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国立循環器病研究センター 冠疾患科
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 
法人番号3120905003033
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号 
電話:06-6170-1070(代)

浅海 泰栄

YASUHIDE ASAUMI

【専門領域】

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
冠動脈カテーテル治療(PCI)
循環器集中治療

父のように誇りを持てる仕事に就きたい
症状が劇的によくなる循環器に
魅力を感じた

私が医師を志したのは、外科医である父の仕事に対する姿勢に大きく影響を受けています。子供の頃、昼夜を問わず一生懸命働く姿を見て、自分も父のように誇りを持って働ける仕事に就きたいと思っていました。加えて幼少期に読んだ「シュバイツアーの伝記」も医師を目指す大きなきっかけを与えてくれました。アルベルト・シュバイツアー(1875-1965)は、アフリカの公衆衛生と地域医療の貢献に一生を捧げた医師です。幼いながら「彼にようになりたい」と感銘を受けたことを今でも覚えています。ですので、医学部を目指すというのは私にとってはごく自然な流れでした。

医学部を卒業し実際に研修医として働き始めて、患者さん一人一人を大事にしながら懸命に病気を治そうとする多くの医師に出会うことができ、自分も患者さんのために良い治療を行っていきたいという気持ちがより一層高まっていました。研修を始めた当初症状がなかなかよくならないがんの患者さんを多く担当しており、なんとかしたいと思う一方で治療しても良くならないもどかしさを感じる経験をしました。その後、循環器内科を経験するのですが、治療した患者さんの症状が劇的に変わっていくことに驚きと喜びを感じました。循環器内科は医師の判断・手技により決定的に予後が変わる診療科であることを実感しました。その後も臨床研修中に、そのような瞬間を何度も目の当たりにするたびに、循環器内科の醍醐味や面白さに大きな魅力を感じました。

一流の医師を目指し
国立循環器病研究センターへ
全国から集まる希少な症例を経験する

初期研修時代は医師が少ない病院で働いていたので、平均して1日20人、多い時は40人以上診ることもありました。そのため非常に忙しかったですが、かなり多くの経験を積むことができたので、手技的なスキルは向上したと思います。しかし、手技を身につけたとしても、学問としての知識はどうなのか、一症例一症例に対するアプローチは正しいのか、的確に病名を診断できているのか、小さな症状を見逃していないか、など、本当に自信をもって治療を提供できているのかという疑問や不安を感じていました。そのようなこともあり、循環器の専門性をもっと高めたいと考えるようになりました。当時(1999年)、大阪大学で行われた日本初の脳死による心臓移植が大きな話題となり、同年の5月、国内2例目となる心臓移植を国立循環器病研究センターが行うことを知り、国立循環器病研究センターに興味を持つようになりました。実際に国立循環器病研究センターに見学に来たところ、日本の循環器のトップドクター達がレジデントにも最先端の循環器診療を講義してくれる姿を見て、一流の医師の下で指導を受けたいと強く思うようになり、3年目からレジデント先として国立循環器病研究センターで働くことを決意しました。

国立循環器病研究センターは、専門ごとに多くの医師が配置されていて、診察は多くても1日10例程度でした。一つ一つの症例に深く向き合う時間ができてこと、そして知識面も向上したことで、初期研修の時に、気づかず見逃していた症例があったことにも気づきました。初期研修時代に、呼吸不全で運ばれた患者さんがいらっしゃったのですが、ある程度治療に目処が立ったある日に立ち上がった際に意識不明で心停止になってしまいました。今でこそ、このような症状は、肺塞栓(肺血栓塞栓症)だということが一般的になっていますが、当時の私には判断できず大変困惑しました。しかし、国立循環器病研究センターで、同様の症状が出た時には肺塞栓を疑うということを経験しました。他にも軽度だと症状が現れにくい大動脈弁狭窄も、現在はTAVI(開胸せずに心臓が動いている状態でもカテーテルで弁を装着できる手法)が出ていますが、当時は突然死で亡くなる方も少なくありませんでした。このように医療は日々進歩しています。循環器における臨床と研究の最前線という環境で、全国から集まる希少な症例や治療に触れることができたのは、私にとってとても貴重な経験となりました。

経験したことを整理するために研究を開始
非侵襲的な画像診断による早期発見の可能性を探る

国立循環器病研究センターでの後期研修を終えた後は、出身でもある東北大学の医局に戻ることにしました。
国立循環器病研究センターの経験を通して見えてきたことは、循環器疾患は急性期疾患を治すことができても慢性期になると簡単には治すことが難しいということでした。研修医1年目の時に、がんの患者さんに感じたあの時と同じような行き詰まりを感じてしまいました。そのため、今まで経験してきたことを自分なりにまず整理してから考えたいと思い、大学に戻り研究することにしました。大学院では基礎研究を行っていましたが、臨床経験を経てからの研究は大変面白く、興味深く取り組むことができました。

