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分子病態部

部の業績
2013年業績

2013年の業績

研究活動の概要

分子病態部は4研究室から構成される。病院との連携を密にして循環器疾患の克服に向けた血栓研究と脳循環研究を、タンパク質・遺伝子のレベルから疾患モデル動物を用いた個体レベルまで、幅広い手法を用いて研究している。分子病態部は、1)血栓形成の研究、2)血管壁細胞の研究、3)脳循環代謝研究、を進めている。

1)血栓形成の研究は、1-1)ADAMTS13の研究を通した血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)の研究、1-2) 非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)に関する研究、1-3) 血小板インテグリンの活性化の研究を通した血小板凝集機構に関する研究、1-4) 日本人の静脈血栓塞栓症・血栓性素因の研究、1-5) 抗血栓薬の遺伝薬理学研究、1-6) 血栓症に関わる臨床研究、を進めている。

1-1)ADAMTS13の研究を通した血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)の研究
TTPは血小板減少と溶血性貧血を示す細小血管障害症である。ADAMTS13活性が先天性および後天性の要因により著減(5%以下)し、超高分子量フォンビルブランド因子マルチマーが血中に蓄積し、これによって血小板血栓が生じることによりTTPが発症する。私たちはこれまでに、先天性TTP患者のADAMTS13遺伝子の解析と組み換え変異体の解析、日本人に高頻度に見られるADAMTS13 P475S変異の同定、新規高感度迅速ADAMTS13活性測定法の開発と知的所有権の確保、ADAMTS13遺伝子欠損マウスの作製と表現型の解析、ADAMTS13のC末端ドメイン欠如マウスの作成と抗血栓能の解析、ADAMTS13の立体構造決定、先天性TTP患者数の推定などを行ってきた。これらの研究は、難治性疾患に指定されているTTPの病因解明に貢献している。私達は先天性TTPの遺伝子解析における中核的施設として機能しており、これまでに国内では43家系の先天性TTP患者46名の遺伝子解析を行った。今年度は、先天性TTP患者2名にADAMTS13遺伝子の広範囲に亘る欠損を世界に先駆けて同定した。また、ADAMTS13-DTCS-P475Sの結晶構造解析を行った。

1-2)非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)に関する研究
非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)は、血小板減少、溶血性貧血、急性腎障害を示し、補体系因子の遺伝子変異をもつ症例が半数以上を占める。全国で同定されたaHUSの遺伝子解析を進め、これまでに39症例の遺伝子解析を行い、60%強の患者に遺伝子変異を認めている。このように、私達は全国のaHUSの遺伝子解析施設として機能している。2013年9月、aHUSの治療薬として抗C5抗体が承認された。この抗C5抗体薬は世界で最も薬価が高い(400,000ドル/年、Nat Med, 2012)。この治療薬が登場したことにより、今後、益々aHUS患者の遺伝子解析の重要性が増すと予想される。こういった研究は競争的資金で行う研究に馴染まないと考える。
私達はaHUSの遺伝子解析に加え、前述(1-1)のTTPの遺伝子解析も行っている。TTPとaHUSは血栓性微小血管障害症に分類され、臨床症状は共通する点がある。後述(1-4, 1-6)のように、私達は静脈血栓症の遺伝子解析も行っている。このように、私達は広く本邦の血栓性疾患の遺伝子解析を引き受けている。こうしたサービスは、米国ウィスコンシンBloodCenterでも行われており(有料)、BloodCenter では2014年1月よりaHUS患者の血清分析と遺伝子解析を含めたサービスを開始している。

