メニュー

心血管老化制御部

 

研究の概要

 我々の研究の目的は「心不全をはじめとする加齢性疾患に対する革新的治療法の開発」にあります。これまで我々は、老化や代謝制御により加齢性疾患の発症や進行を抑制し、健康寿命の延伸を図れるか、という問いに基礎及び臨床研究を統合する形で挑んできました。
(Nat Med 2009、J Clin Invest 2010、2014、Cell Metab 2012、2013、J Mol Cell Cardiol 2015、2019、Cell Rep 2018、Sci Rep 2019、2021、2021、2022、Nature Aging 2021、iScience 2021、2022、2022など)。
 老化のプロセスで最も謎な点は、様々な特性を有した臓器がほぼ同じ時相で機能低下をきたす点にあります。加齢が臓器横断的に同期する現象を「加齢同期(Sync-aging)」という概念で捉え、老化促進分子(セノメタボライやセノプロテイン)が加齢同期の中心的役割を担うメカニズムの解明を目指しています(受賞:全米医学アカデミー2020年、日本心臓財団佐藤賞2023年)。予備的検討から加齢とともに血液中で上昇し、1)全身臓器の線維化を促進するセノプロテイン、2)ミトコンドリア機能不全を惹起するセノメタボライトが存在することが明らかになっています。遺伝子改変動物も用いた様々な検討を踏まえ、1)加齢関連線維性疾患(Age-related Fibrotic Disorder(A-FiD))を拡張不全型心不全(HFpEF)、心房細動、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、慢性腎障害(CKD)など組織の線維化が中心的病態を形成する疾患、2)セノメタボライト関連疾患(Senometabolite Related Disease(SRD))をミトコンドリア機能不全が中心的病態を形成する疾患(心不全やサルコペニア、アルツハイマー病(AD)など)と新しく定義し、老化促進分子の病的意義の解明、及び次世代の治療法開発に挑んでいます。

最終更新日:2023年05月22日

各部の紹介About

設定メニュー