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心臓生理機能部

研究内容
糖尿病による冠血管老化を引き起こす非血管細胞由来因子の解明

2)糖尿病による冠血管老化を引き起こす非血管細胞由来因子の解明

本年度から冠動脈性血管老化進行因子の生理的基盤、および、内皮細胞および平滑筋細胞における炎症・酸化ストレスによる機能・形態変化への非血管細胞の役割解明について研究を開始した。初年度の実験を立ち上げ、老化促進モデル(SAMP8/TaSlc)および対照マウス(SAMR1/TaSlc)を用いて慢性高脂肪飼料による循環器系老化促進を再現し、in vivoで心機能および冠微小血管に及ぼす変化を検討している。酸化ストレスの老化要因を調べるため、SAMP8マウスにおいてアポサイニンもしくはモノアミンオキシダーゼ遮断剤(clorgyline)を慢性投与し、対照群マウスおよび溶媒投与群と比較した。その結果、老化促進モデルでは拡張障害と冠微小血管の平滑筋細胞機能障害が共に生じていることが示唆された。現在、血管の酸化ストレス定量、TRPチャネルおよびタンパク質翻訳後修飾等の寄与について解析を行っている。

糖尿病病態下での運動時血流再分配を調節する因子について

運動の開始時には、活動筋での需要に応じた血流量の増大が生じる。しかしながら、糖尿病合併症などのように血管機能が低下している場合、この血流の再分配が十分に作用せず、骨格筋収縮力の低下、ひいては運動能力の低下を引き起こすものと考えられる。我々は糖尿病モデル動物を対象として、筋収縮によって惹起される血流の再分配を、下肢血管のin vivoイメージングと下肢血流測定によって評価し、糖尿病病態下ではなぜ運動耐容能が低下するのか、また、血流再分配に関わるどの因子が糖尿病による影響を受けているのかについての検討を行っている。

最終更新日:2021年10月01日

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