1-3)血小板インテグリンの活性化の研究を通した血小板凝集機構に関する研究
動脈血栓症は血小板凝集が大きな役割を果たす。血小板の各種受容体のなかでも、血小板インテグリンは安定な血小板血栓の形成に中心的な役割を果たすことが明らかになっており、血小板インテグリンの活性化の解明は、新規抗血小板薬の創薬に結びつく。私達は血小板インテグリンの活性化メカニズムの解明を目指して研究を進め、CHO細胞にゲノム網羅的変異を導入する手法を用いて、2009年に血小板のインサイドアウトシグナルに関わる因子としてIntegrin-linked kinaseを同定した。本研究を継続し、より詳細なメカニズムの解明を進めている。今年度はIntegrin-linked kinaseがPinchおよびParvinと複合体を形成し、相互の蛋白安定化とともにインテグリンαIIbβ3の活性化を支持することを明らかにした。

1-4)日本人の静脈血栓塞栓症・血栓性素因の研究
静脈血栓塞栓症の発症には、遺伝的素因が関わることは広く知られている。遺伝的な血栓性素因として、白人には凝固第V因子Leiden変異とプロトロンビンG20210A変異が知られているが、両変異は日本人にはなく人種差が認められる。私達は、2006年に日本人の55人に1人に見られるプロテインS K196E変異が、静脈血栓塞栓症のリスク(オッズ比、3.74-8.56、変異Eアレル頻度、0.089)であることを明らかにした。その後も研究を継続し、本変異のヘテロ接合体者の血中プロテインS 抗凝固活性は平均で16%低いこと(2006年)、静脈血栓症患者173名中13名が本変異ヘテロ接合体、2名がホモ接合体であること(2009年)、妊娠産褥期の静脈血栓症患者18名中、2名が本変異ヘテロ接合体であること(2011年)などを報告し、エビデンスを積み上げている。今年度は、本変異の地理的分布に検討を加え、中国人と韓国人には存在せず、日本人にだけ見られる変異であることを報告した。また、プロテインS K196E変異を持つマウスの作製に成功した。このマウスを解析することにより、多くの情報が得られると考えている。

1-5)抗血栓薬の遺伝薬理学研究
2004年にビタミンK還元酵素VKORC1がクローニングされた。私達は、この酵素の遺伝子多型がワルファリンの投与量に影響すると考え、ワルファリン投与量と遺伝子多型の関連解析を行い、VKORC1遺伝子多型がワルファリン投与量の個人差の約8%を説明することを報告した(2007年)。その後、ワルファリンの遺伝薬理学的研究を継続し、腎機能との関連を明らかにした。また、同じ頃、抗血小板薬アスピリン服用に血栓症の再発を伴う不応症が報告された(2002年、2003年)。アスピリンが効かない患者がいるという報告は、間接的にチエノピリジン系抗血小板薬の優位性を示すこととなり、極めてナイーブな面を持つ。そこで、公的資金だけを用いて、抗血小板薬アスピリンの不応症の研究を行う多施設前向き臨床試験を行った(ProGEAR研究、医薬基盤研究所基礎研究推進事業採択:2006年-2010年)。この研究を進めている最中に、チエノピリジン系抗血小板薬クロピドグレルは、CYP2C19の機能消失変異保有者では血栓再発率が高いとの論文が発表された(2009年1月)。これをもとに、米国FDAはクロピドグレル投与患者にCYP2C19遺伝子多型のタイピングを薦める勧告が出された。日本人にはこの機能消失変異が高率(約60%が変異を保有)に見られるので、抗血小板薬クロピドグレルの前向き薬理遺伝学研究を開始した(Cognac研究)。今年度はイベントをフォローした。また、新たに主幹動脈病変を有する急性期虚血性脳血管障害における抗血小板反応性モニタリングの臨床的意義を検討する研究を開始した(PRAISE研究)。これらの研究は、いずれも、脳内科、輸血管理室、研究開発基盤センターと共同で行っている。

