広報活動
国立循環器病研究センターとNoel、Ridgelinezが共同でAIモーションセンシング技術を用いた認知症高齢者の歩容特徴を検出するアルゴリズムの開発と 社会実装に向けた取り組みを開始
2024年2月15日
国立研究開発法人国立循環器病研究センター
株式会社 Noel
Ridgelinez株式会社
国立研究開発法人国立循環器病研究センター（所在地：大阪府吹田市、理事長：大津 欣也、以下 国循）と、株式会社 Noel（本社：愛知県名古屋市、代表取締役：竹村 智康、以下Noel） とRidgelinez株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役CEO：今井 俊哉、以下Ridgelinez）は、2024年2月から、AIを活用して動作解析を行うAIモーションセンシング技術を用いて、認知症高齢者の歩容特徴を検出するアルゴリズムを開発し、社会実装に向けた取り組みを開始します。
本取り組みは厚生労働省が実施する令和４年度第２次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」（※1）における「リアルワールドデータを活用した疾患ハイリスク者の早期発見 AIシステム開発と予防介入の社会実装検証」（※2）のテーマの一部として行うものです。3者は本取り組みを通じて、歩行中の認知症高齢者の特徴を日常生活の中で非侵襲な方法を用いて検知し、それにより早期発見や周囲からの早期の声がけなどを行い、社会全体で認知症高齢者を守る認知症共生社会の実現に貢献することを目指します。
■背景
日本では2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると見込まれ、認知症は社会全体で取り組むべき重要なアジェンダとなっています。2023年6月には認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。今後も、法律の施行と認知症施策推進基本計画により、地域共生の仕組みづくりが加速していくことが見込まれます。認知症の方が安全に、かつ安心して自立した日常生活を営める社会環境の整備において、本取り組みの成果が役立つものと期待されます。
■取り組みについて
本取り組みにおいて、3者は2023年度から2027年度までの間に、企画の構想から研究開発成果の社会実装までを実施します。3者はそれぞれの役割を下記の通りとし、まずは2024年から2025年にかけて、認知症の兆候を検知する歩容分析技術の確立と、認知症高齢者を対象とした分析技術の効果検証を行います。
Ridgelinezは、本取り組み全体の企画構想を行うとともに、国循と共同で認知症高齢者の歩容の特徴を検出するAIモーションセンシング技術を活用したアルゴリズムを新たに開発します。開発に当たっては、富士通の体操競技採点支援システム「Judging Support System」（※3）のベース技術となっている「Human Motion Analytics」の高精度な姿勢認識AI技術を活用し、歩容動作をセンシングしたデータを利用します。そして、社会実装に向けたルールメイキング調査やソリューション企画を実施します。
国循は、Ridgelinezとのアルゴリズム開発における医学面での技術監修を担います。また、本取り組みは、認知症高齢者を対象とした観察研究であり、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」等を遵守して行います。そして、取り組みを通じて得られた成果のアウトリーチとして論文発表を担います。
Noelは、本取り組みで開発したアルゴリズムを社会実装する際のアプリケーションを開発します。本アプリケーションは、日常生活の中で認知症高齢者の兆候を検知するサービスとして設計し、Ridgelinez、国循とともに模擬環境下での社会実装の後、実環境下でのサービス試行を行います。
※1：中小企業イノベーション創出推進事業（SBIR:Small Business Innovation Researchフェーズ３基金事業）は、革新的な研究開発を行うスタートアップ等が社会実装に繋げるための大規模技術実証を実施し、先端技術の社会実装の促進を図ることを目的とした補助金制度です。
※2：本事業はリージョナルデータコア株式会社を代表提案者とし、共同提案者および連携協定締結先の主導の下、4つの領域を9つのテーマに分けて実施されます。事業全体には、学術評価のための複数の学術機関、社会実装及び技術開発協力のための、スタートアップを含む15以上の民間企業が参画し、連携しながら推進されます。詳細や、本事業の共同提案者ならびに連携協定締結先につきましては、リージョナルデータコア株式会社のコーポレートサイトより、プレスリリース（国立循環器病研究センターとリージョナルデータコア「電力使用量データを用いた要介護リスクの早期発見に向けたスクリーニングAIの開発と展開」に向けた取り組みを開始）をご覧ください。
※3： 国際体操連盟、富士通のJudging Support Systemを全10種目で利用開始https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/10/5-1.html
■商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■国立循環器病研究センターについて
国立循環器病研究センター(通称：国循)は、病院・研究所・オープンイノベーションセンターの3組織から成り立っており、国の医療政策と一体となって国民の健康を守るために1977年に設立された循環器病を対象とする国立高度専門医療研究センターです。「最先端の、その先へ。」を目指して、日々循環器病に関する診断・治療、調査・研究および専門医療従事者の研修・育成を担っています。
■株式会社Noelについて
Noelは、画像解析AI開発・システム開発・エンターテイメントの３つの軸をもって"他にはない"スピード対応を強みとするスタートアップ企業です。お客様に寄り添った提案を行い、”The Develop a Nothing Else” 他にはない本当に必要なシステム構築、人のためになるAIの活かし方を提案し、Noel独自の技術力で実現し、社会に貢献します。
■Ridgelinez株式会社について
Ridgelinezは戦略から実行までを支援する総合プロフェッショナルファームです。ストラテジー、デザイン、テクノロジーをクリエイティブに融合させ、クライアントの経営課題解決に伴走します。金融、製造、通信、運輸、リテールなど多岐にわたる業界で、デジタルテクノロジーを通じて変革を加速し、End to Endのコンサルティングサービスを提供します。Ridgelinezは変革の中核となる「人」を起点にした独自の先見力によって、チェンジリーダーと共に持続的な未来を創造するパートナーとして社会に貢献します。
【報道機関からの問い合わせ先】
国立循環器病研究センター企画経営部広報企画室
TEL ： 06-6170-1069(31120)
MAIL： kouhou@ml.ncvc.go.jp
最終更新日：2024年02月15日