その後、秋田県横手市にある平鹿総合病院で働くことになるのですが、新しい視点で様々な事に取り組むことを認めてくれる開かれた環境にあり、当時最新の様々な心臓診断装置を用いた診療を積極的に行いました。この時に非侵襲的な画像診断に興味を持ち、画像診断の研究を行うきっかけとなりました。将来心臓病を発症する恐れがある患者さんを、体に負担をかけずに診断することができるか。若くして心臓発作を起こす可能性がある人をスクリーニングにより早期発見、早期治療するためにどうすべきか。など、病気にならないための解決策を探すための研究に取り組み始めました。その研究の延長で海外留学も経験しました。留学先での仕事にて決して誇れるような大きな研究成果を出せたわけでもないですが、いろいろな国の人と交流し様々な文化に触れることにより、自身の視野が広がる良い経験となりました。

質の高い医療を提供するには
チームワークが重要
無侵襲な冠動脈MRI検査を普及させ
多くの命を救いたい

現在は、改めて国立循環器病研究センターに戻り、冠動脈のカテーテルインターベーション治療と心臓血管内科系集中治療を専門として診療を行っています。若い頃は様々な症例において適切な治療選択が良いのかよくわからずカテーテルインターベンション治療を行なっていましたが、最近では個別化治療の流れになり、インターネットツールで患者さんの状態をスコアリングし、より中立な立場で治療の提案ができるようになってきました。いかに患者さんの予後をよくするか、患者さんの将来を見据えてどの治療法がよいのかを第一に考え、必要があればカテーテルインターベンションではなく外科的治療(冠動脈バイパス治療など)をお勧めしています。

質が高い医療を提供するためには、病態の本質を知り、いかに早く手立てを取るかが重要です。漠然となんとなくやっていても、本質は捉えられません。ですので、わからないことは勉強して一例一例を自分でしっかり考えて分析しています。とは言え、個でできること限られていますので、多くのコメディカルの方々たちや、他科との連携が非常に重要になります。良いチークワークがあっての医療と考えていますので、私自身も院内のコミュニケーションを非常に大切にしていますし、各スタッフが積極的に関わってくれる環境づくりも注力していまあす。例えば、看護師さんと共に、医師を含めて月1回から2回病棟連絡会を開催するなど、医師、看護師が隔たりなく互いに要望や意見を言える場などを設けています。

研究面では、直属の上司である野口暉夫先生が心臓発作を予測する診断ツールとして核磁気共鳴画像法(MRI)検査に注視していることを知り、自身も興味をもっていた分野でもあったため、直感的に大きなポテンシャルを感じました。被曝もなく、造影剤を使わない無侵襲な冠動脈MRI検査で動脈硬化のプラークを見つけ出すことができれば、将来の心臓事故の発生を予測することができるようになります。これが広がれば、多くの命を救うことができます。そのため私はこの検査を普及させる仕組み作りに尽力しています。

ハイレベルな医療に触れる大切さ
多様な症例や技術を短期間で経験できる

私はレジデントであった当時、国立循環器病センターでは、先ほど伝えた国内2例目の心臓移植以外にも、ペースメーカーを使用したCRT(心臓再同期療法)などが行われていました。CRTも今でこそ保険適用となりポピュラーな治療法となっていますが、当時の日本ではほとんど見ることができなかったので、かなり衝撃を受けました。国立循環器病センターは、間違いなくさまざまな分野の症例や技術を短期間で効率的に経験することができますし、私自身も若い時にこのような刺激的な経験ができて大変よかったと思っています。正直、厳しく忙しい研修でしたが、学ぶことが多く、あの時やってきた一つ一つのことが今に繋がっています。

トップドクターが行なっているハイレベルな診療や最先端の研究から、最新のトピックをキャッチアップすることができれば、自身が突き詰めたくなる分野を見つけることができると思います。是非これからの循環器を担う若い医師にもそのような経験をして欲しいと思っています。

  

Doctor Profile

浅海 泰栄

YASUHIDE ASAUMI

日本内科学会認定医
日本循環器学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本心血管インターベンション治療学会 (CVIT) 治療専門医
日本集中治療医学会専門医

その他疾患や実績については以下よりご確認ください。

その他病態

Actual introduction

国立循環器病研究センター

大阪府吹田市にある循環器疾患を専門に高度な治療と研究に取り組んでいる病院です。
所在地は大阪ではありますが、
全国から多くの患者様がご来院しています。

国立循環器病研究センター

Acsess

受診をご希望の方へ

受診方法については以下より詳細をご確認ください。お電話やメールフォームでもお問い合わせを受けております。

Tel : 06-6170-1070

医療機関の皆様へ

虚血性心疾患の検査として、近年ではマルチスライスCT検査での冠動脈評価の精度が向上し、外来で冠動脈の解剖学的な評価が可能になりました。

※緊急受診について

以下のような症状が出ている場合は緊急にかかりつけ医を受診ください。

  • 医師から処方されている(ニトログリセリンなどの)舌下錠を3回舌下しても症状があるとき発作が頻回に起こるようになってきたとき

  • 医師から処方されている(ニトログリセリンなどの)舌下錠を使うと症状が良くなるが、すぐに症状がでてくるとき
  • 夜中に苦しくなって目が覚めるようになったとき
  • 急に体重が増えたとき

※夜中でも「朝まで・・・」と我慢する必要はありません。
※外来の日が近くても、上記のような症状があったら、すぐにかかりつけの病院に連絡して下さい。

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