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国立循環器病研究センター 冠疾患科
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 
法人番号3120905003033
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号 
電話:06-6170-1070(代)

実績について

Perfomance

経皮的冠動脈形成術(PCI)

2013年から少しずつではありますが、PCI治療件数は増加しています(Figure 1)。虚血の証明が必須となり治療適応の厳格化を行っておりますが、近年はAMI患者の積極的な受け入れを行っており、患者総数の増加によりPCI治療件数が増え続けています。2020年度は、750件を超える治療を行いました。
当院のPCIは、CVIT(日本心臓血管カテーテル学会)専門医が6人在籍しており、経験豊富な術者の指導のもと治療を行なっております。2018-2019年のPCI1312症例において重篤な合併症は、1%以下です(表参照)。この治療成績は、状態の悪い緊急治療を行なった患者を多く含んでいるため、安定狭心症への待機的PCIの場合、合併症の頻度は少なくなります。

PCI治療件数

CAG件数PCI件数AMI件数
2010 926 540 177
2011 914 505 134
2012 1256 503 111
2013 1138 504 147
2014 1158 511 166
2015 1240 597 197
2016 1230 564 191
2017 1263 643 201
2018 1572 650 241
2019 1606 662 272
2020 1852 754 327
2021 1896 716 306

PCI合併症(%)

2018年から2019年の統計1313例

死亡 0.08%
急性心筋梗塞 1.75%
ステント内血栓症 0.30%
脳梗塞 0.08%
冠動脈穿孔 0.46%
タンポナーデ 0.15%
緊急バイパス 0.15%
穿刺部分合併症 0.38%

急性心筋梗塞(AMI)

急性心筋梗塞患者は積極的な受け入れを行い、救急要請はできるだけ断らずに対応しております。地域の連携も充実してきており、救急搬送、地域の基幹病院からの紹介も増えてきています。急性心筋梗塞患者への治療は順調に増加しており、今年は300例を超えました。院内死亡率も3−6%で推移しており、全国のハイボリュームセンターと比較しても遜色ない治療成績となっております。当院では、急性期集中治療、薬物療法だけではなく、積極的なリハビリによる介入を行っております。また原因となる生活習慣病の治療も行う事で包括的な医療を提供しています。また、心機能が著明に低下している場合は、植え込み型除細動器の適応になりますので、不整脈科と連携を行なっております。心筋梗塞後の患者さんへの投薬は、数カ月にわたり細やかな変更が必要になるため、安定するまで当院で投薬をさせて頂く事があります。患者さんの状態が落ち着き、内服の変更が必要なくなったタイミングで、かかりつけの先生に改めてご紹介させて頂く方針としております。

AMI件数の推移

AMI件数の推移

閉塞性下肢動脈硬化症

下肢血管形成術:EVT治療成績

主にスタッフ2名(米田、柳生)で年間約100件程度の下肢血管インターベンションを施行し、この2年間は重篤な合併症なく治療を行えています。ここ数年は特に高齢症例(90歳代での治療もあり)に対する治療が増加しています。高齢化や健康寿命の延伸に伴い患者背景も複雑化しており、腎機能障害、高度石灰化、出血高リスク、フレイルなどを抱えた方が多く、低侵襲でかつ、治療効果が長持ちする治療を心掛けています。

治療件数

下肢血管形成術:EVT治療成績
取り組み
  • 最新アンギオ装置による、腎機能低下例における希釈造影法による超少量造影剤使用での治療
  • 腸骨動脈領域での橈骨動脈からの低侵襲なアプローチによる短期入院(1泊2日)
  • 大腿膝窩動脈領域での薬剤溶出バルーンを積極的に用いた異物を体内に残さない治療(leave nothing behind)での短期間2剤抗血小板療法(DAPT)を行っています。
治療方法の例

希釈造影法による左総大腿動脈治療(総造影剤量3ml,eGFR20)

