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心臓生理機能部

研究内容
生理活性ペプチドによる心保護的役割の解明

4)生理活性ペプチドによる心保護的役割の解明

生体内に元来存在する生理活性ペプチドの外因性投与が循環器疾患や、糖尿病などの生活習慣病に対して予防・治療的な効果を示すものがあることがわかってきた。我々は放射光微小血管イメージングなどの研究手法を用いて、心臓をはじめとした生体臓器内微小血管に対する様々な生理活性ペプチドの効果を調べている。

GLP-1R アゴニストの血管保護効果

リラグルチドは、2型糖尿病治療薬として開発されたGLP-1受容体アゴニストであり、インスリン分泌を介して血糖値を低下させることで糖尿病に対する治療効果を示す。近年、血糖値の低下とは並行して糖尿病による様々な合併症を抑制する可能性が示されてきた。我々は、糖尿病予備軍でインスリン抵抗性を示す肥満ラットにリラグルチドを長期投与し、糖尿病の代表的な合併症の一つである血管機能障害に対する効果を調べた。その結果、リラグルチドは血管内皮細胞の一酸化窒素産生能力を増加させることで血管機能障害を抑制させることが示唆された。

Sukumaran V, Tsuchimochi H, Sonobe T, Waddingham MT, Shirai M, Pearson JT. Liraglutide treatment improves the coronary microcirculation in insulin resistant Zucker obese rats on a high salt diet. Cardiovasc Diabetol. 19: 24, 2020.
Sukumaran V, Tsuchimochi H, Sonobe T, Shirai M, Pearson JT. Liraglutide Improves Renal Endothelial Function in Obese Zucker Rats on a High-Salt Diet. J Pharmacol Exp Ther. 369: 375-388, 2019.

アドレノメデュリンの血管保護効果

アドレノメデュリンは、1993年に当センター生化学部(寒川ら)によって発見された降圧作用を示す循環調節ペプチドであり、これまでに様々な循環器疾患の治療において有効であることが示されてきた。現在我々は当センター病院・研究所生化学部・創薬オミックス解析センターとの共同で、慢性腎臓病における腎血管機能障害に着目し、アドレノメデュリンによる治療効果の検討を行っている。

最終更新日:2021年10月01日

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