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心臓血管外科部門

心臓血管外科部門とは

心臓血管外科は高度専門医療ナショナルセンターにおける外科部門として、心臓移植などの先駆的外科治療から一般的な心臓血管外科手術に至るまで幅広い外科手術を数多く行っています。

現在13名の専門スタッフ及び全国から集まった専門修練医とレジデントで構成され、心臓外科血管外科の2つの外科専門診療グループがあります。

外科スタッフは専門領域に分かれて専従し、かつ日頃の診療で相互連携することにより、より専門的で幅広い外科診療が可能となる独特の体制をとっています。また、スタッフとレジデント・専門修練医が24時間体制で患者さんを管理する手厚い治療を行っています。当センターは、循環器疾患の中で高度な外科的手技を必要とする全ての疾患、全ての術式について世界のトップレベルの質と全国有数の手術件数を維持する総合力を有している、世界でもまれな施設です。また、補助循環や人工心臓、心臓移植などの重症心不全患者さんの管理も、移植医療部と連携して行っています。さらに、心臓血管内科部門と連携診療を行うことにより、診断から治療、術後のフォローアップまでを総合的・機能的に行える体制を整えています。

時間外の診療については、外科病棟と救急外来の対応及びICU(心臓血管外科系集中治療室)の術後管理に合計3~4名の当直医を配置し、緊急手術にも対応できる体制を常に整え、毎日3~4例の手術だけでなく、時間外や休日の緊急手術も数多く行っています。

さらに、研修・修練医の教育、専門医・指導医の養成など、この分野では指導者となる人材育成を中心とした専門教育や先駆的外科診療の開発や導入、各種疾患の術式開発やその評価、循環器疾患の外科治療に関連する大規模臨床研究なども精力的に行っています。

心臓血管外科部門の特色

当部門は心臓外科血管外科に分かれ心臓血管疾患外科治療を担当しています。

心臓外科は医師7名(2016年12月現在)、レジデント4~5名からなり、弁膜症、冠動脈疾患、不整脈の外科治療を行います。弁膜症においては、可及的に自分の弁を修復しようすることを心がけ、手術後の患者さんがなるべく薬を飲まなくていいよう、また生活制限を受けずに済むように、生活の質(QOL)の向上に努めております。冠動脈疾患の外科治療に関しては、すべての冠動脈への血行再建を第一目標とし、またバイパスの長期開存率の向上をめざし動脈グラフト等の使用を心がけております。不整脈に関しては、ペースメーカの植込のみならず、これまで放置されてきた心房細動の治療にメイズ手術という外科的アプローチを行い、規則正しい脈を回復させ心機能の改善に大きく寄与するなど、国際的に高評価を得ています。

血管外科は、医師6名、レジデント4~5名からなり、大動脈疾患だけでなく末梢動脈疾患や静脈疾患などの外科治療も行っています。大動脈瘤の外科治療においては、逆行性脳灌流という新しい方法を導入し、手術の簡略化と術後脳障害の軽減に積極的に取り組み、これまで長時間に及んだ大動脈瘤の手術を短時間にし手術成績の向上が得られ、他施設では手に負えない手術を数多くこなしています。

わが国最大級の規模を誇る16床のICUでは、手術後の患者さんの術後急性期の治療を中心に行っております。24時間体制で患者さんの管理にあたると同時に、術後の経過がより安全になるようにあらゆる分野からの情報をいち早く入手し、応用しています。このような体制のもと、当部門は日本でもトップクラスの実績を残し続けています。

各診療科の治療方針と目標

心臓外科

虚血性心疾患に関しては、狭窄を有するすべての冠動脈を動脈グラフトでバイパスすることにより、長期の開存率を向上させ、長期にわたり再度の侵襲的治療や入院を回避させることを目標にしています(動脈グラフト使用率95%)。また、人工心肺を使用することで脳梗塞あるいは腎不全を起こす危険の高い患者に対して、人工心肺を使用しない冠動脈バイパス手術(OPCAB)を1998年に導入し、現在では基本手技としています(最高齢91歳)。さらに2004年から、ロボット外科支援システムによる更なる手術の低侵襲(身体の負担が少ない)化に挑戦しています。また、手術創が小さく低侵襲な内視鏡補助下手術も積極的に行っています。

弁膜症に関しては、できる限り自己弁の修復あるいは生体弁での弁置換を行うことで、ワーファリンの服用を回避でき、生活の制限が最小限になるよう努めています。また、高齢や極端に体が弱っているなど手術ハイリスク患者さんには開心術や人工心肺下の心停止を必要としない「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」を2011年より施行しています(最高齢96歳)。TAVIは通常の大動脈弁置換術に比べて傷が小さく手術時間も大幅に短縮される低侵襲な術式で、わが国有数の実施件数を誇ります。最近では、OPCABとTAVIの同時手術など、難易度は非常に高いが低侵襲で治療効果の高い術式を次々と国内で初めて実施・成功させています。今後も患者さんに負担の少ない術式の開発に努めるとともに、新しい術式の長期的な有効性についても研究を続けます。

不整脈に対する外科治療としては、ペースメーカ・ICD植込・心臓再同期療法のみならず、1992年にわが国に初めて導入した心房細動を洞調律に復帰させるメイズ手術を弁膜症手術と同時に積極的に施行し、遠隔期のQOL向上にも努めています。

慢性心不全に対する外科治療は、移植医療部と連携し、末期的心不全患者に対して左室縮小手術あるいは僧帽弁手術を行うとともに、補助人工心臓の装着を行い心臓移植手術につなげています。

血管外科

大動脈外科に関しては、基部拡張症に対して積極的に自己弁温存術式を選択し、弓部大動脈瘤に対して選択的脳灌流による中等度低体温での全弓部置換術を基本術式としています。また、胸腹部大動脈瘤に対しては、Adamkiewicz動脈の画像診断と術中の運動性能電位測定により、対麻痺の予防に努めています。また、低侵襲手術として、ハイリスク患者を中心に大動脈ステントを腹部大動脈瘤から胸部大動脈瘤まで積極的に導入しています。

最終更新日 2016年12月28日

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