1-6)血栓症に関わる臨床研究
妊娠産褥期は血栓症が見られる。妊娠時の凝固亢進状態は出産時の出血を止めるために合目的であるが、妊婦の血栓症や母体と胎児を繋ぐ血管の循環不全などは、抑制されるべきである。周産期婦人科および臨床検査部と共同で、i) 血栓性素因に関する研究、ii) 妊娠時のヘパリン療法による抗凝固療法のモニタリングに関する研究を行っている。また、iii) 新規経口抗凝固薬ダビガトランの凝固系マーカーへの影響の検討、iv) 新規経口第Xa因子阻害薬の凝固系マーカーへの影響の検討、v) 急性期脳卒中例の診断・病態解明に対する新たな血中バイオマーカ―の探索に関する研究、vi) HIT抗体に関する研究、に関与した。

2)血管壁細胞の研究として、ホモシステインで誘導される遺伝子HerpおよびNDRG1、そのホモログであるNDRG4の研究を行っている。ホモシステインは血管内皮細胞の変化を起こす血栓性刺激物質であり、私達はこれらの遺伝子を血管内皮細胞のホモシステイン処理で誘導される遺伝子として単離した(1996年)。ホモシステインは側鎖にSH基を持つので、細胞の小胞体内腔に構造不全タンパク質が蓄積し、細胞は小胞体ストレス状態を起こしていた。小胞体ストレスは虚血、動脈硬化、糖尿病などに広く見られるストレスとして、大変注目を浴びている。私たちは、Herp、Ndrg1、Ndrg4、Derlin1, Derlin3の5種の遺伝子欠損マウスを作製しその表現型の研究を通して、小胞体ストレスの研究を進めている。Ndrg1欠損マウスは末梢神経変性疾患Charcot-Marie-Tooth病4D型の病態を示した(2004年)。Ndrg4欠損マウスは局所脳虚血再灌流に脆弱性を示した(2011年)。Herp欠損マウスは耐糖能低下および局所脳虚血再灌流への脆弱性を示した(2012年)。Derlin1欠損マウスは致死であった(2012年)。Derlin3欠損マウスは見かけ上は正常であった(2012年)。現在、細胞内タンパク質NDRGの結合タンパク質を同定し、機能を解明する研究を進めている。

3)脳循環代謝研究では、遅発性脳血管攣縮の成因の解明、虚血性脳卒中時に生じる虚血性ペナンブラ領域の病態解明、局所脳虚血モデルの開発、および、神経幹細胞の成熟過程の促進作用や成熟神経細胞の神経突起(および、シナプス)に対する成長促進作用を有する脳由来神経栄養因子(BDNF)の脳内産生を促進させる医療機器の開発、ならびに、経口摂取可能なBDNF産生促進物質の探索を行っている。脳局所モデルに関しては、再現性の高いラット局所脳虚血モデルを開発し(2001年)、同じくマウス脳虚血モデルを開発(2003年)し、その後も進化させつつ様々な基礎研究(ノックアウト動物の解析)に生かしている(2011年、2012年)。脳内BDNFの制御機構とその機能性の解明に関しては、化学的刺激を用いて連続的に生じさせた拡延性抑制現象が、脳内BDNFを増加させ、脳梗塞体積を縮小させることを明らかとし(1998年)、また、特定の電位刺激がマウス脳内のBDNF産生を促進し、脳梗塞縮小させること(2005年)、また、正常マウスの記憶力を増強させることを見出した(2008年)。脳内BDNFの産生を促進する拡延性抑制現象を用いることで、内在性幹細胞を刺激し、通常は観察されない脳皮質内での神経新生が誘導されることを見出し(2005年)、さらに、脳皮質表面(軟膜下層)に神経幹細胞として機能するグリア系細胞が存在することを明らかとした(2009年)。脳血管攣縮の成因の解明に関しては、血管壁の炎症時に集積したマクロファージから産生され、平滑筋細胞に対する成長因子であり、遅発性の血管収縮を生じさせる作用を有する血小板由来成長因子(PDGF)が中心的な働きをしていることを明らかとした(2011年)。2013年には、既存の2型糖尿病薬剤に脳内BDNF産生促進作用、および、脳保護作用があることをモデル動物で示し、また、人で行われた特定電圧を用いた電位刺激に緩やかな肥満抑制効果があることを見出し、それぞれ報告した。

