メニュー

研究推進支援部

部の業績
2017年業績

2017年の業績

支援業務概要

  • 研究企画調整室と研究情報基盤管理室では、国循情報システムへの人工知能(AI)実装へ向けて、その基盤構築およびIBM人工知能の院内疾患レジストリを用いた辞書チューニング等を実施した。
  • 研究企画調整室では、研究開発の推進に必要となる公的研究資金等の外部研究資金、特に国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」(AMED)からの外部資金獲得増に向けて、研究計画書等の作成支援、研究班構築調整、臨床研究の推進等を行った。特に、来年度の予算獲得に向けて、上記AIを用いた研究計画の作成を支援した。
  • 研究企画調整室では、6NC共同のクリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)のメンバーとなり、わが国における疾患登録システム(患者レジストリ)に寄与した。
  • 研究企画調整室では、臨床研究を計画的かつ効果的・効率的に実施するため、臨床研究セミナーや倫理研修等を臨床研究部、先進医療・治験推進部や医学倫理研究室と共同で開催した。
  • 動物実験管理室では、センターで実施される動物実験について実験動物の福祉向上・研究の透明性の確保・研究の信頼性の向上に努め、適正な動物実験の実施を心掛け、研究者が安全に安心して研究に没頭できるよう基盤整備を行い、また適宜、指導を行った。
  • 動物実験管理室では、法令対応のため「動物の保護及び管理に関する法律」改正に伴う情報収集、実験動物・動物実験に関わる他組織との情報交換を行い、施設の今後について検討した。さらに移転後の施設に関して情報収集するとともに研究者のニーズにこたえるべく移転後の施設の設計に関与した。
  • 動物実験管理室では、移転に向けた施設・動物について移動計画を立て、スムーズな移行が行えるよう準備を開始した。
  • 動物実験の社会的理解を得るための情報発信のあり方について調べた。
  • 研究情報基盤管理室では、情報統括部・医療情報部と協力し、センターにおける研究開発や診療業務に不可欠な情報基盤の整備および移転開発事業に関連した情報システム・機器の仕様策定・導入開発を行った。
  • 研究安全管理室は、有害薬品とアイソトープを用いた研究活動を支援するために、研究者に対して法令に基づいた教育訓練と安全管理業務、さらには分析機器の保守点検等を通して、研究の質の向上に努めた。

研究概要

  • 研究企画調整室では、主に重症心不全における病態生理の解明及びその病態生理に基づいた治療に関する研究を行っている。病態生理の解明には、複雑系の機能解析に必要な工学的手法を用い、また、治療には独自に開発したデバイスの臨床応用を目指した基礎研究を行っている。
  • 研究企画調整室では、新しい心臓モデルの開発に着手した。特に、最近話題となっている左室収縮能が保持された心不全いわゆるHFpEFの診断に寄与すべく、新しい心室粘弾性モデルの作成を行っている。
  • 動物実験管理室では、動物福祉に立脚した実験動物の麻酔法の確立や、研究者に対して講習会等を通してその動物実験実施手順などの指導を行った。また、実験動物飼養施設をいかに運営していくかが最大の研究テーマそのものでもあり、支援業務と切っても切り離せない関係にあり、結果としてセンターから多くの業績が生まれることが、研究成果であると考えている。
  • 研究情報基盤管理室では、電子カルテシステム内に蓄積された所見・報告書・サマリなどのテキスト情報から、自然言語処理および機械学習を用いて、Major Adverse Cardiac Event(MACE)とよばれる主要有害心血管イベントを予測するモデルの構築を開始した。
  • 研究安全管理室では、「両生類を用いた組織再生のメカニズム」と「大動脈リモデリングの機構」を調べた。

2017年の主な研究成果

  • 6NC共同で、わが国における疾患登録システム(患者レジストリ)の在り方と、新たな治験・臨床研究について、横並びで推進している。
  • 独自に開発した循環平衡理論による、左室補助人工心臓(LVAD)装着症例におけるリバースリモデリング予測に関して検討を加えている。
  • 重症心不全症例における心臓リハビリテーション促進のため、市販フットスパを用いた、新しい温熱療法を開発し、現在研究成果をまとめている。
  • 左心室の粘性と弾性を分離して評価する方法を開発した。
  • 既存の心不全予測モデルのシステマティックレビューを行い、予測モデルを同一の心不全コホートを用いて比較し、予測能の規定因子を検討している。
  • 電子カルテ情報をセマンティクス(意味・内容)の標準化により分析可能なデータに変換するための研究を行っている。
  • ICF(国際生活機能分類)を用いた健康情報基盤構築の ためのデータ集積手法の検討
  • イモリの組織再生の仕組みを調べた。2次元電気泳動とde novoシーケンスの解析から、いくつかのタンパク質を同定し、その中にはマウスの筋管細胞を脱分化させる作用のあるものを見出した。
  • 動物初期胚の左右差決定の機構を調べた。その結果、Ca/NFATシグナリングの異常ばかりでなく、プロトンポンプの機能障害でも、胚の左右軸反転を誘導できることを明らかにした。
  • マウス大動脈リモデリングの仕組みの解明を行った。
  • 動物実験の社会的理解を得るための情報発信のあり方について大規模な市民アンケート調査を行い、現在解析途中にある。

