分子生理部
研究概要
分子生理部では心臓と血管系の発生・形態形成・成熟機能制御機構の研究、特に発生期に発現する転写調節因子やシグナル伝達分子に焦点を当て、遺伝子組換えマウス解析や細胞生物学・分子生物学的手法を用いた研究を行っています。例えば、Notch情報伝達系やbone morphogenetic protein (BMP) -ALK1シグナル系の下流で心臓・血管形態形成を制御するHey転写調節因子、胎生期の血管形成に必須である新規の血管内皮膜タンパク質Tmem100などに注目し、その生理的・病態生理的意義と機能メカニズムの解析を進めています。
細胞分化・増殖・移動など多様な生命現象の組み合わせにより、複数の起源を有する前駆細胞から心臓・血管の形態形成が行われ、多様な細胞群が協調して働く成熟機能システムを実現するメカニズムは非常に複雑であり、その破綻が先天性心疾患のみならず成人の循環器疾患の病因に深く関わることは明らかです。これまで分子生理部で培ってきた経験を活かしながら、新しい発想・技術を取り入れた研究プロジェクトを進めて行く計画です。
循環器疾患・先天性心疾患・脳血管疾患の研究と先端医療を行うナショナルセンターの一員として、臨床分野との共同研究も積極的に行って臨床的・社会的意義のある基礎研究の推進を目指すとともに、若手研究者や大学院生のトレーニングに力を入れて次世代の研究者養成に貢献したいと考えています。
最近の活動の様子・お知らせは、Facebookページに掲載しています。ぜひご覧ください。
研究テーマ
- 心筋分化と心臓形態形成を制御する分子メカニズムとその病態生理的意義の研究
- 血管系の発生・形態形成と病的血管新生の制御機構の研究
- 遺伝子発現調節機構・シグナル伝達系のヒト循環器疾患における意義の研究
セミナー
分子生理部主催の講演会(「Development & Disease Seminar Series」)の内容は、こちらをご覧ください。
講演会については、Facebookページでも紹介して行きます。
連絡先
Email: molecular.physiology@ncvc.go.jp
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号
電話 06-6170-1069(内線31021)
アクセス http://www.ncvc.go.jp/res/about/access.html
最終更新日:2021年11月05日