2013年の主な研究成果

1)血栓研究

1-1) ADAMTS13の研究を通した血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura, TTP)の研究

私達はADAMTS13の蛍光性合成基質としてFRETS-VWF73を開発した。これを用いる活性測定法を国内および海外企業へ技術移転することにより本基質が市販され、前年度に続いて特許収入があった。本測定法はADAMTS13測定の世界的なスタンダードになっている。また、先天性TTP患者の遺伝子解析を行い、診断に対するサポートや発症要因の解明に寄与している。今年度は、これまで1アレルしか変異が同定されていなかった先天性TTP患者2名に、ADAMTS13遺伝子の広範囲に亘る欠損を世界に先駆けて同定した。また、ADAMTS13のP475S変異部位を含むDTCS領域の結晶構造解析、および詳細な酵素キネティック解析を行った。P475S変異により基質結合部位の構造が僅かに変化し、基質に対する親和性が半減することを明らかにした。小亀浩市室長はADAMTS13遺伝子解析に関する研究成果を、The 59th Annual Scientific and Standardization Committee Meetingで「Quantitative PCR-based analysis of ADAMTS13 genetic defects」と題してアムステルダム市(オランダ)にて講演し、国際誌に原著論文として発表した。

1-2) 非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)に関する研究

非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)の多くは補体活性の制御異常により発症し、約半数の症例で補体第二経路に関わる因子の遺伝子変異が認められる。奈良県立医科大学輸血部では血栓性微小血管障害症患者の診断・登録を行い、先天性aHUS疑診患者を同定している。本研究では、このうち遺伝子解析の同意が得られた先天性aHUS疑診患者の補体関連因子の遺伝子解析を行った。その結果、17例にC3遺伝子に変異を認め、うち15例がC3:I1157T変異を有していた。本変異はC3上の補体制御因子であるH因子の結合部位に位置しているので、変異C3から生じるC3bはH因子を結合できず、補体因子が自己細胞を攻撃して腎障害などの疾患に繋がると考えられた。また、3例の患者にCFH:R1215Q変異を同定した。本変異保有者は、補体活性測定系である羊赤血球の溶血反応が亢進していた。CFHは自己細胞上のシアル酸もしくは酸性グリコサミノグリカンに結合してC3bの不活化に関わる。R1215Q変異によりこの結合が障害され、補体因子が自己細胞を攻撃すると考えられた。aHUSの遺伝子研究は本邦では遅れていたが、2011年から国循-奈良医大の連携によりaHUS研究が進み、全国から症例が集積しつつある。本研究成果の一部はMolecular Immunology誌に掲載された。

1-3) 血小板インテグリンの活性化の研究を通した血小板凝集機構に関する研究

血小板凝集のメカニズムは動脈閉塞症を理解し、その予防と治療にとって重要である。血小板凝集反応にかかわる因子の単離同定を発現クローニングの手法を用いて進め、血小板インテグリンの活性化を制御する因子としてIntegrin-linked kinase (ILK) を同定した。本年度は、ILKとParvinおよびPinch複合体がインテグリン活性化を支持する事を明らかにし、PLoS ONE誌に原著論文として発表した。また、他施設との研究を進め1つの原著論文の共同研究者として加わった。

1-4) 日本人の静脈血栓塞栓症・血栓性素因の研究

私達は、日本人の55人に1人に見られるプロテインS K196E変異が、静脈血栓塞栓症のリスク(オッズ比、3.74-8.56)であることを明らかにしてきた。プラスミノーゲンA620T変異(栃木変異)やADAMTS13 P475S変異は、初めに日本人に見いだされ、次いで中国人や韓国人に同定されたことから、日本人が保有する遺伝子変異の多くは中国人や韓国人にも見られると予想された。そこで、本年度はプロテインS K196E変異の地理的分布を検討した。中国人一般集団509人、韓国人一般集団492人、中国人静脈血栓症患者122人とその対照群122人のいずれにも本変異を見いだせなかった。したがって、プロテインS K196E変異は日本人にだけ見られる血栓性遺伝子変異であり、この変異は比較的新しく生じたものと考えられた。本研究成果はThrombosis Research誌に掲載された。