2017年の主な研究推進支援の活動成果

  • IBM Watsonのセンター内での利用基盤の整備を、情報統括部・循環器病統合情報センターと協力して行った。
  • 退職・異動する研究者が収集・蓄積していた電子的な臨床研究データの散逸を防ぐために、残された情報端末や保管装置の管理の支援を行った。
  • 循環器病統合情報センターにおける循環器疾患診療実態調査(JROAD)およびJROAD施設からのDPCデータ収集方法についての助言や、さらには日本循環器学会と連携を担当している。
  • 倫理委員会(月1回開催)申請等に関する相談業務を行った。
  • センター内部ホームページを活用して、積極的に競争的研究資金の公募情報を提供した。同様に、民間からの助成金に関する情報提供を行った。
  • 動物実験管理室では、動物福祉に立脚した実験動物の麻酔法の確立や実験動物の扱い方法、動物実験実施手順などを、研究者に対して講習会等を通して指導を行った。
  • 実験動物飼養施設の運営そのものが、研究推進支援と考えている。
  • 国循としての動物実験の必要性・重要性を対外的にアピールするとともに、適切な動物実験を実施する施設であるとのコメントを外部に発信した。この中で特に動物愛護に重点を置き、かつ、動物実験倫理に適した動物実験を推進していることを強調した。
  • 実験動物使用に関し、世界的視野での共同研究に対応すべく体制の構築をした。
  • 実験動物使用に関する教育講習会を年49回開催した。
  • 研究所における放射線と有害薬品の管理運営を担当し、また教育訓練を実施した。RI教育訓練は、放射線障害防止に従った内容で、新規対象者に対して6時間、継続者に対しては3時間行った。年6回開催した。薬品の教育訓練においても、年6回行った。
  • RI施設と薬品使用場所の作業環境測定を実施し、適正使用が行われているものか点検・指導を行った。作業環境測定は、RI施設が月1回、薬品室が年2回実施した。排気・排水装置の点検は、月1回行った。
  • RI廃棄物の仕分けと薬品廃液の処理を行った。処理回数は、年4回であった。
  • 新国循RI施設の申請書作成を開始し、原子力規制委員会の初回ヒアリングを受けた。申請書完成版提出は、平成30年夏を目指している。また、現存のRI施設を廃止する手続きも併せて開始した。
  • 電離則に従って、放射線内部被ばく算定を行った。揮発性の高い放射性核種の吸入被ばくに代謝を考慮した方法を新たに取り入れ、施設に適合した算定方法を確立した。
  • 放射線障害防止法の改正に伴い、研究所予防規程の見直しやセキュリティ対策強化など平成31年までに対応しなければならない事柄があるため、その準備を開始した。
  • 法令に従って、研究所放射線安全管理委員会を開催した。

研究業績

  1. Du CK, Zhan DY, Akiyama T, Inagaki T, Shishido T, Shirai M, Pearson JT. Myocardial interstitial levels of serotonin and its major metabolite 5-hydroxyindole acetic acid during ischemia-reperfusion. American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology. 312, H60-H67, 2017.
  2. Kawada T, Shimizu S, Yamamoto H, Miyamoto T, Kamiya A, Shishido T, Sugimachi M. Effects of different input pressure waveforms on the carotid sinus baroreflex-mediated sympathetic arterial pressure response in rats. Journal of Applied Physiology. 123, 914-921, 2017.
  3. Kawada T, Shimizu S, Yamamoto H, Miyamoto T, Shishido T, Sugimachi M. Peripheral versus central effect of intravenous moxonidine on rat carotid sinus baroreflex-mediated sympathetic arterial pressure regulation. Life Sciences. 190, 103-109, 2017.
  4. Miyachi Y. H+/K+-ATPase-Inhibition Causes Left-Right Aortic Arch Inversion in Mouse Development. Reproductive Sciences. 24, 1334-1339, 2017.
  5. Shigemi K, Fuke S, Une D, Saku K, Shimizu S, Kawada T, Shishido T, Sunagawa K, Sugimachi M. Physiological insights of recent clinical diagnostic and therapeutic technologies for cardiovascular diseases. Journal of Physiological Sciences. 67, 655-672, 2017.
  6. Shimizu S, Akiyama T, Kawada T, Sata Y, Turner MJ, Fukumitsu M, Yamamoto H, Kamiya A, Shishido T, Sugimachi M. Sodium ion transport participates in non-neuronal acetylcholine release in the renal cortex of anesthetized rabbits. Journal of Physiological Sciences. 67, 587-593, 2017.
  7. Hino J, Nakatani M, Arai Y, Tsuchida K, Shirai M, Miyazato M, Kangawa K. Overexpression of bone morphogenetic protein-3b (BMP-3b) in adipose tissues protects against high-fat diet-induced obesity. International Journal of Obesity. 41, 483-488, 2017.
  8. Bae CR, Hino J, Hosoda H, Arai Y, Son C, Makino H, Tokudome T, Tomita T, Kimura T, Nojiri T, Hosoda K, Miyazato M, Kangawa K. Overexpression of C-type Natriuretic Peptide in Endothelial Cells Protects against Insulin Resistance and Inflammation during Diet-induced Obesity. Scientific Reports. 7, 9807, 2017.
  9. 塩谷 恭子. 施設管理のいろは に:セキュリティ. 実験動物と環境. 25, 127-129, 2017.
  10. 櫻井 理紗, 竹村 匡正, 粂 直人, 岡本 和也, 黒田 知宏. 我が国におけるopenEHR/アーキタイプを用いた診療データベースの構築可能性の検証. Mumps. 28, 15-23, 2017.

最終更新日:2021年10月22日

各部の紹介About

設定メニュー