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2019年1月26日(土)開催
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脳血管内科・脳神経内科 スタッフ・レジデント全体写真(2017.12.25撮影)
わが国では脳卒中(脳血管障害)を起こす割合が諸外国に比べて高く、死亡原因の第3位、総医療費の第4位、高齢者医療費の第1位を占めます。団塊の世代が脳卒中適齢期を迎え、脳卒中の患者は今後も増え続けることが予想されます。脳卒中は、高齢化日本が克服しないといけない、大きな壁です。
脳卒中の大半の患者さんには、専門的な内科治療が必要です。しかし、脳卒中は長年、治らない病気と位置付けられ、十分に治療することができませんでした。私たちの科は全国に先駆けて1977年に開設され、翌1978年からは脳卒中ケアユニット(SCU)での集約的な急性期内科治療を始めました。tPA静注療法を始めとする急性期の各種内科治療や、脳血管障害の超音波検査や各種画像検査などの診断法の確立に、全国の中心施設として貢献してきました。最近ではtPA静注療法やSCUが全国に普及し、「脳卒中は治る病気」と認識されるようになりましたが、私たちは現在でも国内外の脳卒中診療をリードして、地域の急性期中核病院として、また全国のセンターオブセンターとして、脳卒中制圧を合言葉に日々の診療を行っています。
脳卒中の診療は、循環器内科や神経内科、救急医学をはじめ、多くの分野の医学の知識と経験を必要とします。私たちは、これらの多領域の医療を集約させた脳卒中に対する内科治療を全国に先駆けて実践してきました。
当科の診療を修得し全国に広めるため、多くの若い医師が全国から集まり、日夜診療に励んでいます。大所帯なので脳血管内科(脳内科A)、脳神経内科 (脳内科B)の2つのグループに分かれていますが、両グループともに脳卒中を中心に診療、研究、教育を行っており、どちらのグループを受診されても同様に 最先端の診療を受けることが可能です。
本格的な脳卒中ケアユニット(SCU)を国内ではじめて立ち上げ、24時間365日体制で急性期脳卒中患者さんを断らずに受け入れています(図1)。脳神経外科と良好に連携し、外科手術が必要な場合は遅れることなく外科治療を受けられます。急性期 診療に引き続き、近隣の医療機関に転院して回復期機能訓練を滞らずに受けられるよう、地域医療連携を推進しています。
図1. 脳卒中ケアユニット(SCU)への入室者数と死亡率
国循脳内科に興味を持ってこのHPを開けて下さった皆様に、当科を端的に伝えるならば、独自性が高く外部にも寛容な集団です。当科が起ち上がって40年を経ました。開設期の先達は「脳卒中を治すこと、内科が脳卒中を治すこと」をひたすら実践し、当科の存在意義を世に問うことに腐心しました。平成の第二世代は、ドラッグラグに象徴されるわが国の相対的で絶対的な脳卒中治療の遅れを挽回すべく、診療と研究の実績を一つずつ積み上げてきました。そんな土台に乗った僕たちは今、世界を見据えて診療情報や研究成果を発信していると躊躇わずに自己紹介できます。それを虚言にしないよう、さらに前進しています。
現在の熱気を自ら上手く言い表せず、同処(大阪)同齢(壬寅)の超人、山中伸弥先生がよく言及される「V (vision)」と「W (working hard)」を借用させていただきます。若い人たちには自己鍛錬こそVですが、職場全体としては国の脳卒中医療レベルを高めることを真剣に見据えて、最良の方途を探求しています。そして皆良く働きますが、大きなVを無邪気に目指しているので、楽しくWしています。そんな職場があるものかと訝しまれるなら、一度観に来てみませんか。一日でも良いです。歓迎いたします。
2018年1月 豊田一則
最終更新日 2018年10月29日