1-5) 抗血栓薬の遺伝薬理学研究

抗血小板薬クロピドグレルの効果はCYP2C19遺伝子多型で影響を受ける事が明らかとなっており、日本人は白人種に比べ、CYP2C19遺伝子の変異型保有者は多い。そこで、脳神経内科および外部機関と共同で、クロピドグレル服薬患者のADP惹起血小板凝集能、VASPリン酸化能、CYP2C19遺伝子多型を測定し、2年間の追跡イベントとの関連を調べる研究(Cognac研究)を行っている。また、主幹動脈病変を有する急性期虚血性脳血管障害における抗血小板反応性モニタリングの臨床的意義を検討する研究を新たに開始した(PRAISE研究)。

1-6) 血栓症に関わる臨床研究

周産期婦人科と共同で、血栓性素因に関する研究を進めた。ヘパリン療法による抗凝固療法のモニタリングとして、抗Xa活性の基礎検討を行った。経口抗トロンビン薬のモニター法として抗トロンビン活性の測定を、脳内科、臨床検査部とともに開始した。センター内外の臨床医から、血栓症患者の遺伝子解析の依頼を受けた。研究成果の一部はCase Reports in Medicine誌に掲載された。

2)血管壁細胞の研究

血栓・動脈硬化促進因子として知られるホモシステインは、細胞に小胞体ストレスを誘導することから、小胞体ストレスと疾患の観点から研究を進めている。特に、小胞体ストレスにより血管内皮細胞で発現誘導されるNDRG1とHerp、およびその関連因子を中心に解析している。本年度は、NDRGファミリー遺伝子と結合するタンパク質の探索と性状解析を行った。また、他施設と共同研究を行い、共著者としてBrit J Nutr誌、Immunity誌、PLoS ONE誌、Mol Cell誌、Endocrinology誌等の原著論文に参画した。

3)脳循環代謝研究

脳虚血耐性発現の主要な原因物質と考えられており、また、記憶力を高め、糖代謝を改善し、うつ症状を改善させる作用を有する脳由来神経栄養因子(BDNF)の脳内産生を安全に促進する手段の開発において、既存の抗糖尿病薬であるDPP-4阻害剤の一種であり、本邦で開発された新薬、Alogliptin(ネシーナ、武田薬品株式会社)を一定期間マウスに投与したところ、一過性局所脳虚血後に生じる脳梗塞のサイズが有意に縮小することが明らかとなった。すなわち、DPP-4阻害剤であるネシーナは脳保護作用を有し、長期的な内服によって脳内BDNFが有意に増加し、虚血耐性を誘導することが示された。本研究成果はBrain Research誌に掲載された。

また、脳内BDNFの増加作用を有し、認知症等の脳機能低下症状を改善し、肥満を改善する可能性を有する生体電位刺激装置に関しては、マウスの実験によって得られた至適な電圧レベルを、軽度以上の肥満を有する人に長期間(約3年)使用することによって、対照群に比して有意な、二峰性の体重抑制・肥満改善効果が認められた。本研究成果は、Clinical Recovery from CNS Damage、Frontier of Neurology and Neuroscienceに掲載された。