  • 左総大腿動脈治療
  • 左総大腿動脈治療
  • 左総大腿動脈治療

橈骨動脈:RAからのアプローチによる左総腸骨動脈:CIA治療
(入院当日治療翌日退院

  • CIA治療
  • CIA治療
  • CIA治療

薬剤溶出バルーンによる左浅大腿動脈治療(DATP1か月

  • 左浅大腿動脈治療
  • 左浅大腿動脈治療
  • 左浅大腿動脈治療

当サイトでは冠疾患科に所属する医師の代表的な研究実績を掲載しています。
国立循環器病センターの研究成果についてはこちらからご確認ください。

冠動脈プラーク研究

副院長・心臓血管内科 冠疾患科
部長 野口 暉夫

心臓血管内科 心臓血管系集中治療科
医長 浅海 泰栄

当科は、2014年に急性冠症候群の原因である冠動脈ハイリスク・プラーク(不安定プラーク)が、MRIの撮像法の一つである非造影T1強調画像で高信号に描出されることを世界で初めて報告しました(J Am CollCardiol.63(10):989-99.2020)。
また、2015年には同法で描出された高信号プラーク(high-intensityplaque: HIP)(図)の信号強度(輝度)が、プラーク安定化作用のあるピタバスタチンでLDL-コレステロールを80mg/dl未満に低下させると減弱することを世界に先駆けて報告しました(AQUAMARIN-pilot研究:Attemptsat Plaque Vulnerability Quantification with Magnetic ResonanceImaging Using Non-contrast T1-weighted Technique) (J Am CollCardiol. 66(3):245-256.2015)
さらに、2019年11月米国フィラデルフィアで開催された米国心臓協会学術集会(AHA2020)では、LDL-コレステロールを強力に低下させても冠動脈疾患のリスクが残存する“残余リスク”の原因と考えられている中性脂肪(TG)を低下させるEPA/DHA製剤を用いた非盲検無作為化介入試験(AQUAMARINE-EPA/DHA研究)の結果を報告しました。本研究では、空腹時のTGが150mg/dl以上の安定冠動脈疾患患者においては、スタチンでLDL-コレステロールを80mg/dl未満に低下させた患者へのEPA/DHA製剤の上乗せ効果がMRIで認められました。

高信号プラーク(HIP)の部位で
心筋梗塞を発症した
高信号プラーク(HIP)の部位で心筋梗塞を発症した

OPTIMAL研究

心臓血管内科 冠疾患科 医長 片岡 有

O P T I M A L 研究( 持続型血糖測定機器を用いた血糖管理による多枝冠動脈硬化を有する狭心症合併糖尿病症例の冠動脈硬化進展抑制効果の探索的臨床試験)

現在、冠疾患科は開業医の先生方からのご協力・ご理解を賜り、介入試験: O P T I M A L 研究を実施中です(OPTIMAL study=Observation of Coronary Atheroma Progression under Glucose Control with ConTInuous Glucose Monitoring GuidAncein Patients with Type 2 Diabetes MeLlitus: NCT04559191,Kataoka, Asaumi, Otsuka, Noguchi, et al. Cardiovasc Diagn Ther2019;9:431-8).

OPTIMAL研究

さらに、2019年11月米国フィラデルフィアで開催された米国心臓協会学術集会(AHA2020)では、LDL-コレステロールを強力に低下させても冠動脈疾患のリスクが残存する“残余リスク”の原因と考えられている中性脂肪(TG)を低下させるE P A / D H A 製剤を用いた非盲検無作為化介入試験(AQUAMARINE-EPA/DHA研究)の結果を報告しました。本研究では、空腹時のTGが150mg/dl以上の安定冠動脈疾患患者においては、スタチンでLDL-コレステロールを80mg/dl未満に低下させた患者へのEPA/DHA製剤の上乗せ効果がMRIで認められました。
現在の糖尿病治療ガイドラインでは、HbA1c値を基にした血糖管理が推奨されていますが、HbA1c値のみでは冠動脈疾患リスクを高める食後高血糖や低血糖の発生が適切に反映されないという問題点を有しています。近年、皮下に容易に装着可能な持続型血糖変動測定機器(CGM=continuous glucose monitoring)が臨床導入され、血糖管理における有用性が報告されています。本研究は、HbA1c測定にCGMを併用した血糖管理による、心筋梗塞発症の原因となる糖尿病性冠動脈硬化症進展予防効果を解明することを目的とし、当院糖尿病内科細田部長らのご協力をいただきながら、2019年3月より開始しております。すでに90例の患者様の登録を完了し、研究成果は2021年12月末までに報告予定です。

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