ガンマナイフ外来
診療科等の概要
お知らせ
2025年1月24日(金)~1月25日(土)
第21回一般社団法人 日本ガンマナイフ学会学術総会 The 21th Meeting of the Japanese Leksell Gamma Knife Society を開催いたします。2021年4月15日
Medical Noteオンライン講座「脳動脈瘤・脳動静脈奇形Webセミナー」を開催いたしました。下記リンクから視聴できます。メディカルノートオンライン講座「脳動脈瘤・脳動静脈奇形」 - YouTube
2019年7月1日
ガンマナイフ治療機器は大阪府下では1号機となる最新型のIcon®に更新いたしました。これにより,これまでのフレーム固定に加え、最新型ではマスク固定による寡分割照射が可能となりました。サイズの大きなもの(直径4㎝程度まで)や摘出術後の照射などもフレームレスで行え、外来照射にも対応しています。2015年7月1日
レクセルガンマナイフ®による「薬物療法による疼痛管理が困難な三叉神経痛治療」が保険適応になりました。
1.ガンマナイフとは
・脳に対する精密な放射線治療「ガンマナイフ」安全・正確・低侵襲
・フレームレスでも0.15mmと高い精度を確保
・周囲正常脳の被爆量がもっとも小さい定位放射線治療装置
ガンマナイフは、脳内の一点(病巣部)に192個の細かいガンマ線ビーム(X線よりもさらに波長の短い電磁波)を集中照射させる放射線治療です。開頭手術をせずに病巣をナイフで切り取るように治療できることからこう呼ばれており、より侵襲の少ない(周辺の組織を痛めない)治療と言えます。照射時に貫通する頭皮・骨・脳実質・血管・神経への影響は少なく、照射を受けた病巣のみが徐々に凝固・壊死します。
今まで手術が困難であった脳の深部にある血管奇形や腫瘍への低侵襲的治療が可能であり、外科的手術に耐えられない患者さんや高齢者の治療も治療を受けられます。
2.当センターのガンマナイフ治療
・まずはご相談下さい。セカンドオピニオンもお受けいたします。
・治療時、治療後の看護は脳神経外科専門の看護師が担当します。
・治療後の定期的な外来診療で患者さんをサポートします。
1)ガンマナイフ外来(担当医 森 久恵)【予約制】
毎週火・木(再診・初診) 月・水・金(初診のみ)
ご本人が入院中で受診が難しい場合は、ご家族のみの受診で構いません。
●医療関係者の方へ
先生方からのご紹介や治療適応の判断に迷われる場合などには電話、Emailでのご相談にも応じます。
ガンマナイフ担当
脳神経外科医長 森 久恵 (平成6年卒)
(所属学会)
日本脳神経外科学会、日本脳神経外科コングレス、日本定位放射線治療学会、日本ガンマナイフ学会、明日のガンマナイフを担う会、日本脳卒中学会、日本脳卒中の外科学会
2)治療日
月~金
3)治療の流れ
【2泊3日~5泊6日】
1日目 入院、オリエンテ-ション、検査
2日目 治療
3日目 退院
【1泊2日】(原則的に必要な検査は外来受診時に行います)
1日目 入院、オリエンテーション、(検査)、治療
2日目 退院
『ガンマナイフ治療を受けられる方へ』パンフレット
4)ガンマナイフ室担当看護師
脳神経外科集中治療室(NCU病棟)看護師が担当いたします。
ガンマナイフは安全な治療ですが、治療中の万一の急変時にも対応できるよう、年1回トレーニングしております。
3.対象疾患・適応
ガンマナイフの治療の対象になる疾患は次のとおりです。詳細は日本ガンマナイフ学会のホームページでもご覧いただけます。
脳血管障害 | 脳動静脈奇形 |
---|---|
脳腫瘍 | 聴神経腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫・頭蓋咽頭腫・血管芽細胞腫・脊索腫・転移性脳腫瘍 など |
その他 | 三叉神経痛 てんかん パーキンソン病 眼窩内疾患 など |
脳動静脈奇形、三叉神経痛についてはこちらもご覧ください。
※てんかん、パーキンソン病などの機能的疾患は保険適用ではありませんので、ご了承下さい。
4.治療実績
2002年4月から2022年12月までの治療総件数は3133件。脳動静脈奇形の治療総件数は427件、三叉神経痛は95件です。
転移性脳腫瘍
治療後5年、再発なくコントロールされています。
脳動静脈奇形
深部や危険部位にあって手術による安全な摘出が困難な脳動静脈奇形は、ガンマナイフによる治療を行っています。ガンマナイフ単独で根治が難しい場合には、手術・血管内治療・ガンマナイフを組み合わせた複合治療を行っています。
三叉神経痛
5.よくあるご質問
お問い合わせの多いご質問を掲載しております。こちらに記載のないご不明点に関しましては、担当医にお問い合わせください。
ガンマナイフ治療について
- Q.脳以外の場所の治療はできないのでしょうか
- A.ガンマナイフは脳病変に対する定位放射線治療機器です。肺や脊髄などは治療できません。
- Q.何回も治療するのでしょうか。
- A.基本的に照射は1回です。病気によっても治療効果が出てくる時期は異なりますので、詳しくは担当医におたずねください。
ガンマナイフ入院について
- Q.入院期間はどれくらいですか。日帰り治療できますか。
- A.2泊3日もしくは1泊2日です。治療前日に検査が必要な場合や脳動静脈奇形の患者さんは、2泊3日でお願いしております。マスクによる分割照射は日帰り治療可能です。土日祝日入退院、日帰り治療につきましては担当医にご相談下さい。
- Q.費用はどれくらいでしょう。保険はきくのでしょうか。
- A.おおよその概算は下記表のとおりです。保険適応ではない疾患(てんかんなどの機能性疾患)については自費となります。
費用 70歳未満 3割負担 約18万円 70歳以上 1割負担 約5万円 70歳以上 3割負担 約9万円 自費 約50万円 - Q.今、内服している薬があります。治療の前に止めたほうがいいでしょうか。
- A.ほとんどのお薬は内服中止していただく必要はありません。入院の際に確認いたしますので、入院日数分の内服薬をご持参ください。
固定方法について
- Q.どうしてフレーム固定なの?
