腎臓・高血圧内科
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IgA腎症
IgA腎症
糸球体メサンギウム領域へのIgAの優位な沈着を特徴とする一次性糸球体疾患で、組織学的にメサンギウム増殖性腎炎の形態をとり、血尿・蛋白尿を呈する慢性糸球体腎炎で最も頻度が高い疾患です。
病態(仮説)(IgA腎症診療ガイドライン2014)
扁桃腺などで産生された正常構造をしていないIgAが腎臓に沈着し、炎症を起こすことにより、血尿や蛋白尿が出現します。

診断基準(IgA腎症診療指針第3版)

年齢分布(IgA腎症診療ガイドライン2014)

腎生検所見
メサンギウム基質の増加と糸球体係蹄壁とボウマン嚢の癒着を認めます。

さらにメサンギウム増殖が進行した所見です。最終的には糸球体硬化に至ります。

蛍光抗体法
メサンギウム領域にIgAが沈着します。

IgA染色
組織学的重症度分類(IgA腎症診療ガイドライン2014)

臨床的重症度分類(IgA腎症診療ガイドライン2014)

IgA腎症患者の透析導入リスクの層別化(IgA腎症診療ガイドライン2014)

治療介入の適応(IgA腎症診療ガイドライン2014)

IgA腎症に対する口蓋扁桃摘出術とステロイド剤による治療
IgA腎症患者の扁桃腺は慢性炎症を起こしていることがほとんどで、膿瘍を形成していることも多いです。ここで、正常構造をしていないIgAが産生され、腎臓のメサンギウム領域に沈着し、炎症を起こすとされています。よって、正常構造をしていないIgAの産生を抑えるために扁桃腺摘出術を、腎炎を抑えるためにステロイド剤を使用します。

最終更新日:2021年10月08日