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小児循環器・周産期部門

小児循環器・周産期部門とは

小児循環器・周産期部門は、小児循環器科小児心臓外科周産期・婦人科の 3つの科から構成されています。先天性心疾患や川崎病に代表される小児期発症の心臓病の患者さんを、胎児期および小児期から成人期にいたるまで生涯にわ たって診療するとともに、心疾患や脳血管疾患を患う女性の妊娠と出産を専門的に扱う、世界的にもたいへんユニークな診療部門です。

先天性心疾患の診断、外科治療、カテーテル治療では、開設以来35年間にわたり、日本だけでなく世界をリードする施設として多くの患者さんの診療を行って 参りました。現在では10歳未満の小児への心臓移植が可能な全国3施設の1つでもあります。また心疾患を基礎に持つ女性の妊娠/出産数では、世界第3位を 誇っております。現在も、これからも、先天性心臓病のこどもさんたちだけでなく、心臓手術後に成人に達した成人先天性心疾患患者さんや心疾患や脳血管疾患 を合併された妊婦さんの診断と治療において、世界トップレベルの診療を患者様に提供いたします。詳細は各科のページをご覧下さい。

小児循環器科、小児心臓外科、周産期・婦人科から構成される当センターの小児循環器・周産期部門には、全国から重症な心臓疾患のお子さんが来院されます。生まれながらに心臓病をもつ患者さんを、胎児期から成人にいたるまで診察する同部門の先天性心疾患に対する取り組みをご報告します。



生まれながら心臓疾患の子どもは、100人に1人

胎児から成人まで生涯を通じたQOLの向上めざす

小児循環器医療の最後の砦の覚悟をもって

国立循環器病研究センターでは、開設以来最も重症な先天性心疾患のお子さんを全国から受け入れてきました。また、診断精度の向上や先端的な治療・手術の開発において、全国の先駆的な役割を果たしてきました。
失われる命をゼロにするために、負担の軽い診断・治療のさらなる研究開発に取り組み、命を助けるだけでなく、生涯を通じて、高いQOLを保つような治療の確立をめざしています。
小児循環器・周産期部門は、胎児、新生児から成人までを生涯にわたって診察しています。周産期・婦人科、小児循環器科、小児心臓外科の各科が密接に連携して治療にあたっていることが大きな特徴です。
これからもどんな重症の患者さんも断らず、諦めず、小児循環器医療の最後の砦であるという覚悟で、部門全体が一体となってすべての小さな命を救うために全力を尽くしていきます。

当センターにおける小児疾患治療



全国の産科・小児科医が信頼寄せる診断技術

胎児期に心疾患を発見。小さな命をチームで守る

多くの複雑な疾患が全国から

小児循環器

小児循環器・周産期部門で多くを占めるのが先天性心疾患の患者です。当部門では複雑で、地域の大学病院などでも対応がむずかしい重症の患者さんを全国から受け入れています。
先天性心疾患の診断・治療はお母さんのお腹にいるときから始まります。胎児の精査検査の中心は心臓に対する超音波検査です。心エコーの画像をもとに、周産期・婦人科、小児循環器科、小児心臓外科の医師が緊密な連携を行い、診断と治療を進めます。

心エコーを読み解く高度な診断

近年の超音波CTなどの画像診断の向上によって、胎児や乳児に負担をかけずに病態を正確に把握できるようになりました。心エコーやCT画像を3次元化し、心臓の状態を鮮明に見ることもできます。胎児のときから正確な診断が可能となったことで、生まれてくるまで状態がわからず手遅れになる例が減り、出生前に診断して、最善の準備を整え、時期を遅らせることなく治療ができるようになりました。



トップクラスの先天性心疾患治療実績

負担軽い診断法、治療法を開発

高度な手術手技を確立

先天性心疾患に対する治療・手術の進歩にはめざましいものがあります。小児循環器医療における先駆的な役割を担う当センターが、治療方法の確立に大きな役割を果たした手術には、ダブルスイッチ手術、ロス手術などがあります。これらは高度な技術が求められる難手術で、国内で実施できるのは限られた施設だけです。
また、フォンタン手術も開設以来積極的に取り組んできた治療で、累計400例以上の実績があり、20年以上にわたる長期のフォローアップをしています。当センターでは、世界的にも珍しい人工心肺を使わないフォンタン手術を取り入れています。

国内最多のカテーテル治療

カテーテル

心臓病のお子さん達に低侵襲な診断・治療法で行うことも大切な課題です。現在では、カテーテル治療数は年間約250例と国内最多の実績があります。とくに心房中隔欠損のカテーテル治療では、全国で最初に導入した施設の一つとして、現在も指導的な役割を果たし続けています。
また、複雑先天性心疾患患者の難治性不整脈に対して、カテーテルアブレーション治療を数多く手がけてきました。さらにセンター開設当初より行ってきた川崎病の臨床研究では、小児期の冠動脈バイパス手術実績や成人患者の長期経過観察など、世界をリードするデータを出し続けています。



これまでの心臓移植の実績を子どもにも

早期承認めざし、補助人工心臓の治験始まる

認定施設として万全の体制を

2010年7月に改正臓器移植法が施行され、従来は年齢制限でドナーとならなかった15歳未満の小児からの臓器提供が可能になりました。また法改正とともに10歳未満の小児への移植が可能な心臓移植実施施設として、当センターが認定されました。当センターでは、大人の心臓移植を国内で最も多く手がけてきた実績と経験を活かし、小児心臓移植のための体制づくりを進め、移植の適応判定や待機中の患者の管理、移植後の治療などをまとめた小児の心臓移植実施計画を策定しています。また、お子さん達が快適に過ごす専用の病室の新設なども行ってきました。

移植までの命をつなぐために

カテーテル

子どもに安全に使える補助人工心臓が国内にはなく、実用化が待たれています。小児は成人よりも症状の進行が早く、移植までの待機中の命をつなぐ補助人工心臓の臨床への導入は緊急の課題です。当センターでは東大、阪大と共同で、ドイツのベルリンハート社製の小児用補助人工心臓「EXCOR」の国内承認をめざした治験を2012年4月から開始しました。



成人した先天性心疾患患者をどこが診る?

専門外来を開設。延べ受診者は日本最大

今や先天性心疾患の半数以上は成人

治療技術の進歩により、今では90%以上の先天性心疾患患者さんが成人を迎えるようになりました。現在、先天性心疾患患者さん全体の半数以上の約40万人が20歳以上の成人で、今後も毎年一万人の割合で増加すると予想されています。
先天性心疾患の患者さんの中には子どものときに最善である手術を受けても、成人期以降に不整脈や心不全などを発症することが少なくありません。
先天性心疾患さんをベースにもつ患者さんを、後天性心疾患患者さんと同じように診療することはできません。内科の先生方には心臓の構造異常を主体とする先天性心疾患の実体験が乏しいので、特にフォンタン手術のような特異な血行動態の患者さんは敬遠されがちです。
一方、小児科医には成人の診療経験は乏しく、またこども病院や小児科で、成人が診療を受けることもむずかしい現状があります。
適切な受診科が見つけにくい成人した先天性心疾患患者が安心して受診できるように、当センターでは2010年12月より、小児循環器科と心臓内科にまたがる「成人先天性心疾患外来」を開設しています。
1970年代からの手術実績を有する当センターでは、小児循環器科延べ外来受診数17,000人のうち実に6,700人が18歳以上です。これは国内最大規模です。この豊富な実績をもとに各科が協力して成人先天性心疾患の患者さんに最先端の医療を提供しています。

成人先天性心疾患患者の年齢分布の推移

最終更新日 2012年11月19日

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