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肺循環科

脳梗塞再発予防のための
卵円孔開存症に対するカテーテル治療

2020年より新規治療として「脳梗塞再発予防のための卵円孔開存に対するカテーテル治療」の保険診療を開始いたしました。

卵円孔開存と脳梗塞

卵円孔は、右心房と左心房の壁(心房中隔)に空いている穴のことで、通常胎生期(お母さんのお腹にいる時)は)は開存して、生後2-3日で自然閉鎖します。一方、2-3割で自然閉鎖が起こらず卵円孔開存(PFO)として小さな裂孔が残存します。通常は、この卵円孔が開存していても症状がなく問題となることはありません。しかし、稀にこの小さな裂孔を通して、足などの静脈にできた血栓が、右心房から左心房に流れ、その血栓が脳に行けば脳梗塞の原因となります(奇異性塞栓症)。この治療はこの穴を通して脳梗塞を起こされた方を対象として穴を閉じることで脳梗塞の再発を予防する治療です。

卵円孔開存(PFO)による奇異性塞栓症

カテーテルによる卵円孔開存閉鎖治療の対象となる方

  • 脳卒中専門医(脳内科)に卵円孔を介した脳梗塞であると診断され、「潜因性脳梗塞の診断基準」に合致した方。
  • 脳内科で上記診断をした後、循環器専門医(心臓内科)が経食道心エコー検査を用いて卵円孔に関する形態的な評価を行い、その上で「Brain Heart Team(脳内科・心臓内科・小児循環器科)」で定期的なカンファレンスを行なって卵円孔開存閉鎖治療に対する適応を決定しております。
  • (女性の場合)妊娠していない、かつ1年以内の妊娠を希望しない方

潜因性脳梗塞

カテーテルによる卵円孔開存閉鎖治療の目的

卵円孔開存が原因で脳梗塞を発症した可能性がある患者さんでは、脳梗塞の再発予防のために血液をさらさらにする薬(抗血小板薬または抗凝固薬)を使用します。一般的にこの治療は有効でありますが、薬を長期間(一生涯)使用する必要があります。一方、カテーテルで卵円孔開存閉鎖術を施行することで、卵円孔開存が原因で生じる脳梗塞の再発を内服治療と比較して大きく軽減させることが証明されています。

カテーテルによる卵円孔開存閉鎖治療の実際

本治療で使用するアンプラッツァーPFO(卵円孔開存)閉鎖栓は、真ん中の部分がくびれた形をしており、両側の広がった部分(ディスク)とくびれた部分(ウェスト)には、特殊な布(ダクロン)が縫い付けられています。このウェスト部分を卵円孔に合わせるように入れて、左右のディスクで穴の両側から挟み込むようにして穴を閉じます。全身麻酔または局所麻酔で行い、カテーテルを太ももの付け根の静脈(大腿静脈)から挿入し手技を行います。動脈は使いません。 同様の素材を用いた心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術はすでに日本で1万人以上に行われており、良好な治療成績が報告されています。診療には1週間程度入院が必要です。治療後は一定時間ベッドの上で安静にして頂いた後、翌日から歩くことが可能です。入院中に、血液検査、胸部レントゲン検査、心電図検査、心エコー図検査を行います。退院後は定期的に外来でその後の様子を拝見致します。また、この閉鎖栓はMRIにも対応しており、治療後はこれまで通り必要に応じてMRI検査を受けることができます。

閉鎖栓による卵円孔閉鎖治療

最終更新日 2020年01月09日

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