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麻酔科

診療科等の概要

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麻酔科の概略

 麻酔科管理症例数は1990年代の1200-1800症例から2010年以降は2000症例以上を維持しており、麻酔科医は常勤6名ですが、レジデント、修練医など若手は16-18名と多く、夜間や祝祭日も3名以上の麻酔科医が常駐しており24時間体制で緊急手術に対処しています。現在は年間2400症例を超えた麻酔管理をしており、その内600症例は緊急手術です。
 全身麻酔症例では心臓外科症例の増加と心臓内科によるカテーテル治療麻酔症例の増加が顕著です。MitraClipやカテーテル大動脈弁置換手術、左心耳デバイス閉鎖術、脳外科カテーテル治療手術、アブレーション手術などハイブリッド手術室を使用する手術も増加しております。心臓手術では緊急大動脈解離症例やロボット僧帽弁形成術、左室補助装置装着手術、心臓移植などが多くあります。
 現在麻酔科では臨床研究を主に施行しています。経食道心エコー(TEE)を用いた弁疾患評価で経カテーテル大動脈弁置換術での弁輪径計測、僧帽弁形成術での至適人工リングサイズの計測などをおこなっております。特に直接術野を見ることができないロボット手術や小切開手術では有用です。また、3DTEE計測を利用して左右心機能や収縮性、右心不全などの計測をおこなっています。臨床における3DTEEの有用性は非常に高く、現在増加してきているカテーテルインターベンション治療でも大きく役立っております。また、左室補助装置装着やImpella挿入などの機械的補助においてもTEEによる観察は不可欠となっています。
 手術自体が成功しても、脳脊髄機能異常などの重篤な後遺症が発生しては意味が無くなります。そのため脳脊髄機能異常の早期発見は重要となり、下行大動脈置換やステント留置手術では脊髄機能モニタリングを施行しています。方法として運動誘発電位(MEP)を計測していますが、施設ごとに測定方法が異なっていました。そのためセンターが中心となり全国14施設で後方視的な多施設共同研究を施行してMEP測定方法の統一を行っています。また、MEP測定のガイドラインとして日本麻酔科学会から2019年に掲示された「MEPモニタリング時の麻酔管理のためのプラクティカルガイド」の作成にも関与しています。
 脳モニタリングとして近赤外分光法を利用した脳酸素飽和度測定が全室で使用されています。センターでは脳酸素飽和度測定ができる機種として4種類合計15台を使用して様々なデータを蓄積しています。
 心臓手術も低侵襲化が進んできており、周術期モニタリングに関しても低侵襲へと移行を考慮していく必要があります。肺動脈カテーテルと経食道心エコーによるモニタリングが中心ですが、肺動脈カテーテルの代用として動脈波形や脈波解析から容積補償法を用いた心拍出量測定が様々な装置で開発されており、センターでは3種類の装置を使用して心拍出量連続測定が低侵襲手術で使用されています。
 心臓手術はカテーテルインターベンションや小切開手術など低侵襲手術が増加してきています。また、左室補助装置装着やImpella挿入などの機械的補助手術が増加してきており、経皮的心肺補助装置や大動脈バルーンパンピング装着症例も増加しています。再生治療や臓器移植などの治療も増加してくることが予測されます。麻酔記録は半自動化されており、多くのモニタリングが記録されています。

 

センターの年間麻酔科管理症例数の推移。 2007年の2000症例から2018年には2400症例へと増加している。心臓外科症例数は800症例から1300症例へと増加した。

新病院での麻酔器に装着されたモニタリング装置。旧病院の時と比べて多くの連続モニタが設置されている。麻酔記録は半自動化されている。

施設認定

  • 日本麻酔科学会認定病院
  • 心臓血管麻酔専門認定施設
  • 日本集中治療医学会専門医研修施設

最終更新日:2021年11月17日

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