人工臓器部
研究内容
可搬型補助人工心臓駆動装置
可搬型補助人工心臓駆動装置
現在国内で使用されている体外設置型補助人工心臓である国循型NIPRO LVAS(以下、NIPRO LVAS)の駆動装置は2種類存在する。一つはコンソールタイプであり、外形寸法は32×59×118cm、重量約85kgであるが、通常の使用では施設の陽陰圧、AC電源を必要とするため、病院内での据え置き使用が前提となっている。この内蔵バッテリーは交換出来ない組み込みタイプであり、駆動時間は約1時間となっている。もう一方はキャリーバッグ型のポータブルタイプであり、外形寸法は35×30×45cm、重量約14kg、交換可能なバッテリー2個(1600g)で約2時間の駆動が可能となっている。
これら既存の駆動装置はNIPRO LVASを駆動するのに十分な性能を有しているが、大型で重く、バッテリー駆動時間も短いことから、装着患者のQOLを損なう大きな要因となっている。そこで、人工臓器部では小型・軽量で携帯性に優れた空気圧駆動装置の開発している。開発している駆動装置は、DCサーボモータを応用することで任意の拍動数・収縮期比を有する空気圧を発生可能で、NIPRO LVASを駆動するための十分なポンプ性能と共に、バッテリーにて約5時間の連続駆動が可能である。外形寸法は16×36.5×21.5cm、重量は約8.5kgであり、現在使用されている空気圧駆動装置と比較し小型化、軽量化を実現している。本駆動装置はNIPRO LVAS用駆動装置として十分な性能を備えており、装着患者のQOLの向上が期待される。
現在、本駆動装置は、人工臓器部が2015年に認証取得したISO13485医療機器の品質マネジメントシステムに適合した設計開発を進めている段階である。
最終更新日:2021年10月01日