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医学倫理研究部

Ⅰ.概要

医学倫理研究部は、倫理研究室と研究公正研究室の2室からなり、臨床研究及び診療等における倫理性の確保と向上のため、医学・医療の中で直面する様々な倫理的課題について、研究・教育・実践の三方面から取り組んでいます。また、研究倫理と臨床倫理に関する学術研究の他、センター内外に向けて研修やコンサルテーションを行っています。さらに、研究倫理に関する研修会の企画・開催や2016年度からはAMED事業として、研究倫理コンサルタント養成に参画し、研究倫理に関する人材育成にも積極的に取り組んでいます。

沿革
2010年 研究開発基盤センター予防医学・疫学情報部に研究倫理研究室を設置。
2013年2月 研究開発基盤センター医学倫理研究室に改組。
2016年4月 研究開発基盤センターに医学倫理研究部を設置。倫理研究室と倫理管理室を配置。
2019年4月 研究開発基盤センターのオープンイノベーションセンターへの改組に伴い、研究所の所属となる。
倫理管理室を廃止し、研究公正研究室を設置。

Ⅱ.倫理コンサルテーションのご案内

臨床倫理及び研究倫理に関するコンサルテーションを行っています。センターにおける臨床研究や診療等に関して倫理的な問題や疑問を感じて困ったり迷ったりしていることがありましたら、どなたでもご相談下さい。患者様やご家族、または研究対象者にとって、よりよいと考えられる対策や方法、考え方についてアドバイスを行います。(職員の方はグループウェア「倫理コンサル」のページにも案内情報を掲載しています)
なお、医学倫理研究部では、センター外からの臨床研究倫理に関するご相談も受け付けております。詳しくは以下のURLページをご覧下さい。なお、医学倫理研究部では、センター外からの臨床研究倫理に関するご相談も受け付けております。詳しくは以下のURLページをご覧下さい。

【URL】 https://sites.google.com/site/ncvc2011researchethics/recs

倫理コンサルテーション件数

Ⅲ.主な研究テーマ

  1. 医薬品・医療機器・再生医療製品等を用いた臨床試験に係る倫理・政策課題
    医薬品や医療機器あるいは再生医療製品等を用いた臨床試験は、それらを開発する際には避けて通ることのできないステップである。しかし、こうした臨床試験には、危害・リスクならびに利益の両面において、常に大きな不確実性が伴っている。この不確実性がゆえに、臨床試験には、その被験者を保護するためのさまざまな倫理的要請が課せられる。本研究課題では、被験者に臨床試験に伴う危害やリスクを負ってもらうことを十分に正当化するに足るだけの倫理的根拠や方法あるいは政策課題等について、理論的研究を行うとともに、実証的手法を用いた研究を行っている。
  2. ヒト試料・情報を用いた研究・ヒトゲノム研究等に係る倫理・政策課題
    人より採取された生体試料及び臨床情報・データ(ヒト試料等・ヒトゲノム試料等)を用いた研究は数多くなされてきた。こうしたヒト試料等・ヒトゲノム試料等は、その由来源である個人から切り離された、単純なる「モノ」としての一面をもっている。しかし同時に、それは人格の座としての個人の身体的延長にあるものとして捉えられるものであって、単なるモノ以上の、「人の尊厳」を伴った存在であるという一面がある。
    本研究課題では、こうしたヒト試料等・ヒトゲノム試料等が具える二面性の中にあって、それらを用いて研究を行う際の倫理的・政策的課題を中心に検討する。ここではまた、臨床情報・データや個人情報の保護と研究利用をめぐる倫理的・法的・社会的課題についても検討を行っている。
  3. 臨床研究におけるインフォームド・コンセントの方法論的課題
    臨床研究を実施する場合には、原則として研究対象者のインフォームド・コンセントを得ることが倫理的に要請されている。しかし、近年、リスク・マネージメントや法的対応の視点からインフォームド・コンセントを捉える傾向が強くなり、その結果として、"un-"informedな状態での同意を研究対象者に求めるという、インフォームド・コンセントの本質を見失った状況が生じている。本研究課題では、インフォームド・コンセントの本質に立ち返ったうえで、真に適切なインフォームド・コンセントを得るための方策・方法等についての理論的および実証的検証を行っている。
  4. 看護研究および看護学教育における研究に係る倫理課題
    看護研究は通常、医学系研究の中に一括りに分類されている。しかし、看護研究では、質的研究が行われることが多い、侵襲性の低い研究手法が専ら用いられることが多いなど、いわゆる医学研究一般と異なる特徴が指摘されることが少なくない。こうしたことから、現在の医薬品を用いた臨床試験を基本骨格として形成されてきた倫理規範が、看護研究に求められる倫理的在り方を必ずしも包括可能なものでない可能性が残っている。本研究課題では、こうした看護研究の特徴を踏まえて、もしあるとすれば医学研究一般とのどのような相違が存在するのか、そのことで倫理規範の在り方も異なるのかどうか、といった問題について検証を行っている。
  5. 研究倫理コンサルテーションと教育に関する方法論の構築と実践
    研究倫理は、理論や実証に基づく研究を行う学問領域であると同時に、教育実践としての性格を有している。本研究課題では、蓄積された理論や実証研究の知見に基づきながら、倫理的に適切な被験者保護の在り方、方法、課題と対応策等についてのコンサルテーションおよび教授・研修を行うとともに、これらの実践を通じて研究倫理のコンサルテーションおよび教育に関する方法論の構築と更なる改善に向けた検証を行う。
  6. 臨床研究の規制・ガバナンスに関する政策的課題
    臨床研究は現在、様々な倫理的・法的規制(例:行政指針、薬事法制)やガバナンス構造(例:研究倫理審査委員会)の下に置かれながら実施されている。本研究課題では、こうした臨床研究を取り巻く倫理的・法的規制やガバナンスのあり方や政策的課題について検討を行い、政策提言等につなげていく。
  7. 現代社会における臨床倫理および生命倫理に係る総合的研究
    医療において診療と研究は分かち難く、それらは現代の科学技術や社会制度、政策、文化、歴史とも関わる。それゆえ医学研究における研究倫理を、診療における臨床倫理や、現代社会における生命倫理に関連づける考察が求められる。本研究課題では、上記の研究倫理に関する諸課題にとどまらず、診療において医療従事者と患者が直面する諸問題を中心とする臨床倫理に関する研究と教育を行い、さらに現代の医療と医科学技術をめぐる制度や政策、文化、歴史へと広がる生命倫理の総合的研究に取り組んでいる。

Ⅳ.今後の展望

研究と治療の第一線を走るナショナルセンターとして、果たすべき責務と社会的な期待は非常に大きい。我々は、研究者として、倫理に関する学術的な研究を推進し、研究者としての向上を目指すとともに倫理に関する情報を内外に発信したい。
研究支援においては、センター内においては、研究および治療に関わる一連の活動が、国内に定められる規制に合致していることだけではなく、より高い倫理性を以て計画・実施されるように、支援を行う。センター外に向けては、研究倫理コンサルテーションを継続し、研究倫理に関する相談を必要とする研究者や研究支援者の ニーズに対応していく。また、研究倫理に関する研修をはじめ研究倫理コンサルタント養成等を通して、研究倫理という考え方の周知や浸透、人材育成にも注力する。

最終更新日:2021年10月05日

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