- A.ガンマ線ビームを患部に集中して照射する仕組みになっており、焦点位置がずれないようにする必要があります。そのため、頭部を金属フレームで固定するのです。フレーム固定だからこそ、精度が維持されます。固定の際に局部麻酔の注射を行ないますが、その時多少の痛みは感じます。その後の痛みはなく、術後はすぐに取り外しますのでご安心下さい。
A.サイズの大きい転移性脳腫瘍などで、分割照射を行う場合にはマスク固定をします。マスク固定で安静が保てないなど、焦点制度を保つためにフレーム固定が望ましい場合にはフレーム固定をおすすめしています。 - Q.フレームのピンはどこまで刺さるの?
- A.頭蓋骨の表面です。骨を貫通することはありません。
- Q.傷あとが残りませんか?
- A.しばらくは点状の針のあとが残りますが、数日で目立たなくなります。翌日問題なければ洗顔、洗髪していただいて構いません。
- Q.髪の毛、剃ったり、短くしたりした方がいいですか。
- A.その必要はありません。
- Q.フレーム固定は痛いって聞きました。
- A.ピン固定部に注射で局所麻酔をします。その際の痛みはありますが、フレームがしっかり固定されると痛みは感じません。さらに、フレーム装着前に鎮痛剤の点滴注射をしておきます。痛みには個人差があり、不安が強いと余計に痛みを感じることもあります。できるかぎりリラックスした状態で治療が受けられるよう、お声がけをし、状況に応じて抗不安薬や鎮静剤を追加いたします。
治療後フレームをはずしたあとに頭全体がジワンジワンと痛むことがありますが、頭の締め付けから開放されたことによるものです。1時間くらいでおさまりますが、病室に戻った際に痛みがある場合には、内服の痛み止めを使用します。 - Q.全身麻酔でやってほしいです。
- A.10歳以下のお子さんの場合には、麻酔科の協力のもと、全身麻酔で行います。成人の方は原則的に局所麻酔で治療します。ただし不安の強い方の場合は、お薬を使って浅く眠っていただくなどの対応をしております。担当医にご相談下さい。
ガンマナイフ治療中のこと
- Q.治療時間はどれくらいかかりますか?
- A.治療部位や大きさにより異なります。詳しい照射時間については治療計画ができあがるまでわかりません。
- Q.治療中は絶食でしょうか。
- A.フレーム装着後の検査までは絶食となります。フレーム装着している状態ですので、治療待機中の昼食はパンです。治療中も飲水していただけます。ストローなどをお持ち頂くと、フレーム装着中も水分をとりやすいです。
A.マスク固定の場合には、食事制限はありません。 - Q.トイレが近いので心配です。
- A.照射中でも我慢せずにお申し出下さい。休憩をとっても途中から照射再開できます。
治療後について
- Q.治療後の制限はありますか。
- A.基本的にはありません。治療後より日常生活に戻って頂けます。
- Q.髪の毛は抜けますか。
- A.ほとんどは脱毛の心配はありません。脳表近くに病変があった場合には、2-3週間して部分的に脱毛を生じることがありますが、また生えてきます。
- Q.副作用が心配です。
- A.病気によって、また大きさ、部位によって副作用は異なります。治療のご相談をいただいた際に、副作用について詳しく説明いたします。副作用が起こる可能性が低く、治療によって得られる効果が大きいと考えられる方に、ガンマナイフ治療をおすすめしています。
- Q.治療後の定期検査はどうなりますか。
- A.基本的にはこちらに3ヶ月毎、安定してきたら6-12ヶ月毎は外来通院をお願いしております。遠方で通院が難しい方については、定期検査の結果を当センターまで送ってもらうなど、紹介元の医師にご協力いただきながら経過をみさせていただきます。
最終更新日:2023年12月19日