患者の皆様へ
高度循環器ドックのご案内
「統合探索的生体観測プロジェクト」と高度循環器ドックについて
特別室A(※宿泊室については こちらを参照)
国立循環器病研究センター(国循)では、高度先進医療の開発を推進するため、健康な方を対象に、からだの形と働きの基本情報を収集するプロジェクトを平成25年9月より立ち上げ、多くの方々にご利用いただいております。 このプロジェクトは、参加いただく方にとって、循環器病の早期発見のための「スーパードック」ともいえる内容であり、「高度循環器ドック」「日帰りドック」「AI認知症脳ドック」としてここにご案内申し上げます。
費用 受診日 コースの流れと検査項目 予約のお申込み |
循環器病と国循
「循環器病」は血液の循環を司る心臓と血管の病気の総称です。代表的な病気は心筋梗塞と脳卒中で、いずれも本邦の死因の上位を占めることは、よく知られています。 2017年では、心臓病は死因の第2位、脳卒中は第4位です。
1977年に設立された国循は、この循環器病の究明と制圧のための国内唯一のナショナルセンターで、脳卒中と心臓病・血管病のいずれにおいても、高度かつ先進的な医療を提供しています。そして早期発見や予防についても研究を重ねてきました。
循環器病は予防と発症前の診断が大切
循環器病では全く症状の無い方に突然、命に関わる重大な状況が発生します。 幸いにして生命の危機を脱したとしても、しばしば後遺障害を残して、ご本人の人生を大きく損なうのみならず、ご家族や社会にも重い負担をかけることになります。 これが循環器病の怖いところです。
一方で、循環器病は、その準備状態となる生活習慣の改善などで予防できます。 重大な病気の予備軍の状態を発見できれば、先制攻撃としての治療を行うことも可能です。 ここに、早期発見のための「循環器病ドック」の意義があります。
「統合探索的生体観測プロジェクトとドック」の有用性について
このプロジェクトでは、先端医療機器や最新の検査法を駆使して心臓と脳、全身の血管をトータルで観測し、結果を先進医療の開発に結びつけます。
その内容を「ドック」として見ると、最新の科学的知見に基づいて異常が捉えられること、国循の最先端の医療にたずさわる専門医による診断と説明が受けられること、受診後のフォローがあることが特色です。
このプロジェクトは保険診療ではありませんが、病気が見つかれば、以後は通常の保険診療として国循で経過観察や治療をさせていただきます。
本プロジェクトに参加される皆様へのお願い
国循では、高度の医療の提供だけでなく、次世代の医療を創ることもミッションと考えています。 このプロジェクトは先進医療の開発を支援する事業の一環でもあるため、「ドック」に参加いただいた皆様の情報はセンターのバイオバンクに蓄積して、その目的に使用させていただきたいと思います。 ご了解とご協力をお願いいたします。
高度循環器ドックの受診を希望される方へ
ご注意とお願い
国立循環器病研究センターの「高度循環器ドック」及び「日帰りドック」(以下 本ドック)の内容について、ご注意とお願いを追加させて頂きます。
本ドックは、循環器病の高度先進医療の開発を進める研究プロジェクトの一環として行われるので、通常の健診やドックとは違うところがあります。一つは検査項目の設定、もう一つは検査結果の研究利用です。
本ドックでは、通常の健診やドックでは行わない高度な検査を行って、循環器病を早期発見するとともに、研究的な情報を獲得することを目的としています。
このため、一般的な健診項目の一部やがんについての項目は含まれておりません。がんの早期発見をご希望の場合は、別のドックをお受けいただくようお願いいたします。
なお、直近の通常の健診またはドックの受診結果を持参していただければ、本ドックの判定に際して参考にさせていただきます。
また、本ドックの検査データを今後の医療の開発に役立てるため、 センターのバイオバンクへのご協力をお願いしております。 お申し込み後に、バイオバンクの説明文書をお送りいたします。本件につきましては、ドック当日に改めてご説明とお願いをさせて頂きますので、ご協力の程よろしくお願いいたします。
病院長 飯原 弘二
AI認知症脳ドックについて
国内の認知症患者数は2025年には、約720万人に達するとされています。 65歳以上の約5人に1人の計算です。また、認知症予備軍の軽度認知障害(MCI )は約400万人存在します。 MCI患者は年間10~15%が認知症に移行するとされており、MCIの段階で積極的に認知症予防を行うことが極めて重要です。
認知症の要因は様々ありますが、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙などの生活習慣病、脳卒中などの循環器病が発症に大いにかかわっており、認知症予防は、国循の国家的使命です。 国循では、認知症予防を主な目的とした脳ドックを開設します。認知機能テストと脳MRIを行い、AIを用いて海馬(記憶の司令塔)の容積を自動測定し脳の老化具合を算出します。 さらに、脳MRI によって、認知症の原因となりうる「かくれ脳梗塞/脳出血」の存在もわかります。 検査当日に認知症専門医をはじめとした脳神経内科専門医より結果を説明し、生活習慣病予防を中心に今後の認知症予防対策をお伝えします。
費用
〇高度循環器ドック 66万円(税込)
※クレジットカード利用可
※室料・滞在中の食事代などを含みます。
※宿泊は「特別室C」をご用意しておりますが、「特別室A」、または、「特別室B」へのアップグレードも可能です。
ご希望の場合は、お申し付けください(差額が必要となります)。お部屋の間取りなどは 特別室のご案内をご覧ください。
〇日帰りドック 22万円(税込)
※クレジットカード利用可
※食事代などを含みます。
〇AI認知症脳ドック 7万7千円(税込)
※クレジットカード利用可
受診日
申し込み(申込書提出)から4週間後以降でお受けいたします。
コースの流れと 検査項目
〇高度循環器ドック
〇日帰りドック
専任のコンシェルジュが入院から退院まで対応いたします。
※高度循環器ドックは、1泊2日(月曜日入院、火曜日退院もしくは水曜日入院、木曜日退院)のメニューになります。
日帰りドックは、火曜日と木曜日のみのメニューになります。
※上記2コースの検査結果は、ドック受診から28日後以降に、医師から説明をさせていただきます。
医師からの説明を希望されない場合、ご自宅に郵送いたします。
※★印の検査は放射線の被ばくがあります。
このドックでの被ばくは全部で高度循環器ドックが8mSv程度、日帰りドックは1.5mSv程度でCT検査を行う通常の
人間ドックとほぼ同程度であり、健康被害の心配は全くありません。
※スケジュールについては変動する場合があります。
〇AI認知症脳ドック
総合案内で検査時間と院内地図をお渡ししますので、ご自身で受診場所を回っていただきます。
予約のお申込みについて
「高度循環器ドック」「日帰りドック」または「AI認知症脳ドック」をご希望の方は下記までご連絡をお願いいたします。
国立循環器病研究センター 高度循環器ドック担当
TEL:06-6170-1282(平日9:00~16:00)
高度循環器ドック・日帰りドック・AI認知症脳ドックパンフレット
こちらからダウンロードできます。【pdf:4MB】 |
こちらからダウンロードできます。【pdf:3MB】 |
こちらからダウンロードできます。【pdf:0.7MB】 |
*参考
国立循環器病研究センターの医師が執筆した「循環器病あれこれ」は 【こちらから】
最終更新日:2024年09月06日