性心疾患患者さん(Adult Congenital Heart Disease: ACHD)の増加に伴い、「成人先天性心疾患 (ACHD)外来」を2011年2月から開設し、診療をおこなっています。
成人先天性心疾患(ACHD)とは、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症、ファロー四徴症などの様々な生まれつき心臓病があり、成人に達した場合のことを示します。生まれつきの心臓病のお子さんは以前長生きできない場合もありましたが、近年における手術、カテーテルおよび薬物治療の向上により、先天性心疾患患者の約9割の方々が成人期を迎え、多くの患者さんが成人されるようになってきました。先天性心疾患患者数全体の約半数以上が成人となっているのが現状です。
国立循環器病研究センターでも成人に達する先天性心疾患の患者さんが次第に増加し、2011年の開設以降増加し外来受診患者数は2022年以降、小児と成人の循環器内科を合わせて9000人を超えて日本最大規模となっています(図)。
しかし、手術をうけていない場合や、手術をうけていても長期的には合併症や続発症、また不整脈、心不全発生する場合もあり長期にわたり経過観察が必要です。また就職、妊娠、成人発症の疾患の合併など成人期特有の問題も加わる場合もあります。また、最近では比較的複雑な先天性心疾患の患者さんの割合が増加しています。
先天性心疾患の患者さんは当初循環器小児科、小児心臓外科で診療を受けられていますが、成長し成人になるにつれ次第に「小児」の枠から外れてきます。
しかしこれらの疾患は、一般内科の先生だけではなく循環器内科の先生にとってもなじみの薄い病気であることから診療を敬遠される傾向にあり、患者さんが安心して受信できる病院を見つけることが難しいのが実情です。
こうした現状の解決のため、我々国立循環器病研究センターでは成人先天性心疾患患者さんのための専門外来開設を含め、様々な最新情報に基づきそれどれの患者さんの特有な病態に合った医療の提供を行ってきております。
従ってその診療内容も、豊かな経験と実績から世界的レベルの高度で最先端なものを小児循環器、循環器内科、小児心臓外科、周産期科さらには移植医療を含む多様な分野の専門医が提供できる状況となっています。
国立循環器病研究センターでは成人先天性心疾患患者さんの診療体制を再構築し、「成人先天性心疾患外来」を新設しました。小児循環器内科、成人循環器内科、小児/成人心臓外科、産婦人科などが結集して、より良い成人先天性心疾患診療を目指しています。
成人を迎えられた患者様に於かれましては主治医と相談して頂き、成人先天性心疾患外来を受診されることをお勧めいたします。また成人期になった患者さんを診療の小児科また循環器内科の先生方で診療先をお探しの場合には当院の成人先天性心疾患外来へご紹介いただければ幸いです。
充実した検査内容と正確な診断
- 心臓超音波検査
- 経食道超音波検査
- MRI,CT検査
- 運動負荷試験
- 核医学検査
- 心臓カテーテル検査(入院が必要)
- 電気生理学的検査(入院が必要)
- その他
充実した診療内容
- 心不全の管理、治療
- 肺高血圧の管理、治療
- 不整脈、ペースメーカ管理、治療
- 心臓血管外科手術
- カテーテル治療
- 妊娠、出産
- その他
成人先天性心疾患の治療を推進するスペシャリスト
成人先天性心疾患(ACHD)外来は以下の専門の先生が担当しております。
お気軽にご相談ください。
- 毎週火曜日(午後) :大内 秀雄 医長
- 毎週木曜日(午前、午後):大郷 剛 医長 (※肺循環科初診外来)
受診を希望される患者さんは、かかりつけ医に「紹介状」を作成してもらい、かかりつけ医を通して受診日の予約をしてください。
かかりつけ医の方へ:予約方法
患者さんをご紹介いただく際には、「診療予約依頼書(Excelファイル)」に必要事項をご記入の上、専門医療連携室(06-6170-1348)へFAXでご送信下さい。24時間送信可能です。
最終更新日:2024年10月28日