研究業績

  1. Morioka M, Matsumoto M, Saito M, Kokame K, Miyata T and Fujimura Y. A first bout of thrombotic thrombocytopenic purpura triggered by herpes simplex infection in a 45-year-old nulliparous female with Upshaw-Schulman syndrome. Blood Transfus. , , in press.
  2. Mise K, Ubara Y, Matsumoto M, Sumida K, Hiramatsu R, Hasegawa E, Yamanouchi M, Hayami N, Suwabe T, Hoshino J, Sawa N, Ohashi K, Kokame K, Miyata T, Fujimura Y and Takaichi K. Long term follow up of congenital thrombotic thrombocytopenic purpura (Upshaw-Schulman syndrome) on hemodialysis for 19 years: a case report. BMC NEPHROLOGY. 14, 5 , 2013.
  3. Yang D, Nakajo Y, Iihara K, Kataoka H and Yanamoto H. Alogliptin, a dipeptidylpeptidase-4 inhibitor, for patients with diabetes mellitus type 2, induces tolerance to focal cerebral ischemia in non-diabetic, normal mice. Brain Res. 1517, 104-113, 2013.
  4. Takizawa Y, Kosuge Y, Awaj Hi, Tamura E, Takai A, Yana Ti, Yamamoto R, Kokame K, Miyata T, Nakata R and Inoue H. Up-regulation of endothelial nitric oxide synthase (eNOS), silent mating type information regulation 2 homologue 1 (SIRT1) and autophagy-related genes by repeated treatments with resveratrol in human umbilical vein endothelial cells. Brit J Nutr. 110, 2150-2155, 2013.
  5. Muratsu J, Morishima A, Mizoguchi K, Ataka K, Yamamoto H, Fan X, Miyata T and Sakaguchi K. Budd-Chiari Syndrome with multiple thrombi due to a familial Arg42Ser mutation in the protein C gene. Case Reports in Medicine. , 6 , 2013.
  6. Nakazawa T, Tadokoro S, Kamae T, Kiyomizu K, Kashiwagi H, Honda S, Kanakura Y and Tomiyama Y. Agonist stimulation, talin-1, and kindlin-3 are crucial for aIIbb3 activation in a human megakaryoblastic cell line, CMK. Exp Hematol. 41, 79-90, 2013.
  7. Yanamoto H, Nakajo Y, Kataoka H and Iihara K. High voltage electric potentials to enhance brain-derived neurotrophic factor levels in the brain. Front Neurol Neurosci. 32, 129-138, 2013.
  8. Miyata T, Kokame K, Matsumoto M and Fujimura Y. ADAMTS13 activity and genetic mutations in Japan. HAMOSTASEOLOGIE. 33, 131-137, 2013.
  9. Satoh Y, Yokota T, Sudo T, Kondo M, Lai A, Kincade PW, Kouro T, Iida R, Kokame K, Miyata T, Habuchi Y, Matsui K, Tanaka H, Matsumura I, Oritani K, Kohwi-Shigematsu T and Kanakura Y. The Satb1 Protein Directs Hematopoietic Stem Cell Differentiation toward Lymphoid Lineages. Immunity. 38, 1105-1115, 2013.
  10. Akiyama M, Nakayama D, Takeda S, Kokame K, Takagi J and Miyata T. Crystal structure and enzymatic activity of an ADAMTS-13 mutant with the East Asian-specific P475S polymorphism. JOURNAL OF THROMBOSIS AND HAEMOSTASIS. 11, 1399-1406, 2013.
  11. Bernasconi R, Gall Ci, Kokame K and Molinari M. Auto-adaptive ER-associated degradation defines a pre-emptive unfolded protein response pathway. Mol Cell. 52, 783-793, 2013.
