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研究推進支援部

脂質基準分析室

CDC/CRMLNによる脂質標準化プログラム

米国の国立医学研究機関であるCDC(疾病対策予防センター)は、インフルエンザや伝染病などの感染症に対する予防対策基地として世界に広く知られていますが、内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)などの生活習慣病の危険因子とされる脂質(総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライド「中性脂肪」)の測定値を標準化する国際拠点として50年以上も前から知られています。このことから、CDCはWHO(世界保健機関)の疾病協力センターに指定されています。ここに標準化とは、病院などの臨床検査室が正確な測定値を受診者に報告できるように支援する品質管理システム(トレーサビリティ)のことです。

CDCを中心とするCholesterol Reference Method Laboratory Network (CRMLN) は、世界9ヶ国の9施設の脂質基準分析室で構成される国際的な標準化のためのネットワークです。1992年7月にアジアでは最初の脂質基準分析室として大阪府立健康科学センターの脂質基準分析室がネットワークの一員として正式登録され、標準化活動を継続して行いました。その後、2012年4月の国立循環器病研究センターの予防健診部に、そして2019年4月からは同センターの研究所内にその拠点を移し、世界中の臨床検査室や試薬メーカーを対象とした脂質の標準化で活動しています。CDCやCRMLNの基準分析室によって得られた高い精度の目標値は、各国の基礎的な健康調査(例えば、わが国では、国民健康・栄養調査や特定健診など)、大規模な疫学研究や臨床試験(治験)等で得られた測定成績の信頼性を保証し、相互比較するための基準として、欧米諸国で広く受け入れられ、今日では世界的に評価が定着しています。標準化は、皆様の目に直接触れることのない舞台裏の地味な仕事でありますが、測定成績の信頼性を裏付ける品質管理システムがあってはじめて、質の高い測定成績が医師を通じて国民の皆様に返却され、診断や治療や予防対策のお役に立っております。

下記に関係書類を掲載しています。

最終更新日:2022年10月14日

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