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小児心臓移植について

国立循環器病研究センターでは、これまでに国内最多の成人心臓移植手術症例数を行ってきた経験と実績を活かし、小児心臓移植の実施と成功に向けて、関連するすべての部門が協力して準備を整えています。現在では、10歳未満の小児への心臓移植が可能な全国3施設の1つとして認定されています。

小児の心臓移植は、その原因となる疾患は成人とは異なり、心臓の筋肉の病気である拡張型心筋症や拘束型心筋症のみならず、生まれつき心臓や大血管の構造に異常のある先天性心疾患の手術前および手術後の重症心不全、川崎病冠動脈病変による重度の心筋虚血や心筋梗塞、薬剤(とくに抗がん剤)に起因する重症心不全、などが含まれます。18歳未満の小児への心臓移植は、欧米を中心に世界全体で毎年500人前後の重症心不全患者さんに行われており、移植手術後は、約半数の患者さんが16年間生存するとされています。

平成22年7月に施行された改正臓器移植法に伴い、日本国内でも小児患者さんへの心臓移植が可能となりました。しかしながら、とくに小児においては脳死下での臓器提供数はまだまだです。また心臓移植まで命をつなぐ小児用人工心臓の開発と実用も待たれます。国立循環器病研究センターでは、小児患者さんへの心臓移植医療が円滑に実施され、1人でも多くの患者さんが救われるよう、病院および研究所が一丸となって努力を続けております。

世界で行われている心臓移植(18歳未満の小児)
世界で行われている心臓移植(18歳未満の小児)

(国際心肺移植学会レジストリ2011資料より)

世界での小児心臓移植手術後の予後

世界での小児心臓移植手術後の予後
(国際心肺移植学会レジストリ2011資料より)

小児期に心臓移植の対象となる基礎疾患

従来の治療法では救命ないし延命の期待が持てない、以下の重症疾患

1.  重度の心不全状態にある拡張型および拡張相肥大型心筋症
2.  高度の心室拡張不全から突然死をきたす可能性が極めて高い拘束型心筋症
3.  解剖学的に外科的修復術が困難な先天性心疾患
          ①   左心低形成症候群およびその類縁疾患
          ②   著しい房室弁逆流と心室不均衡を伴う心内膜床欠損
          ③   重症エプスタイン病
          ④   左心室機能が著しく低下した重症大動脈弁狭窄
4.  外科手術後の重症慢性心不全
5.  高度房室弁閉鎖不全による重症慢性心不全
6.  フォンタン手術後の重症慢性心不全および重度なタンパク漏出性胃腸症
7.  薬剤に起因する重度な心筋障害(抗がん剤等)
8.  血行動態に大きな障害があり、外科的摘出がきわめて困難な心臓腫瘍
9.  川崎病冠動脈後遺症による重度の虚血性心疾患および心筋梗塞を伴う症例
10.  既存の薬物的および非薬物的治療に抵抗する致死的不整脈症例
11.  遺伝性代謝性疾患の高度な心筋障害で、病変が比較的心臓に限局したもの
12.  その他
(日本小児循環器学会心臓移植委員会資料より)

最終更新日 2012年01月30日

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