  12. Fan XP, Yoshida Y, Honda S, Matsumoto M, Sawada Y, Hattori M, Hisanaga S, Hiwa R, Nakamura F, Tomomori M, Miyagawa S, Fujimaru R, Yamada H, Sawai T, Ikeda Y, Iwata N, Uemura O, Matsukuma E, Aizawa Y, Harada H, Wada H, Ishikawa E, Ashida A, Nangaku M, Miyata T and Fujimura Y. Analysis of genetic and predisposing factors in Japanese patients with atypical hemolytic uremic syndrome. MOLECULAR IMMUNOLOGY. 54, 238-246, 2013.
  13. Kamide K, Asayama K, Katsuya T, Ohkubo T, Hirose T, Inoue R, Metoki H, Kikuya M, Obara T, Hanada H, Thijs L, Kuznetsova T, Noguchi Y, Sugimoto K, Ohishi M, Morimoto S, Nakahashi T, Takiuchi S, Ishimitsu T, Tsuchihashi T, Soma M, Higaki J, Matsuura H, Shinagawa T, Sasaguri T, Miki T, Takeda K, Shimamoto K, Ueno M, Hosomi N, Kato J, Komai N, Kojima S, Sase K, Miyata T, Tomoike H, Kawano Y, Ogihara T, Rakugi H, Staessen JA and Imai Y. Genome-wide response to antihypertensive medication using home blood pressure measurements: a pilot study nested within the HOMED-BP study. PHARMACOGENOMICS. 14, 1709-1721, 2013.
  14. Honda S, Shirotani-Ikejima H, Tadokoro S, Tomiyama Y and Miyata T. The Integrin-Linked Kinase-PINCH-Parvin Complex Supports Integrin aIIbb3 Activation. PLOS ONE. 8, e85498, 2013.
  15. Shinozaki S, Chiba T, Kokame K, Miyata T, Kaneko E and Shimokado K. A Deficiency of Herp, an Endoplasmic Reticulum Stress Protein, Suppresses Atherosclerosis in ApoE Knockout Mice by Attenuating Inflammatory Responses. PLOS ONE. 8, e75249, 2013.
  16. 坂野 史明, 宮田 敏行, 藤岡 政行, 杉本 充彦. 遺伝子改変血栓モデル:ADAMTS13遺伝子欠損マウスを中心に. Thrombosis Medicine. 3, 132-139, 2013.
  17. Liu WY, Yin T, Li Y, Xu B, Yang J, Wang HJ, Okuda H, Harada KH, Koizumi A, Fan XP and Miyata T. Protein S K196E mutation, a genetic risk factor for venous thromboembolism, is limited to Japanese. THROMBOSIS RESEARCH. 132, 314-315, 2013.
  18. 宮田 敏行, 松本 雅則. ADAMTS13 と von Willebrand 因子. カレントテラピー. 31, 332, 2013.
  19. 宮田 敏行, 森下 英理子. 先天性血栓性素因. 血栓と循環. 21, 6-11, 2013.
  20. 小亀 浩市. ADAMTS13と血栓性血小板減少性紫斑病. 循環器病研究の進歩. 34, 69-75, 2013.
  21. 秋山 正志, 武田 壮一, 宮田 敏行. 東アジア人特有のP475S変異を持つADAMTS13の立体構造と機能解析. 日本血栓止血学会誌. 24, 613-618, 2013.
  22. 岡 政史, 大塚 泰史, 稲田 由紀子, 佐藤 忠司, 吉田 瑶子, 藤村 吉博, FanXinping, 宮田 敏行, 濱崎 雄平. 抗CFH抗体陽性およびCFHR1遺伝子欠失を伴うDEAP-HUSの1例. 日本小児腎臓病学会雑誌. 26, 285-291, 2013.
  23. 芦田 明, 吉田 瑶子, 範 新萍, 松本 雅則, 服部 元史, 宮田 敏行, 藤村 吉博. Atypical HUSにおける補体制御異常症診断システムの構築と腎移植. 日本臨床腎移植学会雑誌. 1, 39-44, 2013.
  24. 藤村 吉博, 吉田 瑶子, 範 新萍, 宮田 敏行. 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS). 臨床血液. 54, 1897-1906, 2013.
  25. 宮田 敏行, 小亀 浩市, 小久保 喜弘. 先天性ADAMTS 13欠損症. 臨床検査. 57, 556-561, 2013.

最終更新日:2021年10月22日

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