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医療関係者の皆様へ

脳血管研究グループについて

Neurovascular Research Group

我々の研究グループは、脳神経内科部長・猪原匡史を主任研究者として、脳卒中と認知症の治療法の開発を目指して日々研究と診療に従事しています。こちらのページでは、我々の研究に関して、お問い合わせの多い項目についてご説明いたします。

1. もやもや病感受性遺伝子RNF213 p.R4810K多型と脳卒中との関連

若年者の脳血管障害は、高齢者と異なり発症機序が明らかではない場合が多く、適切な治療やリスクの評価が難しい疾患です。これまでにも様々な形で遺伝的素因の検討がされてきましたが、いまだ完全には解明されていません。我々のグループは、もやもや病感受性遺伝子であるRNF213 p.R4810K多型に注目し、この遺伝子多型が日本を含むアジア地域においては、もやもや病と診断されていない若年性脳梗塞患者においても危険因子となっている可能性があると考え、日本医療研究開発機構(AMED)循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業から支援を受け、当センター脳血管内科、脳神経外科、バイオバンク部門、そして株式会社島津製作所などと協力して現在精力的に研究を進めています。

図. 若年性脳梗塞患者におけるRNF213遺伝子多型の関連

p.R4810K多型は,家族性もやもや病患者の約90%でみとめられるのと同時に、一般人口においても2-3%の未発症キャリアが存在することが明らかになっています。また、診断基準ではもやもや病と診断されない日本人頭蓋内動脈狭窄患者においても22%と高頻度に本多型が認められることから、もやもや病以外でも脳血管障害の感受性遺伝子となりうる可能性が示唆されています。実際,私たちの検討においても、RNF213遺伝子のp.R4810K多型が日本人の脳梗塞の強力な感受性遺伝子であることが示されています (Okazaki S, et al. Circulation 2019; Kamimura T, et al. Stroke 2019)。
しかしながら、RNF213 p.R4810K多型を保有していても実際に脳梗塞を発症するのは50~100人に1人と見積もられています。したがって、今後はその発症を規定している環境要因やほかの遺伝要因の探索が望まれています。

https://form.run/@rnf213
RNF213 p.R4810K多型の評価依頼は上記のURLをブラウザにコピーアンドペーストしてフォームへお進みください。(医療関係者限定)

2. CADASILに対するアドレノメデュリンの有効性を評価する医師主導治験

CADASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症)(指定難病124)は血管性認知症やラクナ梗塞を呈する代表的な遺伝性脳小血管病です。NOTCH3遺伝子の変異により常染色体優性遺伝形式で発症し、大脳白質病変を特徴とします。CADASILの病態についての詳細は、CADASIL研究班のホームページをご参照下さい。

アドレノメデュリンは、52個のアミノ酸からなるペプチドホルモンです。循環器系臓器で広く作られ、血管を拡張させたり、血管新生を促したりと、多彩な作用が知られています。アドレノメデュリンは脳虚血や低酸素等に反応して生体内で産生されるため、アドレノメデュリンは脳虚血に対する生体防御反応をつかさどると考えられています。治療薬としてのアドレノメデュリンの有効性は各種の動物実験で示されてきました。CADASILの中核病変である大脳白質病変を再現する血管性認知症モデル動物において、アドレノメデュリンが血管新生を誘導し、炎症を抑制して、大脳白質病変や認知機能を改善することが示されています。更に細胞培養実験では、アドレノメデュリンが低酸素下で抑制される乏突起膠細胞前駆細胞の分化を促進することが確認されており、これは大脳白質の再生作用と考えられています。以上から、CADASILに対して、アドレノメデュリンを投与する臨床試験が待ち望まれていました。

臨床応用に向け、アドレノメデュリンの安全性が問題となります。しかし、そもそもアドレノメデュリンはヒトの体内に存在する生理活性物質であるという点が強みと言えます。すでに炎症性腸疾患、うっ血性心不全、急性心筋梗塞、陳旧性脳梗塞の患者でアドレノメデュリンが投与された臨床研究の報告があり、いずれも大きな有害事象は生じていません。また、国立循環器病研究センターでは2019年から急性期脳梗塞患者を対象としたアドレノメデュリンの医師主導治験を行っております。そして今回、日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業の支援を受け、CADASIL患者を対象としたアドレノメデュリンの有効性と安全性の評価を目的とした医師主導治験(AMCAD試験)を企画することとなりました。

https://form.run/@CADASIL-adrenomedullin
AMCAD試験に関するお問い合わせは上記のURLをブラウザにコピーアンドペーストしてフォームへお進みください。 (CADASIL患者様およびそのご家族様限定)

最終更新日:2021年09月27日

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