smoking
11年の追跡期間中に、循環器疾患にかかった事がない約40000人の男女を11年間追跡すると、たばこを吸わないグループに比べて、たばこを吸っているグループでは、男女ともに、虚血性心疾患リスクが約3倍(心筋梗塞では4倍)高くなることが分かりました。また、疾患を心筋梗塞に限ると、男性で約4倍まで高くなることが報告されています(JPHC研究)。また、喫煙本数が増えるとリスクが増える事もわかっています。反対に、禁煙してから2年以内に禁煙の効果が出る事も報告され、禁煙する事で血液が固まりやすくなる、血管が収縮しやすくなるといった喫煙の影響がなくなり、血栓(血液の塊)ができにくくなるためと考えられます。
タバコの煙には、約4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうち有害とわかっているものだけで200種類以上もあります。ニコチン・一酸化炭素が循環器疾患に大きな影響があるとされています。また、タバコには脂質異常症を促進させる作用も確認されています。
交換神経を刺激することで、
①血管を強力に収縮させ全身の血液の流れを悪くする
②心拍数と血圧が上昇することで心臓や血管に与える負担が増える
一酸化炭素により、体内の赤血球と一酸化炭素が結びつき、体内が酸素不足の状態となります。そのため、心拍数の増加、血管の収縮、血圧上昇を招きます。また、血液の粘度を高め固まりやすくする性質もあり、動脈硬化の原因になります。
喫煙は、「善玉」HDLコレステロールを減らす一方で、「悪玉」LDLコレステロールをさらに増加させやすくなります。LDLコレステロールが増えていくと、余分なコレステロールを血管の壁に沈着させ、動脈硬化を起こします。
メタボリックシンドロームや高血圧や糖尿病、脂質異常症の既往がない方でも、喫煙習慣があるというだけで動脈硬化となる可能性が非常に高くなります。喫煙の本数が多く、期間が長い人ほど動脈硬化が進行するリスクが高くなると言われています。
喫煙期間が長い方でも、禁煙をスタートするとその日から血管が強力に収縮するような負担、血圧上昇や動脈硬化につながるリスクを減らすことができます。当院には、禁煙外来(予約制)がございます。禁煙に関心があってもなかなか一人では禁煙をすることに自信のない方、まずはご相談のみでも受け付けておりますので、以下よりお問い合わせください。
その他疾患や実績については以下よりご確認ください。
Acsess
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号
虚血性心疾患の検査として、近年ではマルチスライスCT検査での冠動脈評価の精度が向上し、外来で冠動脈の解剖学的な評価が可能になりました。
※緊急受診について
以下のような症状が出ている場合は緊急にかかりつけ医を受診ください。
医師から処方されている(ニトログリセリンなどの)舌下錠を3回舌下しても症状があるとき発作が頻回に起こるようになってきたとき
※夜中でも「朝まで・・・」と我慢する必要はありません。
※外来の日が近くても、上記のような症状があったら、すぐにかかりつけの病院に連絡して下さい。